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2021最難関国立大学入試分析⑤-1-6 九州大学大問1の「問六」

また間が空いてすみません。

開講週はいろいろと気を遣うので数少ない授業でも、終えるとヘトヘトになります。

受験生もそうですが、まずは生活リズムを作るところから始めましょう。

私はリズムがつかめたのでこちらも再開します。

前回はこちら。

では参りましょう。

<プランニング>

【設問】問六 傍線部F「文字を身体的ミメーシスの帰結として捉えるような感性は、いま急速に失われようとしています」とあるが、それはなぜか、その理由について説明せよ。

【設問分析】なぜ = 理由説明 ⇒ 傍線部が【結果】

【傍線部分析】

A 文字を身体的ミメーシスの帰結として捉えるような感性は

ここを因果関係の起点とする。

また、「身体的ミメーシスの帰結」とは何かも考える。

B いま急速に失われようとしています

Aを踏まえたうえで、Aがなくなってきた要因を考える。

【構文】 A が○○だから B(失われる)

<アプローチ>

A 文字を身体的ミメーシスの帰結として捉えるような感性は

7段落の最後の部分に、

手で書かれた文字はそのような肉体性の帰結であり、それじたい、人類の模倣の能力を結晶化させた小宇宙に他ならない

とある。

つまり、文字を書くという行為は人間の肉体性の帰結なのである。

さらに、以下のような記述もある。

模倣の能力を通じて内臓を読み、星を読み、舞踏を踏んできた人間が、ついに読むことの最終的な帰結として「文字」を発明した

つまり、人間が自然を模倣してきた中で最終的に到達したもの(=帰結)が「文字」なのである。

これらをまとめると、

A 人間が自然を模倣する中での最終的な帰結として文字を書くという行為が成立してきた

B 失われる理由を考える

では、それがなぜ失われていたのか。

第八段落の傍線部の直前に注目する。

現在のディジタル化した社会では、文字とは情報伝達としての記号的符牒にすぎません。

ここからなぜ「失われる」のか。

要はディジタル化することで「文字を書く」行為が失われてしまい、文字が単なる「記号」と化してしまったのである。故に「感性」が失われてしまうのだ。これらをまとめると

B 現在のディジタル化した社会においては文字を書く行為が失われてしまい、文字が単なる記号としてしか扱われていないから。

これらをまとめましょう。

<タケガワの模範解答>

人間が自然を模倣する中での最終的な帰結として文字を書くという行為が成立してきたが、現在のディジタル化した社会では文字を書く行為そのものが失われてしまい、文字は単なる記号としての役割しか持たないようになってしまったから。

ようやく大問1が終わりました。いい問題でしたね。

次は大問2に向かいます!それでは。

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