絶対に劇場で見るべき伝説的バスケ作品『THE FITST SLAM DUNK』
みなさんこんにちは、tkです。
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今回は、『THE FIRST SLAM DUNK』についてです。
不朽の名作バスケ漫画である『SLAM DUNK』の最新映画が2022年12月3日に公開されました。
この記事を書いている2023年3月現在も、大ヒットのロングランが続いています。
みなさんは、『THE FIRST SLAM DUNK』を見ましたか?
わたしは、とにかく感動しました…
とにかく、ファンをうらぎらない素晴らしい作品となっています。
見ていなくてこの記事を読んでいただいているかたには、ぜひ見ることをおすすめしたいです。
SLAM DUNKを読んだことがない人にも伝わるように、どのような漫画だったのか、今回の映画は何がすごいのかをお伝えしていきます。
ネタバレにならないように、あくまで内容はさわり程度にしておきます。
スラダン愛読者の方たちには、なにを今更と思われるないようですが、ご容赦ください。
ジャンプ黄金期の三本柱
『SLAM DUNK』はジャンプの黄金期である1990年代を支えた、90年代の三本柱のひとつです。
1990年代の三本柱は(ジャンプファンたちの間では)、
ドラゴンボール(1984年-1995年)、SLAM DUNK(1990年-1996年)、幽☆遊☆白書(1990年-1994年)といわれています。
単行本の発行部数はそれぞれ、
・ドラゴンボール:2億6000万部(全42巻)歴代4位
・SLAN DUNK:1億7000万部(全31巻)歴代6位
・幽☆遊☆白書:5000万部(全19巻)歴代45位(くらい?)
となっており、とんでもない発行部数です。
(歴代1位はとうぜん、『ワンピース』で5億部突破。バケモンや…)
特にドラゴンボールとSLAM DUNKは、25年以上も前に連載終了した作品にもかかわらず、今でも発行部数を伸ばし続けています。
そんなジャンプ黄金期も、終わりを迎えるのです。
1994年 「魔界トーナメントはじまった!かっこいい魔族同士の戦いが楽しみ!」と思ったらトーナメントの様子が描かれることなく、幽遊白書が終了
1995年 「魔人ブウ戦、アツかったな…次は何編かなあ。」とドキドキしていたら悟空に「あばよ」され、ドラゴンボールが終了
1996年 そして、SLAM DUNKが作品絶頂のまま惜しまれて終了
(ジャンプ本誌では、「第一部 完」という表記だったらしいです)
ジャンプ愛読者たちはどんぞこに突き落とされたことでしょう…
1997年に『ワンピース』が始まるまで、ジャンプ暗黒期と呼ばれた時代が続くのでした。。。
ちなみに暗黒期を『るろうに剣心』1作品で支えていました(これもまた名作)
特別でない設定が感動と共感を呼ぶ
ここからは少し作品の中身にふれていきたいとおみます。
舞台は、神奈川県の湘南エリアにある湘北高校。
主人公は湘北高校の1年生、「桜木 花道(さくらぎはなみち)」。
桜木は中学時代は喧嘩に明け暮れていた元不良。
しかし、高校で一目ぼれした女性、「赤木 晴子(あかぎはるこ)」にバスケをすすめられ、バスケ部に入部することに。
バスケ部に入部した桜木は、主将「赤木 剛憲(あかぎ たけのり)」が率いる湘北バスケ部で全国制覇を目指す。
という物語です!
