毎日悪夢を見る (2)

毎日悪夢を見ることになるまでの経緯を書きます。

が、かなり情けなくて悲しくなる内容なので、末尾に概要を書きます。適宜そちらだけお読みください。


経緯

2017年2月8日
この日を境に毎日悪夢を見るようになった。それ以前は、悪夢どころか夢も年に1~2回見る程度だった。

ことの発端としてどこまでさかのぼったらいいのかわからないけど、更に1年前くらいから書いてみようと思います。

2016年4月

住み慣れた町から遠く離れた会社に就職した。仕事内容は接客販売・製造・生産管理・発注・在庫管理・その他。私とっては多大なマルチタスクだった。

学生や生徒だった頃から、不注意によるミスが大変多かった。ほとんど毎日時間を間違え、教室を間違え、赤信号を渡ろうとした。それによって授業に遅刻したり、危険に遭ったり、なにか損をしたり、恥をかいたりしてきたけど、基本的には自分が困るだけなので、仕方がないかと思っていた。

就職してからそうした特性はかなり障害となった。おこなう仕事のあちこちでミスを犯し、頻繁に周囲に迷惑をかけた。時に大声で叱責された。本当に申し訳なかった。

学生時代から自分はADD(注意欠陥障害)ではないか?という疑いを持っていたが、なんとかごまかして生活してきた。しかし、そういう訳にもいかなくなってきた。もうかなり実害が出ている。

最初のうちは、仕事に慣れないだけではないかという希望もあったけれど、日を増しても仕事はままならなかった。諦めて心療内科へ行くことを決めた。

心療内科へ、私の頭には障害がありませんか?と診てもらいに行くのはかなりためらわれた。初診の予約を取るのを先延ばしにしていた。いよいよ予約の電話をかけると、初診は最短で2ヶ月待ちですと言われ、驚いた。ためらっている時間があったら早く電話すれば良かった。2ヶ月後に予約をお願いした。


2016年9月

初診を経て、「おそらくADDです。加えてそのことによるストレスで鬱病も発症しています。まずは鬱病の治療からしましょう。鬱病が治ったらADDの治療を始めましょう。」とのことだった。

ここから投薬による鬱病の治療が始まった。が、経過は芳しくなかった。体質の問題なのか、抗鬱薬に対して副作用がひどく、吐き気や頭痛などが続くようになった。薬の量を減らしたり、あれこれ種類を変えてみたり、副作用を緩和する薬を同時に処方してもらったりしたが良くなかった。鬱病の症状は悪化し、様々な副作用が現れた。しかし投薬以外の治療方法は無いとのことだった。

抗鬱薬の副作用で体調が悪化し、体調不良が輪をかけて仕事をできなくさせ、仕事のできなさが鬱病を悪化させ、鬱病のひどさから勝手に治療をやめることもできなかった。

会社自体もなかなか大変な会社だった。社長のワンマン経営で、労基は守られておらず、人が入っては辞めていく。それでも、見知らぬ土地で貯金もキャリアもなく無職になることが怖くて辞められなかった。辞める元気もなかった。


2017年2月

症状を記録する日誌は日に日に行数が増えていく。河を見れば飛び込みたいと思う。駅のホームに立っても同様だったのでバスで通勤した。

睡眠にも影響が出ていた。うまく睡眠をとることができない。医師に伝えると、比較的新しくて依存性の少ない睡眠薬があると言い、処方された。

夜ベッドに入ると金縛りにあった。人がのしかかってくるような圧。体が動かない。金縛りが解けた後、密室が怖くて真冬に窓を開けたまま一晩寝た。

その日から毎晩悪夢を見るようになった。

最初はそれほど気に留めていなかったものの、毎晩悪夢を見ることに疲弊していった。とくに一晩の夢の中で長時間、時に1週間くらい生活していることがあり、どちらが現実か分からなくなりそうだった。それから3週間くらい経ったとき、はたと思った。あの金縛りと、新しい薬の服用が始まったのは同じころではなかったか。

果たしてそうだった。時期が合致している。薬の副作用を調べてみると悪夢とあった。ああ。
薬の副作用に悪夢だなんて。まして睡眠薬の。思いもよらなかったので思い当たるのに随分時間がかかってしまった。

医師に相談しその薬の服用をやめた。でも悪夢は治らなかった。それから現在まで3年以上悪夢障害が続いている。

とうとう仕事を辞め、住み慣れた街へ戻ることにした。


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怖い話をしてごめんね。

※副作用に「悪夢」の出る可能性のある薬というのは意外とあって、高血圧の治療の薬や、花粉症の薬などにも存在します。悪夢でお困りの方で内服されているものがあれば、副作用の欄を一度あらためてみるといいかもしれません。副作用で悪夢がある場合にも、通常は服用をやめれば悪夢もおさまるそうです。

※私の服用した薬について明示しませんが、睡眠薬 悪夢 等で検索すると出ます。

※薬の副作用によって甚大な健康被害があった場合には、医薬品副作用被害救済制度というものを適用できる場合があります。(私は適用できませんでしたが)

※余談  「鬱病は薬で治る。早めに精神科を受診する」という考え方があると思いますが、こんなことになってしまったので、それが正しいことなのか私にはわかりません。あのとき投薬で治療していなかったら、今こんなに苦しむことはなかったかもしれないし、反対にもっと急速に悪化して今生きていなかったかもしれない。言えることとしては、一度うつ病になると大変です。「薬で治る」を無理をしてもいいと捉えずに、出来る限り病気にならないように精神衛生に気をつかって生活するのがおすすめです。


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概要

・鬱病およびADDと診断され、鬱病の投薬治療を始めるが、薬による副作用がひどく症状はますます悪化していった。その後処方された睡眠薬の副作用により悪夢を見るようになり、服用を止めた後も悪夢は治らなかった。



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