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シンキングミノーのリップの設計

3Dプリンターでルアー作ってる八重樫です。こんにちは。

先ず、宣伝をひとつ失礼します。
2021年6月、boothにショップを開設しシンキングミノーの販売を始めました。是非よろしくお願いします
SillySwimmer65S

今回は「ボディ先端部にラインアイがあるシンキングミノーのリップ」について、既製品の計測をしてボディサイズやアクションに対してリップ設計の傾向を推測し、自分のルアーの設計に活用する為の資料を作成します。

サンプルは以下のルアー
 ・Rhyzmo LAPSE73S AREA
 ・TIGRIS DENS 60S AREA Rhyzmo Tune
 ・iJetLink ブラストイットミノー66ボトムリッター
 ・iJetLink メガララ77ボトムリッター
エリアミノーイング用のシンキングミノーのみです。
そして、私の作ったSillySwimmer65Sを比較してみましょう。

ボディ長に対してリップ長の比率とリップの角度。

Rhyzmo LAPSE73S AREA

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ボディ長73mmに対してリップ長は14mmの19%ぐらい。
リップの角度は概ね25度ぐらい。

TIGRIS DENS 60S AREA Rhyzmo Tune

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ボディ長60mmに対してリップ長15mmの25%。
リップの角度は概ね37度ぐらい。

iJetLink ブラストイットミノー66ボトムリッター

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ボディ長66mmに対してリップ長15.8mmの24%ぐらい。
リップの角度は概ね22度ぐらい。

iJetLink メガララ77ボトムリッター

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ボディ長77mmに対してリップ長18.4mmの24%ぐらい。
リップの角度は概ね20度ぐらい。

LAPSE73Sは19%とリップ短めで、他の3本は24~25%に集中しました。
とりあえず25%前後を基準に試作すると良さそうです。

また、リップの角度はDENS60Sが37度と大きめで、他の3本は20~25度に収まりました。
DENS60Sと他の3本を比較すると、DENS60Sはリトリーブでのウォブリングが強く、ダートは小さめ。他の3本はほぼ水平に大きくダートします。
イワナやヤマメ等はこの大きなダートへの反応が良く、ニジマスはDENS60Sのような小さいダートやリトリーブでのウォブリングへの反応が良い印象があります。
リトリーブでのウォブリングは35度以上の大きい角度、ダートのキレは25度以下の小さい角度で設計すると良さそうです。
※小さいニジマスでもDENS60Sへの反応が悪く、ブラストイットミノー66BLだけに反応が良いような事もあるので、その限りではありません。

SillySwimmer65S

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ボディ長65mmに対してリップ長18mmの27%ぐらい。
リップの角度は38度に設計しました。
リトリーブでのウォブリングの良さはもちろんで、沈めた先の深い所でダートさせて大型の魚を釣る事を目的とした設計です。

ボディ幅に対してリップ幅の比率。

ボディ及びリップの幅については、最も幅が大きい箇所を計測しています。

Rhyzmo LAPSE73S AREA

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ボディ幅9.2mmに対してリップ幅9.4mmの102%ぐらい。

TIGRIS DENS 60S AREA Rhyzmo Tune

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ボディ幅11.6mmに対してリップ幅11.6mmの100%

iJetLink ブラストイットミノー66ボトムリッター

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ボディ幅9.8mmに対してリップ幅7.8mmの80%ぐらい。

iJetLink メガララ77ボトムリッター

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ボディ幅11.2mmに対してリップ幅9.2mmの82%ぐらい。

以前投稿したクランクのリップの設計と同様に、概ね100%未満が良いようです。
また、ボトムリッターについてはどちらも80%程度に揃いました。
これがiJetLinkさんの通常のシンキングモデルとボトムリッターを分けているキモかも知れません。

ロッド操作でのアクションが重要になるエリアミノーイングではなく、通常のリトリーブで釣る際のルアーにおいてはアクションを最大化させる傾向にある為、DENS60Sについてはリトリーブでの釣りも意識しての設計である事が推測されます。

SillySwimmer65S

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ボディ幅12.6mmに対してリップ幅11.2mmの89%ぐらい。
このルアーはボディ形状が他と違いお尻寄りの浮力を強くしている為、ボディ幅を大きく設計しています。
リップ長の比率と同様に、底で釣る事を強く意識した設計です。

ボディ長とボディ幅の比率。

さて、リップの設計ではなくなってしまいますが、ボディについても比率を見てみましょう。

無題

ダートアクションのキレが良い物は13~15%、リトリーブでのウォブリングが強い物は19%と特徴が出ました。

まとめ

当然、ボディ形状やウェイトの配置による重心位置等でも傾向は変わりますが、これらの情報からアクションを軸にルアーの設計をする事が出来るかも知れません。

最後までお読み頂き有難う御座います。モチベーション維持の燃料にサポートいただけると有り難いです。