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「アジアで大成功する方法 100か条」

「中腰のクニ」
これは少し前の出来事です。
2015年4月16日 朝9時 私が北京から東京に戻るその日の出来事です。
前々日に映画のテーマ曲の打ち合わせを行い、タイミングも良くその日にエンディングに流れるテーマ曲も決まった後、その映画製作会社の総裁でもあるプロデューサーに「是非今度会社に来てください」と誘われ、彼のホールディング・カンパニーと彼の会社の所有する30以上の音楽スタジオ見学に出かける時です。
私はスタッフとわたしのアパート(日本で言うとマンション)を出て、さほどは遠くないその場所に向かおうとタクシーを待っていました。ところが朝一番のラッシュ・アワーが終わった朝の9時過ぎでさえタクシーは一台もなく、そこで20分待っても来ないタクシーをあきらめて、何台か来る白タクの一台に乗り込みました。
距離で言えばほんの2.5キロ、時間にすれば10分で着くはずが、進路方向が街の中心への反対方向にもかかわらず大渋滞。そしてこの白タクの運転手は丸顔の、人のいい顔のわりに運転はかなり大胆で。こちらの2車線が詰まっていれば、大胆にも反対車線を普通の顔で走って行くのです。向こうから大型のトラックが来て道を塞いでも平気な顔。しょうがないのでこちらの車線に戻ろうとも、こちらの車線の車は一台もそれを許しません。それでもってさあ、反対車線もせき止めての20分。しかし彼は平気な顔。やっとこちらの車線の車が入れてくれても、この運転手はまた車が詰まると性懲りもなく、今度は右側の歩道を走って前に行きます。そこでまた前方右側の車が追突事故を起こしている所に入り込んで、またまたさらなる渋滞を巻き起こし。まあこのような感じで目的地へ。ここは同じような開発をされた建物が100棟も立ち並ぶエリアで、これがなかなかわからない。もうひとり私の会社の女性スタッフもその会社を探し1時間あまり彷徨っているよう。そこへ、その会社の映画プロデューサーが現れ、やっと車を降りて会社に到着。そして音楽部門のトップを紹介されておよそ30分、会談が進んでいたところで私のスタッフが、その日東京に帰る私のスーツケースをその白タクのトランクに入れたまま降りてきてしまったことに気づいたのです。私ももちろん「おおー!」とは思いましたが、タクシーではないのでレシートがあるはずもなく、もちろん車のナンバーを知る由もなく、思わずなぜか笑いすら出てしまいました。しかし、その時その映画のプロデューサーがすぐに、「車のナンバーが警備のカメラに映っているはずだ!そこから所有者を洗い出せばいいと、外へ警備へと飛んでいってくれたのです。」私はもう既にあきらめて、パスポートといくらかのお金は胸のポケットに入っているので、「まあ、今日は手ぶらで日本へ戻ろう。まあ洋服はまた買うしかないな。」と思い案外平気な顔で、その総裁と音楽の話を続けていました。

 すると5分もしないうちに、映画プロデューサーが笑顔で戻ってきました。「もう大丈夫心配ない。」と。その話を聞いてみたら、その白タクの運転手は荷物がトランクにあるのに気がついて、自分の車を止めて、私の荷物を持って、同じような建物が連続してある広いそのエリアを30分以上も歩いて、一軒一軒聞いて歩いて回っていたようなのです。そこへ映画プロデューサーと出くわしたという塩梅なのです。
もちろんお礼に彼には幾らかのお金を渡したようですが、プロデューサーは私に「あなたはほんとうにラッキーだ!もちろん私達が出会って映画で一緒に仕事できることもラッキーであるけれども、普通はこんなことはない。大体が荷物をどこか遠くで捨てられて以上。というのが普通である。」と。もちろん私は彼に大きく感謝の意を表したのですが。

案外親切で一生懸命な、こんな白タクの運転手もいるし、プロデューサーでもあり映画部門の総裁でもある人が、すぐさま瞬間的に走って問題に向かって行ってくれる。これも中国の素晴らしいある部分なのです。

