わたしだけが知っている楽しみ

はじめてその人の名前を呼んで
恥ずかしくて目をそらした日

呼び名が変わって
いっしょに過ごすことがふえた日

もういちど呼び名が変わって
真剣におたがいの未来を話せるようになった日

それから呼び名はずっと変わらない
変わらないようにしている日がつづいている
わたしはつづけられている

このことを話す日は、たぶん、来ない
来てほしくない

これは
わたしだけが知っている楽しみだから

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