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洪水にもコロナにも負けず ~2020年の戸田球場観戦記~

コロナ禍の影響を受けて、例年とは全く違うシーズンを送る2020年のプロ野球。収容上限は9月に入っても5,000名のまま。一軍公式戦のチケット入手はハードルが高く、落着きをみせない感染状況も相まって、球場に足を向けづらい日々が続く。
それでも、生の野球が観たい!という訳で、密にならないだろう、ファーム公式戦を今年の初観戦に決めた。9月1日が今季の初観戦とは、本当にひどいシーズンとなったものだ。

イースタンリーグ公式戦は、ロッテ浦和や新球場「CAR3219(カーミニーク)フィールド」の西武が無観客を続けており残念だが、ジャイアンツ、鎌ヶ谷、横須賀、そして戸田はお客を入れて試合を行っている。今回は戸田を訪れることとした。

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ヤクルト戸田球場は荒川沿いの彩湖・道満グリーンパーク内にある。はっきり言って、公共交通機関でのアクセスは悪い。今回は平日ということもあり、球場近くの南駐車場へ車を停める。5時間近く車を停めたが、駐車料金は250円だった。

コロナの前に、戸田球場は昨年の令和元年東日本台風で荒川の水位が上昇し、球場全体が水没するという大被害を受けた。グラウンド一帯は調水池となっていることは知っていたが、水没した施設の写真を見たときはショックだった。高価な機械や練習道具一式も水没。施設の復旧も大変だったに違いない。

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それから約1年。今度はコロナだ。密を避ける、大声を出さない。観戦スタイルは大きく変わってしまった。ファームの試合でも警戒は続く。一度に多くの人が密集しないよう、入場は10分おきの案内。整理券には氏名と連絡先を記入、半券は14日間は保存するようアナウンスされる。

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入り口でおでこに体温計を当てられる。何度経験しても慣れない。そしてようやくスタンドへ。懐かしい空気。

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久しぶりの戸田球場は外野に席が増設されていた。この日の観衆は131名。ネット裏席は隣り合わないよう前後左右間隔を開けて座る。荷物も置きやすいし快適だが、マスクをずっとつけているよう指示もある。やはり慣れない。そういえば、土手からの通路は締め切られていた。相変わらず土手観戦勢は多かったが、球場への出入りは南駐車場側に統一したようだ。

スタンドの後ろ側には「検温済」ストラップを下げた方々が陣取る関係者席。スポーツ紙の記者やスコアラーだろうか。スピードガンを構えて1球ごとにスピードを報告してくれる。これはうれしいサービスだ。

ファームの球場は選手や審判の声がよく響く。好打の選手には「ナイスバッティング!」、ランナーを背負った投手にはグラウンドのナインから「ゲッツーいきましょう!」、ピンチで二死を取った投手にはコーチから「次のバッターにあっさりいくなよ!」とアドバイス。実に人間臭くていい。審判からネット裏への選手交代報告もよく聞こえて、記録をつける人間には大変助かる。

今日のカードは東北楽天戦。ヤクルト先発はベテラン左腕の山田大。初回はわずか5球で3人を打ち取るが、2回に石原に一発を打たれ、3回には二死後に3連打を浴びて3失点。球速は140に届かないものの、粘り強く投げた印象。対する楽天はドラフト6位ルーキーの瀧中。こちらは速球をビシビシ投げ込み、6回を1安打無失点。ただファウルで粘られるシーンもあり、球数はやや多かったか。

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7回裏には楽天・由規が登板し、ヤクルトファンからも拍手。しかし、3安打1四球で1回持たず残念な結果に。ヤクルトは代打藤井がしぶとくレフトに落として同点。楽天・鈴木翔からは1球投げるごとにうめきのような声が聞こえる。田代を抑えてなんとか同点どまりに抑える。

その後は両軍投手がふんばり、延長10回でも決着つかずの引き分け試合。楽天・福山、ヤクルト・五十嵐ら、再起を期すベテランの姿も見ることができ、3時間8分の試合を存分に楽しむことができた。

2020.9.1 SーE9回戦-1

2020.9.1 SーE9回戦-2

NPBスコア
ヤクルト公式スコア
楽天公式スコア

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そういえば、戸田球場のスコアボードは上部のスコアが表示されている部分だけ使用していた。選手欄を使用しなかったのはなぜだろうか。ひょっとすると、浸水の影響がまだ残っているのかもしれない。

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