無題

生物学上の、我々が認知して識別し得る端的な部分が曖昧なことに憧れる。シンプルに言えば、男女の区別が曖昧な存在に憧れる。もちろん着衣の上での話だ。二、三年前くらいからだろうか。自分の目に見える女性性を排除したくてたまらないといった衝動に駆られることがある。今の性別に満足していないとか、納得していないとかではなくて、目で見た瞬間に女性と判断できる己身体に我慢ならない、のである。私の身体は小さいし、丸みを帯びているし、乳房があるし、その事実からはどう足掻いても離れることはできないのだけれど、ただこうなりたいと言うことが認められるのであれば、私に乳房はいらないし、丸みを帯びた柔らかい肌もいらない。私は真っ平らな身体がほしい。硬く、何も内包するものがないような身体で生活したいのである。

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