高校生が全国を目指すというストーリーとしては特別な感じはしないですよね。むしろ王道かと思います。
そして、湘北バスケ部にも、そのほかの登場人物にも、スポーツ漫画にありがちな特殊能力はありません。相手の動きの未来が見えたり、ボールが異次元の曲がりかたをする、なんて能力は持ってません。
普通の高校生たちなのです。
そこがこの作品のひとつの魅力でもあります。
普通の高校生が描かれていることで、より一層、登場人物たちの苦悩や喜びに共感でき、彼らの成長と偉業に感動できるのだと思います。
主人公の桜木は、バスケ未経験のド素人で、ドリブルの基礎練習から始めるレベルです。
しかし、桜木はずば抜けた身体能力の高さから、素人とは思えない目覚ましい活躍をするにまで成長していくのです。
湘北バスケ部のメンバーはもちろん、他校のバスケ部メンバーも共に成長していく姿に心打たれます。
試合中に成長する魅力的なキャラクター
スラムダンクはなんといっても、登場人物が魅力的すぎるのです。
湘北バスケ部の主要メンバーだけでなく、エース級も含む他校メンバーたちや監督、それぞれに見せ場と魅力があります。
しかし、『SLAM DUNK』の多くは試合のシーンであり、家庭環境についてや、試合外の人間関係については描写が多くありません。
湘北バスケ部のメンバーは、実際仲良しでもないし、協調性もなく、よく小競り合いします。
この作品では、試合中にドラマが展開され、各キャラたちが試合中に大きく成長していきます。
多くのキャラクターにドラマがありますが、ここで一部の主要キャラクターを紹介します。
桜木 花道(さくらぎ はなみち)
湘北高校バスケ部1年生でバスケド素人
ポジションはパワーフォワード
本作の主人公
髪の毛が赤く、赤毛ザルと呼ばれることもある
持久力、瞬発力、跳躍力が異常に高い
リバウンドが武器
自信家だが、ナイーブな一面もある
いつかスラムダンクを決めたいと思っている
試合ごとに成長する姿から目が離せない
赤木 剛憲(あかぎ たけのり)
湘北高校バスケ部3年生で主将
ポジションはセンター
湘北バスケ部の精神的支柱
支柱だがときどき崩れることもある
その風貌から、桜木から「ゴリ」と呼ばれる
特技はゴリラダンク
桜木が一目ぼれした赤木晴子の兄
神奈川県トップクラスのセンター
誰よりもバスケを愛する男であり、全国制覇を夢見て努力をし続けてきた
流川 楓(るかわ かえで)
湘北高校バスケ部1年生
ポジションはフォワード
エースプレイヤーであり、超絶な得点能力を持つ
女性人気が高く親衛隊が存在する
桜木に一方的にライバル視されている
全国レベルのプレイヤーだが、家が近いので湘北高校に通っている
無口で負けず嫌い
とあることをきっかけに高校No.1プレイヤーを目指す
三井 寿(みつい ひさし)
湘北高校バスケ部3年生
ポジションはシューティングガード
桜木には「ミッチー」と呼ばれる
天才的スリーポイントシューター
グレて一時期バスケから離れていた ←名エピソードなのでぜひ読んで
挫折した弱さを自覚し、強さに変える炎の男
おれは三井 あきらめの悪い男
ミッチーがスリーポイントを打つ瞬間が一番ドキドキする
そして入ったら思わず心の中でガッツポーズする
名言への関与率めちゃ高い
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」もこの人が関係している
三井の名言をみんな真似したがる(特に男子)
宮城 リョータ(みやぎ りょーた)
湘北高校バスケ部2年生
ポジションはガード
神奈川県No.1ガードになることを目指している
小柄を活かしたスピードあるプレイが持ち味
背が高くないためチームの弱点とみなされることがある
ムキになりやすく、喧嘩っぱやい
『THE FIRST SLAM DUNK』は宮城に注目
木暮 公延(こぐれ きみのぶ)
湘北高校バスケ部3年生で副主将
赤木の最大の理解者
誰に対してもとにかく優しい
この人だって3年間積み上げてきたことを忘れてはいけない
相手になめられたところで木暮が点数を決めるとスカッとする
作中でもおろそかな扱いをされておらず井上先生のリスペクトを感じる
安西 光義(あんざい みつよし)
湘北高校バスケ部監督
昔は鬼、今は仏のようなひと
チームのことを一番信頼している
この人がいなければ湘北高校は成り立たない
ひとを奮い立たせるすべが異常にうまい
仙道 彰(せんどう あきら)
陵南高校バスケ部2年
陵南のエース、天才オールラウンダー
ドリブル、ゲームメイキングの能力にたけている
遅刻とサボりの常習犯
髪の毛がベジータと同じくらいツンツン
牧 紳一(まき しんいち)
海南高校バスケ部3年生
神奈川県No.1プレイヤー
インサイドにガンガンと切り込むスタイル
4人がかりでも止めにいく価値のあるプレイヤー
その黒さはサーフィン焼け
コート外では紳士風
井上先生の圧倒的な画力
『SLAM DUNK』は25年以上前の作品ですが、今でも色あせていないことの理由のひとつは、井上雄彦先生の圧倒的な画力がその理由のひとつだと考えています。
バスケットボールはサッカーやテニスと同じく非常に動きの多いスポーツです。
フェイントやシュートの華麗さを、漫画というコマ割りされたもので表現することは非常にむずかしいです。
アニメであれば、1秒を数十コマにしてつなぎ合わせることで滑らかな動きを表現することができますが、漫画ではそれはできません。
しかし、『SLAM DUNK』ではコマ割りされた漫画であるにもかかわらず、選手たちの動きのすごさが伝わってくるのです。
