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甲子園の教育論⑦ジンクスを信じるか

◇規格外の男

まさに、規格外である。

前日は4三振。ホームランの数倍のペースで三振を量産する。ついには昭和の大砲かつ三振男、元近鉄のブライアントの記録すら見えてきている。

しかし、今日は2安打2打点。打率も2割7分なので三振数の割にはまあまあ打っている……気がする。

なにより、フルスイングを貫いている。これまでの新人であればここまで三振していたら「当てに行く」打撃をして小さくまとまっていた。なんせ日本人の右打者で20本塁打を大山の前に達成した中谷でさえ「打率」を求めると言い出すような雰囲気のあるチームだったのだ。そんな中で三振しても平然としている。このマイペース、個人的にはゴジラ、松井秀喜氏に通じる部分があるという。

令和のゴジラ。いや、ゴリラか。それが佐藤輝明選手である。

今日は彼のタイムリーと、彼から5番打者を奪われたサンズ選手が3打点を挙げて日本ハムに快勝した。久々の連勝である

◇月間MVPを投打で受賞するということ

試合の前には5月の月間MVPが発表された。投手はスアレス選手。野手は佐藤輝明選手である。前者は妥当。中継ぎの再編戦中のチームにあって、スアレス投手の安定感は本当に頼りになる。ゆるぎない柱がある……これは受験科目の「得意科目」にも通ずる話だ。また別の機会にこれは話をしよう。

佐藤選手はやや意外だが、もはや活躍することが当たり前に感じてしまっている自分がいるようにも思える。

そして、投打の両選手が月間MVPに選出されるのは2005年以来。そう、最後のリーグ優勝をした年以来なのだ。

◇ジンクスを信じるか信じないか

阪神ファンが気にするのは「1985/2003/2005年以来」「2008年以来」というジンクスである。前者はリーグ優勝、日本シリーズ進出を果たした「縁起のいい」ジンクス後者は13ゲームをひっくり返された被メークレジェンドの「悪いジンクス」である。

今シーズンは両方ある。だからこそこれだけ真剣に見ている。期待と不安。エンターテインメントとしては最高じゃないか。

そして、このジンクスは受験界にもたくさんある。一例をあげよう。

・四当五落 
→ 四時間寝た受験生は合格し、五時間睡眠の受験生は不合格に。
・受験生カップルは彼氏の側が落ちる

まず、前者であるが、個人的にはむしろよく寝た方が頭が働くし、よく勉強できると思う。私は受験生の時には8時間寝ていた。それで一応難関と呼ばれる国立大学に現役で合格したのだから、寝ない方が合格するなんてあまり当てにならない。生産性の低い、見かけ上の努力が好きな旧時代的な日本人が作った標語であろう

後者についてはある程度の信憑性があるようにも思える。自分の受験生当時にも彼女もちの友人の多くは第一志望には届かなかった。ただ、反証として私自身の存在があり、講師になってからは反対に女の子の方がダメになることも多々見てきた。分析してみるに、恋に恋するタイプがダメなのである。逆に「落ちることで相手を傷つけたくない」ぐらいの「ガソリン」にできる人間であるとうまくいくようにも思える。

まあつまり、受験も野球もジンクスなんて人それぞれ。当たり前なことだ。上手くいくように努力する者が救われるのだろう。

それでは、また明日。


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