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誰も知らない。

心が音をたてる

少しずつ それでも確実に


硬い箱に閉じ込めた

何重にも鍵をして


変わりたいと願い

変われると信じ

その箱に手を伸ばすたび

涙が溢れてきた


怖さと辛さとしんどさと

記憶の奥に隠された

トラウマが疼きだすから


息苦しさから逃れるため

また新たに鍵をかけて

また耳を塞いで 目を閉じて

そんな自分に嫌気がさして


本心という言葉を

冗談と笑顔で隠すようになったのは

いつからだっけ… 思い出せない


生まれ持ったコミュニケーションの能力は

自分を守るためだけに使われるようになった


誰も本当の私なんて 知らない

私自身でさえも


それでも反応するものがある

記憶の中に刻まれている

誰かを想う気持ち 心 感情

抑え込もうとする私に

細胞レベルの反応で身体に伝える


息が浅くなる 巡りが変わる

身体が震える 心が高鳴る

全身で存在を確かめようとする


ほら今日も 彼だよって

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