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【第八歩】宝飾時計を回想する・その3(完)

「宝飾時計」ライブ配信

時が進むのは速いもので、「宝飾時計」のライブ配信も終わり1週間が過ぎた。
本公演が終わってからは2週間で、少し時間が経過してしまったなあという印象がある。
そんななか、高畑充希自身は次のドラマ撮影の方へシフトしたと思いきや、インスタグラムでは「宝飾時計」の思い出写真をアップしている。
少し感傷的になっているようにも思えるが、その気持はワタシも同じ。

配信は、2回ほど観たが、2度目は台本を観ながら鑑賞するという演出家気取りの方法で観た。
ちなみに台本は、公演に行った方ならご存知の通り、売店で売っていたものだ。
そうすると、実際の舞台ではカットされたセリフ、変更されたセリフがあるが、大きな変更はなく、ほぼ台本通りであったことがわかった。
だが、こうして、何度かこの舞台を観たもののやはり、ラストはあまり好きではない。
台本を見ながら観て、セリフの理解も深まるかと思えたが、そうでもない。
特に、後半、ゆりかの歌唱の前で大小路とゆりかが向き合い長いセリフを交わすが、ここのもたつき感がもったいないように感じている。
もう少し、わかりやすい展開でラストに持っていけなかっただろうか?

配信の良かった点は、俳優の表情がよく見えるということに尽きる。
やはり、実際の舞台とは別物。
いちばんいいのは、今回のように実際の舞台も観てから、配信も観る、というのが最高の鑑賞形態ではないかと。
ちなみにロンドン公演の「ミス・サイゴン」のブルーレイを所有しているが、これはほとんど映画である。
カット割りやカメラの位置からして、舞台でありながら舞台ではない。
かと言って、カメラを後方座席固定位置から全景を捉えていれば成り立つかといえばそうではない。
ライブ感を活かしつつ、カットを切り替えるそのバランスは、舞台内容によっても異なるだろう。
結局、舞台の映像配信というのは、難しい。
その意味で、「宝飾時計」の映像配信はよくできていたと思う。

唐突に、ドラマ「HR」について

話は変わるが、かつて「HR」という連続ドラマがあった。
ちょうど20年前の三谷幸喜作・演出作品である。
いわゆるシチュエーション・コメディということであるが、ノンストップ一発撮りという極めて舞台に近いやり方で制作されているのが、肝である。
このたび、「宝飾時計」配信を観たあとに、また、これを観てしまった。
やはり何度観ても「面白すぎる!!」
ワタシは、三谷幸喜のファンではないが、いくつかの映画とこの「HR」は大好きなのである。
動画配信サービスでは配信されていないが、DVDレンタルならば、今でも借りられる。
ワタシは、DMMDVDレンタルを利用した。

香取慎吾(以下、五十音順)・浅野和之・今井朋彦・小野武彦・國村隼・酒井美紀・篠原涼子・白井晃・戸田恵子・中村獅童・生瀬勝久・(ゲスト出演)古田新太・小日向文世・市村正親・岸田今日子・他
このキャストの名前を観ただけでも、今となっては信じられないほど豪華。
特に篠原涼子の元水商売の女、中村獅童の元ヤンキー、戸田恵子の派手なおばさん、この3人がツボである。
だが、いちばん好きなのは、酒井美紀。
先生である香取慎吾が好きなのだが、振り向かれず、ドラマ後半では逆ギレし、全身黒タイツを着てしまうという暴挙に出るという振り幅の広い役である。
しかもとてもかわいい。。。
この人はこういうコメディが似合うと思うのだが、出演作品を確認してもこれ以外にないようなのが非常に残念である。
舞台の映像化ということで、ふと「HR」を思い出したのだが、こんなドラマは2度とできないだろうなあ。
(アマゾンプライムで三谷幸喜+香取慎吾によって「誰かが見ている」というシチュエーション・コメディがあるがこちらはまだ未見である)

2年前の舞台「ウェイトレス」

またまた、話は変わって、ちょうど2年前、2021年3月は舞台「ウェイトレス」の公演時期にあたる。
ワタシが初めて観た高畑充希の舞台だったが、こちらは「宝飾時計」と違い、鑑賞後は気分爽快!とてもすっきり気持ちよくなる舞台であった。
「宝飾時計」はそれはそれでよかったのだが、もう一度観たいといえば、「ウェイトレス」になってしまう。
おそらく数年先には、再演されることがあると勝手に思い込んでいる。
次回はその「ウェイトレス」について書いてみようと思っているところである。。。


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