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分からなくなったらやってみよう!楽曲を意識したベースラインの考え方

オリジナル曲をやるバンドを組み、ベースラインを作ろうとした時アイデアが何も浮かばない。という経験をされた方は多いと思います。今回はベースラインの作り方の紹介になります!

楽曲について考えてみよう!

ベースラインだけじゃなく各パートを構成する時、はじめにすることは曲のデモ(これから作っていく曲のタネ)を聴くことだと思います。そのデモにも数パターンあり

曲を提案するメンバーの弾き語り
スタジオでアイデアを出し合い曲を組んでいく
作曲者が全パート作ってくる

最後の作曲者が全パートを作ってくる場合は、その音源と同じものを弾いていれば大丈夫なことが多いですが、弾き語りのデモやアイデアを出し合いながら楽曲を作る時は自分の考えが必要になります。その時にまず、考えて欲しいのが曲の雰囲気です。大雑把でもいいので、楽しい感じ、寂しい感じ、ワクワクする感じなどに分類してみましょう。そうすると曲に感情移入しやすくなります。ベースだけでなく、どのパートもそうですがフレーズやライン(メロディ、旋律)は楽曲のためにあるものです。楽曲の雰囲気をわかっていないと弾いてる時も感情を込めて弾く方が楽しいですからね!そして、楽曲のよくある特徴で1番と2番で曲のテンションは変わっていたりします。曲を大きく分けた時どのようなテンションになっているのかも理解しているとベースラインを考える時に役立ったりします。

楽曲の大まかな雰囲気を理解すると今度は楽曲のセクションのことについて考えていきましょう!多くの曲にはイントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、間奏、Cメロというセクションわけがされています。それぞれのセクションもどうなっているのかを理解しましょう。

楽曲のリズムをしろう

曲の雰囲気がわかれば次に理解するのは楽曲がどのようなリズムで展開されていってるのか知るというものです。弾き語りのデモ音源が送られてきた場合はギターのバッキングがどのようになっているか、メンバーで考えて曲を作るときは全員でどんなリズムがいいのかを模索していきましょう!

その時に考えやすいのはドラムのリズムパターンです。ドラムはベースと同じバンドのボトムを支えるという役割があります。土台の中でも1番下に当たります。なのでバンドのリズムへの影響力が1番大きいと思ってもいいでしょう。ドラムのリズムパターンはドラマーだけでなく全パートが知っておくべき部分だと思っています。特にベーシストは音色のはっきりしたギターやボーカルと音色ははっきりしないがリズムがはっきりしているドラムの中間のポジションにいるので、まずは大雑把でもいいので理解してみてください。


ベースラインを考えていこう

楽曲を理解でき、リズムパターンを理解したらベースラインを組み立てていきましょう。ベースラインを組み立てていく工程で考えて欲しいのはベースラインの役割です。ベースラインには

ルート弾き
コードトーンや装飾音を入れる(3和音、4和音、テンション)

といったものがあります。これらにもしっかりと役割があります。

ルート弾き→曲のボトムスを支える
コードトーンや装飾音を入れる→曲に流れを作る

という感じになります。そして、バンド内でのベースの役割というのはバンドのボトムを支えてバンド内にある楽器の仲介を行うというものです。ベースの1番の役割は低音域にいるということもあり、バンドサウンドの土台を作るというものがあります。この時先ほどあげた2つの役割のうちルート弾きというものが適任です。そして、ベースのサウンドはバンドサウンドに与える影響力がすごいです。なので、基本的にはルート弾きで曲を守るのがいいでしょう。

楽曲が進んでいきルート弾をしていると曲にマッチしない部分が出てきたとします。その時は2つ目の役割コードトーンや装飾音を入れてみましょう。中でもコードトーンの3度と5度の音を取り入れるのはオススメです。ベースがルート弾きする時もそうですが、ルート以外の音を入れる時もリズムにあったものを入れてあげることです。

※スケールやコードなどについては以下の記事を参照ください

https://note.com/preview/nacd2ac558be1?prev_access_key=bbcd204dee21e31975009cba8e0d0376
(和音について)

https://note.com/tkbass95kyoto/n/n6f521e4fe8f3
(スケールについて)

https://note.com/tkbass95kyoto/n/nb783aff90e60
(調と音階について)

では実際に参考例をあげて楽曲を理解していきましょう!

楽曲の雰囲気とセクションの雰囲気を感じよう

考察していく楽曲は鬼滅の刃のOPだった紅蓮華のワンコーラス分になります。楽曲のイメージは人それぞなので参考程度にみてもらえればと思います!

この楽曲は全体の雰囲気は情熱的で鼓舞してくれる楽曲だと思います。LISAの歌声も力強いので骨太のロックなサウンドがよくマッチしていますね。今回セクションを大きく分けると

Bメロ
強くなれる理由を知った 僕を連れて進め

イントロ

Aメロ
泥だらけの走馬灯に酔う こわばる心
震える手は掴みたいものがある それだけさ
夜の匂いに(I’ll spend all thirty nights)
空睨んでも(Staring into the sky)
変わっていけるのは自分自身だけ それだけさ

Bメロ
強くなれる理由を知った 僕を連れて進め

サビ
どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう 悲しみよ
世界に打ちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ! 運命を照らして

こんな感じですかね。イントロ前の部分はサビ前でも出てくるのでBメロと解釈してみました。

では曲のセクションのイメージをみていきましょう!この曲のイントロとサビは曲のテンションが高い部分です。その前にテンションが上がるBメロを持っていくことによって、曲の展開が見えやすくしていますね!Aメロは全体の感じからすると落ち着いていますね。

楽曲のリズムはイントロは4分音符と付点音符がメインに展開されています。なのでベースとギターのフレーズもユニゾンで付点音符やシンコペーションを使いダイナミックにみせていますね。Aメロはドラムが8分音符と16分音符をうまく組み合わせてリズムを作っているのでベースもそこにルート弾きで合わせていますBメロの部分はサビの盛り上がりのためドラムが4分音符と8分音符で盛り上げています。ベースもその部分に乗っかりルートを弾いています。サビはAメロと同じですね。

このように考察してみるとワンコーラスはルートを弾きを中心にして曲のボトムスをしっかり支えたアレンジになっていますね。この後2番からはフレーズが入ってくるのですが、コードトーンを中心に使われており、小節内の最後の4分音符で展開されています。このMVにはないのですがこの曲にはCメロがあり、曲の雰囲気が伸びやかになっているところがあります。その部分はドラムも音を詰めすぎず、リズムが大きくなっているのでベースラインを3和音や4和音を使い展開させています。


弾くことと聴くことの重要性

このようにベースラインは楽曲の雰囲気、セクションごとの雰囲気、リズムパターンの理解をしてから制作していくと考えやすくなってきます。しかし、アレンジというのは10人いれば10通りあるものと思っています。なので、今回紅蓮華を参考に解説をしましたが、この曲を聴き受けた印象は人によって違う可能性があります。それは間違いではなく、また別の正解だと思っています。なのでまずは、自分の思ったアレンジを弾いて楽曲の中でどう響くのか確かめてみましょう!そして、いろんなジャンルの楽曲を聴いて参考にしましょう!流し聴きもいいですが、何か新しいものを取り入れたいとき楽曲がどのようになっているのかを考えながら聴くと発見があるかもしれませんよ!


【筆者紹介】
土田 航(つちだ こう)
京都でベース講師をやっております。
Youtubeにて弾いてみた動画やレッスン動画掲載中
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