ホワイトボードマーカーの選び方

ホワイトボードマーカーを探そうと,ショッピングサイトでサーチすると,実に多くの種類のマーカーがヒットし,どれを選んだら良いか悩むことがあるだろうと思います。

しかし,いくつかのポイントに着目すれば,候補を数種類,場合によっては1つにまで絞り込むことができます。このポイントについて,紹介します。

ポイント1:中綿式か直液式か

ホワイトボードマーカー(というよりもペン全体)は,大きく分けて,中綿式直液式の2つに分類できます。

その機能的な違いについては,私の説明よりも,日本筆記具工業会の下記サイトをご覧いただいたほうが,理解が早いかと思われます。

簡潔に申し上げますと,中綿式は,使うにつれてインキが薄くなっていきます(通常のペンと同じ)。しかし,直液式は,インキを使い切るまで,その濃さは維持され,インキを使い切ると,いきなりインキが出なくなります(当たり前ですが)。

インキの減り方の大まかなイメージは,下の図の通りです。(横軸が時間,縦軸がインキ残量)

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さらに,直液式・中綿式それぞれのメリット・デメリットは以下の表の通りです。インキ濃度(=見やすさに直結)をとるか,長持ちしやすさ&粉の量の少なさをとるか

動画撮影や,大勢の人が集うような大会議室・大教室では,インキが濃い直液式が重宝します(というより,マスト)。

しかし,そうではない場合,具体的には,家庭内や小さな会議室で使う分には,インキの濃度はさして重要ではありません。

そのようなケースでは,濃度よりむしろ粉の量に気をつけたほうが良いでしょう。直液式は濃度が濃い分,消す際に粉が多く生じます。チョークとなり,空気中に多く拡散するわけではありませんが,受け皿に溜まった粉の掃除は,思ったより面倒です。

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ポイント2:維持の費用と手間

使い切るたびに本体を捨てていたら,かなりもったいないです。詰め替えがないマーカーは仕方ないですが,詰め替えカートリッジがあるなら,それを利用したほうが費用を安く抑えられます。

理想を言うなら,詰め替えボトル(ペンをボトルに挿して,インキを吸わせる)方式よりも,詰め替えカートリッジ方式のほうが,時間がかからず,楽です。それもなるべく,安いカートリッジのほうが,長期的に見たら節約になります。

ホワイトボードマーカーは定価で買うと損

店頭では定価で販売されることが多いですが,ネット通販,特に法人向けも展開しているカウネット(コクヨの子会社),LOHACO(アスクル系列)などで買ったほうが,安く済みます。特にカウネットがおすすめです(個人では1500円以上購入で送料無料,コクヨ製品が特に安い)。

具体的にどれを買うべきか,比較

実際に使用してみての私の感想も含まれます。実売価格が安い順に紹介します。若干辛口です。他にも多くのマーカーがありますが,とりあえずネット通販で購入できるうちの,主要なものだけ扱いました。

中綿式・それに近いもの

アスクル ホワイトボードマーカー
本体定価(1箱):1本あたり約37円
1本40円弱と,激安。ただし,品質もそれに比例する。芯先が柔らかく,潰れやすい。箱買いした場合,数本が不良品である可能性もある(実際にそのようなレビューが複数ある)。品質にこだわらなければ,このマーカーが最も経済的。個人や社内で,メモ書き程度に使う分には良いが,会議での使用はおすすめしない

カウネット ホワイトボードマーカー
本体定価(1箱):1本あたり約40円
コクヨの通販カウネットで販売。1本40円近くと,激安。ただし,品質もそれに比例する。ペンが細いので,持ちにくい。中綿式であるにも関わらず,長持ちはしない。インキがかすれやすい。独特な匂いがする。粉はあまり生じない。個人や社内で,メモ書き程度に使う分には良いが,会議での使用はおすすめしない

コクヨ ホワイトボードマーカー
本体定価:132円(カウネット1箱:1本あたり約70円),バリエーション多数
中綿式のなかでは,最もバランスが取れていると言える。匂いもそれほど強くなく,粉の量も多くなく,詰め替えも安い


三菱鉛筆 ホワイトボードマーカー
本体定価:110円(カウネット1箱:1本あたり約77円)
インキの匂いが若干強い蓋が取りにくい。しかし,インキがほどよく濃い。この程度の濃さであれば,粉が多く生じない。1本あたりの価格もお手頃。
将来的には,同メーカーの「お知らセンサー」に取って代わられるか?

パイロット ホワイトボードマーカー
本体定価:110円(カウネット:88円)
インキが薄い。ただし,個人で使う分には,ほどよい薄さでもある。その分粉が生じないのは良い。蓋が若干閉めにくいのが,もどかしい。

三菱鉛筆 お知らセンサー
本体定価:132円(カウネット1箱:1本あたり103円)
中綿式では最も人気なのか,どの店に行っても必ず取り扱っている。上記の三菱ホワイトボードマーカーとインキは同じだろう。それゆえ,インキの匂いが若干強い。しかし,蓋はとりやすい。インキの残量も見える構造だが,残量表示部分にインキがこびりつくので,パイロットのボードマスターと同じく,あまり役立っていない気が・・・。
一見カートリッジ交換ができなさそうだが,交換用カートリッジは販売されている(ただし形は特殊)


100円均一で売られているノーブランドのマーカー
基本的に,アスクル・カウネットに準じる。


直液式・それに近いもの
判断基準:残量の見えやすさ,カートリッジの安さ,本体の安さ

コクヨ ヨクミエール(2014年発売)
カウネット本体1箱:1本あたり86円 カウネット詰替1パック:1個あたり59円
後述のボードマスターより残量が見えやすい(特殊加工されているゆえ,カートリッジにインキがこびりつきにくい)。カートリッジも安い(全ボードマーカーで最安値)。ボードマスターの後発ということもあり,その欠点が改善されているように感じられる。今買うなら,ボードマスターよりこちらのほうが良い。

サクラ イータンク(2014年発売)
本体定価:132円,カウネット詰替1本:69円
サクラクレパスのホワイトボードマーカー。取り扱っている店舗は多くなく,レビューもほぼない。

パイロット ボードマスター(2012年発売
本体定価:132円(ヨドバシドットコム:104円),詰め替え定価:88円(ヨドバシドットコム:69円)軸の形や太さ,色など,あらゆるバリエーションが揃っているのが良い。
ただし,残量の見えやすさに難あり
。直液式(というか,ホワイトボードマーカー全体)では人気ナンバーワン。それだけに,残量表示は改善してほしい。

ぺんてる ホワイトボードマーカー タフ
本体定価132円(カウネット:108円),詰め替え定価99円(カウネット:75円),黒赤青緑,線幅2.1mm,丸芯のみ
インキの濃さを謳っている。インキは補充式。

ぺんてる ノックル
本体定価:220円(カウネット1箱:1本あたり139円)ホワイトボードマーカーでは高価な部類。インキが薄くなっても,ペン後ろをプッシュすれば,インキの濃さが復活する。詰め替えはない。





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