今年読んだ本まとめ
個人的な備忘として今年読んだ本(で思い出せるもの)をまとめておく。
①ファイナンスの基礎理論―株式・債券・外国為替 キース・カットバートソン 他
あーこういうのが日本語でまとまってるのが欲しかったんだよなあ、という本。それなりに読み物として読みやすい(理論の発展が理解しやすい)し、あれなんだっけと思い出すときにも使える。そりゃあどんな参考書でもそうだよ、と言われればそうかもしれないが、特に自分にとってうれしい知識が多かったということで。厚すぎないのもいいですね。
②経済・ファイナンスデータの計量時系列分析 沖本 竜義
みんな大好き沖本本。以前はつまみ食いで読んでいたが、ちゃんと腰を据えて読み切った。具体例や数字が入っているのと、そこまで数学が難しくないのが良いところ。後半部分で「あーあったよねそういうの」というのがいくつか出てきて「あとで要確認」と思ったのだが、今の今まですっかり忘れていた。練習問題で挫折しましたが、具体的な例があるとより身に付きますよね。
③日本統計学会公式認定 統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック 日本統計学会
沖本本が終わって演習が足りないな、というか懇切丁寧な解説付きの問題が解きたいなと思っていたところ、統計検定というのがあるのを知って準1級を受けることにした(時系列解析は範囲としてごくごく一部だが)。資格試験の存在に気付いたのは試験2か月前くらい。この本を1か月でさらい、その後過去問買って解いてみたところ全く解けなかった。次の1か月で猛烈な詰め込みをやってどうにか6月試験で合格。短期で詰め込んだため今や諸々忘れつつあり、人間の限界を感じている。演習量を増やして手を動かすという当初目的は達成されたと思う。
④Kaggleで勝つデータ分析の技術 門脇 大輔 他
教科書を読んでPythonで実装してみてとか、実証論文をトレースしてコード立ててみてとかやってみたものの、もうちょい効率的なものはないかねということでKaggleに行きついた。とはいえ、理論から急に実践に飛んだのでハードルは高かったし、そもそも自力では全然コード書けないじゃんという実力の無さに打ちひしがれた。そこでこちらを読んでみることに。EDAの重要性や、決定木のフレームワークがいかに強力か、具体的なバリデーション手法など、実践ではそうやるのかという知識が詰まっていてとても面白かった。最初KaggleのCodeやDiscussionの慣れない言い回し(知ってる概念でもちょっと言い方変わるだけでわからなくなったりしません?)で苦労したが、これを読んでからだいぶわかるようになった。
⑤Python実践データ分析100本ノック 下山輝昌 他
あまりにもコーディングに自信がないので写経することに。ゆとり世代だが、こういうのはとにかく反復練習だと教えられてきたので買ってみた。結局1周しかしてないので、見れば思い出すが、やっぱりいちいち検索ちゃんになっている。身につけるにはあと2周は必要でしょうねえ。
⑥アフター・ビットコイン―仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者 中島真志
Kaggle触ったり、Pythonでファイナンスとか見てると、仮想通貨領域の話も多くなる。教科書的な1冊として中島先生の本を選んでみた。ゼロ知識からでも読めたし勉強になった。ただamazonレビューが低いのはなんなんかねえ。ということで↓も読んでみました。基礎的な知識がなかったのでどちらも勉強になりましたとさ。
⑦ゴールドマン・サックスM&A戦記 伝説のアドバイザーが見た企業再編の舞台裏 服部 暢達
だれかがtwitterでおすすめしていたのを目にしてKindleのセールで購入。普段こういった仕事現場っぽいノンフィクションってあまり読まないのですが(だって読書中くらい仕事から離れたくない?)、これは面白かった。人生観みたいなところが結構フォーカスされるが、下手な自己啓発本より断然考えさせられるのではなかろうか。
⑧地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる ビル・ゲイツ
これは話題の本だったので。ビル・ゲイツには明らかな目標があり、それに対して建設的なアプローチをしている、ということがわかった。ここら辺のジャンルはメディアで言葉が先行しすぎていてちょっと懐疑的な印象を持っていたが、「ネットゼロ」という目標に対し具体的な数値や対象も示されていてしっくりきた。ところどころ「今はできないから解決のためここにイノベーションが必要」という整理がなされていて、問題がクリアになっている。ポジショントークがあるのかもわからんが、それでも世界一の大富豪がこんなに温暖化と向き合ってくれているのは人類にとってありがたいなあ、などと他人事のように感心してしまった。
⑨絵で見てわかる量子コンピュータの仕組み 宇津木 健 他
全然毛色が違う分野なのだが、きっかけは小説三体(劉慈欣)の三部作を読んだことである。量子分野って今基礎研究してんのかな?でも量子コンピュータとか聞く気がするなあ、くらいの認識でとりあえず読んでみた。素人にもよくわかる内容で、ダニングクルーガー効果の1つ目の山を登ったくらいの満足感がある。ベース知識として入門にはちょうど良いのではないだろうか。もちろん厳密な知識は別で補完が必要だろうが。
余談だが三体は三作とも最高である。
もうちょっとなにか読んでそうな気はするが、パッと思い出せるのはここらへんである。拾い読みだけのものや論文、小説も含めれば人並みには読んでいる気がする。
来年はもうちょっと復習の癖をつけよう。あと日和って見送った統計検定1級も余裕があればやりたいところ。
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