毎日悪夢を見る (6)

治療の経過ⅳです。認知行動療法の続きです。人に会わなくなった経緯など。

治療

認知行動療法の続きです。作業1では、睡眠の質を高めて遠回りに悪夢を改善する方法だったが、作業2ではだいぶ直接的な治療を行う。

[作業2]
①作業1で書き溜めていた悪夢の内容について、繰り返し出てくるような特長的な悪夢を抽出する。
②その悪夢を思い出し、再び体験するように、状況や感情を声に出して説明する。つらい。
③つらい結末について、つらい気持ちにならないように違う内容を考える。
④再び②のように悪夢を説明し、結末だけ③で考えたものを使用する。つらい気持ちがなくなるまで想像を続ける。
⑤④を1日2回ほど繰り返す。


悪夢は人の想像に連動している、という考え方があるらしい。作業2についての説明を受けたとき、ちょっとスピっぽいなと思って警戒してしまった。私はスピが怖い。

ここは病院だし滅多なことはないだろうと自分を納得させる。この治療は3週間ほど続けたが、残念ながら私には効果が見られなかった。もともと日によって様々な悪夢を見るタイプだったからかもしれない。特定の悪夢を見るような人には効果があるかもしれない。この作業を続けるのは一旦止めるという方針になった。

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[作業3]
認知行動療法によって鬱病を治療することで悪夢を減らすアプローチ。認知再構成法(コラム法)という手法を用いた。これは一般的に使われる手法であり、前回挙げた書籍にも載っている。

自分の自動思考に着目したことは、精神に良い効果があったかもしれない。ただ劇的な変化は感じられなかった。

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[作業4]
ADDの特徴であるタスク管理の苦手を改善することで、ストレスを減らし、悪夢を減らすアプローチ。

ビジネス書に載っているようなタスク管理の手法を、ごく簡単にしたようなものを教えてもらった。ごく簡単というのが重要で、これまでタスク管理の手法を取り入れようと思ってもそれ自体が面倒くさくて続かなかったのだ。これをやってみて、実際ストレスが減ったように思う。

これは悪夢とは関係ない部分でも助かった。もう忘れてしまうくらい昔だけど、そもそも最初はADDの治療を受けたくて精神科へかかったのだった。それどころではなくなってしまったのでADDについては放置していた。

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この作業が終わる頃には悪夢がかなり改善していた。結局、作業1の継続が1番大きく効いた気がする。

これまでずっと人に会えないほどの精神状態だったが、もう大丈夫かもしれないと思って、親しい人々に連絡して久しぶりに会った。嬉しい。かつての馴染みのお店に顔を出してみたりした。

まだ本調子ではないのに、嬉しくて調子に乗ってしまったかもしれない。2〜3度くらい友人たちに会ううちに、人に会うと以降3日ほど悪夢に寝込むようになってしまった。


治療の日、このことを相談する。

どこに問題があったのか、どうしたら良くなりそうか、詳しく考えていく。寝込む前日、会っていた人は気兼ねない相手か?Yes  長時間ではなかったか?Yes  会った後の気分の落ち込みはなかったか?Yes

内容について改善できそうなポイントがあまりなく、まだ人に会う体調ではない、出来る限り人に会うことを減らしたほうがいいだろうという結論になった。

友人の皆様には、急に顔を出すようになったと思ったらまた引きこもってしまいすみません。

人に会わない日々を続けていたらまた先日のように調子の良い日が続いた。人に会いさえしなければ、随分良くなったものだ。

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2019年12月

認知行動療法のプログラムの全回が終了した。治療を受ける前後で、ものすごく症状が改善した。人らしく生きられるようになった。心理士の先生にめちゃくちゃお礼を言いたかったけど、お忙しいだろうと思いたいして伝えられなかったことが心残りである。

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※認知行動療法のADHDへのアプローチというのは存在するらしい。調べたところでは書籍もあるようなので、特に投薬以外で症状を改善したい方は読んでみると良いかもしれない。実際に投薬で生活している人の話を聞いても、薬が切れた後の虚脱感があったりと魔法の薬という訳ではないようだ。投薬は他の方法を当たってからでも遅くないと思う。

ちなみに私が教えてもらった手法は、今日のタスクを羅列してそれぞれにABCで重要度をつけるという、ただそれだけのもの。このシンプルさが取り掛かりとしてとても合っていました。


※最近ナショナルジオグラフィックから、「新型コロナで奇妙な夢や悪夢を見る人が増加、理由と対処法は」という記事が出ていた。作業2に似た対処法が取り上げら上げられている。



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