桜木花道のとんでもない跳躍力によるリバウンドの迫力
三井寿の美しい弧を描いた完璧なスリーポイントシュート
宮城の小回りのきいたドリブルテクニック
スタープレイヤーたちの空中でのフェイント合戦
などなど、静止画なのに「この動きすごい!」って感じてしまうのです。
また、人物の表情描写にも目を見張るものがあります。
特に、疲れている表情と汗です。
疲れを目の下のクマの陰影やまぶたを落としかたでうまく表現されており、「ミッチー、バテバテや…」と一目でわかってしまうのです。
そして、汗。
試合中の選手たちは、尋常じゃない量の汗をかいてます(描かれています)
これがまた試合の緊迫感が伝わるし、その圧倒的な量が嫌でも試合のハードさを教えてくれるのです。
この汗全部手書きで書いてるんだろうか…
今回の映画は井上先生が脚本・監督
さて、映画『THE FIRST SLAM DUNK』についての話です。
この映画の最大のポイントは、原作者である井上雄彦先生自身が脚本と監督をしていることです。
小説や漫画が映画化されるときに、原作者が制作に携わることは非常に稀です。
原作者が制作サイドと接することがあったとしても、基本的にはプロデューサーとのやりとりになり、制作陣とコミュニケーションすることはほぼないらしいです。
原作者が納得がいかないものができあがろうとしていても、なかなか口出しできないようです。
映像化されたものが、原作ファンの期待していたものと大きく異なることがよくあるかと思います。
今回は井上先生が脚本・監督のため、この映画は井上先生の思い描く『SLAM DUNK』そのものです。これほどファンにとって安心できるものはありません。
しかし、井上先生が脚本・監督となるまで、映画化が決定するまでとてつもない期間がかかっています。
2009年にプロデューサーの松井俊之さんが、原作事務所に企画書を提出したことから始まり、全部で5本企画書を出し、2014年に初めて井上先生と対面されました。
今回の映画の企画書を5年間も作りづつけてきた熱意。
その熱意が伝わり、松井プロデューサーからの依頼で脚本と監督を引き受けることになりました。
井上先生ご自身も、作り上げるなら自分が納得いくものにしたいし、そのためには自分が制作陣の中に入る必要があるとのお考えだったとのことです。
公式HPのインタビューを見ていると、実際に井上先生が制作スタッフのみなさんとコミュニケーションを重ねて作り上げていったことがわかります。
桜木の筋肉をしなやかなものに修正したり、下まぶたの線を調整したり…
インタビューを読んで、こんなに細かな調整にまで入り込んでいるのかと驚愕しました。
松井プロデューサーいわく、『THE FIRST SLAM DUNK』は井上監督がスタッフたちの中心にたつ作品であり、純度100%の「a TAKEHIKO INOUE film」にするための環境づくりをされてきたようです。
試合会場で見ているかのよう
少し大げさかもしれませんが、本作は本当のバスケットボールの試合を、試合会場で見ているかのような錯覚に陥ります。
今作では「3DCG」と「モーションキャプチャー」の技術を活用することで、プレイの臨場感とリアリティを高めています。
『SLAM DUNK』は1990年代にアニメ化されておりましたが、当時はアニメにCGを活用できる時代ではなく、多くのスポーツアニメで少ない作画枚数でなるべく多くの動きを表現できるよう工夫していました。
異なる絵を交互に繰り返しつかって動きを表現したり、背景を動かすことで人やボールが動いているように見せる、といった手法です。
これでもある程度臨場感はでるのですが、原作者の思い描く理想の動きにはほど遠い。
井上先生はリアリティの追及へのこだわりが強く、昔のアニメ版にはあまり納得いっていなかったというウワサもあります。
その問題を解消するのが3DCGです。
3DCGを活用することで、キャラクターにリアリティある動きをさせることができます。
3Dでキャラクターを作成し、3D空間内でキャラクターに自在に動きをつけ、それをアニメーションに落とし込みます。
この動きをつけるところに、モーションキャプチャーを活用。
モーションキャプチャとは、人につけたセンサーで、動作をデジタルとして記録する技術のこと。
『THE FIRST SLAM DUNK』では、10人にセンサーをつけて40分間の動きを記録して、3DCGで作成したキャラクターに動きをつけていきました。
この2つの技術を活かして、実際にバスケをプレイしている選手たちの動きを表現することができているのです。
そしてもう一つのポイントは「音」
「キュッキュ」と鳴り響くバッシュの音、「ドム!ドム!」とボールをつく音、そしてあの静寂のシーン(ネタバレなので言えない)
これを映画館の素晴らしい音響設備で味わうのが最高に臨場感あります!
もう一度見に行こう
長々と書いてきましたが、素晴らしい映画であることは間違いないと思いますし、原作も傑作ですのでぜひ読んでいただければと思います。
もう一度劇場で見てみたい。そう思わせてくれる作品です。
わたしは、『THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE』を読んで、もう一度劇場に足を運ぶつもりです!
そして次はネタバレありの感想文を存分に書くつもりです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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