そのあと私は安心して、その大きな会社のいくつものスタジオ見学、テレビ部門、映画部門、91軒もあるMusic Restaurantのひとつを見学の後に、総裁は私を車で会社まで送ってくれたのです。
そしてその後すぐの有名男性歌手とのAlbumミーティングもうまく運んだのです。

比べると、この大陸は今まさに激動の成長期なのです。日本がもうすでにゆっくりと寛いで座椅子にでも座っているように感じるのですが。この大陸はいつでも誰もが中腰のままで、いつでもどんなときでも全力疾走して行ける準備をしています。ここの14億人(たぶん16億人以上ですが)「すべての人が中腰の国」は案外楽しいのです。

「まずは現状把握をしよう」


1,まず大陸での過ごし方

まずは肌の色が同じで、髪の毛の色も同じ、そしてすぐお隣の国、その中国というところは我々日本と似ていて近いところ、と思うことはやめた方がいいでしょう。


中国大陸というのは、日本から東の空へと飛び立ち、ハワイ諸島を越え、米国西海岸を越え、首都ワシントンを通り過ぎ、大西洋をひとまたぎ、それからその先の

欧州を越え、中東トルコを過ぎ、数ある東南Asia諸国を越え、やっとたどり着く、東の果ての果てのそのまた果ての大きな国だと思ってください。

それほど我々とは、考え方も習慣も行動も全く違う国なのです。

決して時差‪1時間のお隣さんとは思わないでください。


2,「じつは遠く遠く、果てしなく遠い国」


そんな私はまずは欧州のクラシック音楽を、ピアノ・レッスンとして子供の頃学び、そこから、みんな私よりも年上だった親戚のお兄さんお姉さんの影響で、英国や米国の音楽に触れ、そして運がいいことに、なんかの拍子にその好きな音楽を仕事にすることができ、なんとかこれまでやってきました。


ただただ、それは運が良かったのだと思います。

しかしその後、大好きな米国に幾つもの音楽作りに通えば通うほど、彼ら米国人とは姿も形も、そして考え方も行動も、我々日本人とはやはり違うことを痛感したのでした。やはりどちらかというと、同じ島国の英国の方のほうが近い気がしました。さらに北欧や和蘭陀の方々や、独逸の人たちの方が、実は米国人よりも我々とは気が合うのかな?と思ったのです。


そのYes、Noの国、私が好きな音楽の一つの都、米国よりもさらにもっと考え方も遠いのは実は中国、すぐお隣の国だったのです。


3,そして絶対的に認識したほうがいい、新しい国であること


ここは近世、国がまとまってからおよそ70年の国です。まずそう思ってください。

あるところ新興国とも言えます。が、なにしろこの大大陸の歴史は広く深く多く底なしなのです。

そのために戦後、我々が育ってきた欧米的な常識やルールは全く通用しません。

まずそこを理解ください。




4,「あまりにも多すぎる人口」


世界の人口は今、およそ72億人でしょう。(およそです)

1分に137人、1日で20万人、1年で7000万人増えているのが現状です。

1年に6000万人が亡くなり、1億3000万人が生まれるのです。

そのうち中国の人口は13億6000万人です。

しかし、中国の有識者に聞くと実は16億5000万人いるようなのです。

様々な家庭の問題で、政府の戸籍に入っていない方々もそれだけの数いらっしゃるのです。

そして、東南アジア諸国に拡がる華僑の人々を入れると、およそ20億人を越えます。

毎日、およそ20億人の人たちが中華料理を食べて、中国語を日常的に使って生活をしているのです。まずは地球の4人に1人は中国料理を食べているということです。


5,「世界とのバランスではこの事実」


この事実はどういう事かと考えてみても、人口総数5億5000万人のEUと3億の米国、これを合わせても8億人です。この8億人の決めた今までの地球規模のルールに、総人口の20億人が追従することはないのです。さらにイスラム教徒はおよそ16億人です。ここもしかり。

19世紀までの欧米中心のモノの考え方は、今ではある一部分の英語圏のモノの考え方になっているのです。世界の様々な問題は、そのの大大陸も横に並んだ今は、考え方を改めなくては進まなくなったのです。


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