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双対打ち(そうついうち)。

私がやっている萎えし術で、新たに「双対打ち」というものを考案した。自分で一種の入れ替え打ちかとも思ったが、通常、杖などを入れ替えで打つときは両手をそえて、体も一重身から一重身へと、全身で打つ。だが考案した「双対打ち」は、片手でバトンの中心を持ってクルクル回す要領で、棒の中心ではなく手前3分の1ぐらいの場所を持ち、バトンを回すように入れ替えて打つやり方だ。
私の経験上、蔵書の参考文献、またはネットでの検索、などで類似の打ち方を探ってみたのだが、似たものが無かったので、私が代表の秘武器錬成会の萎えし術として、新たに「双対打ち」と名付けた次第である。

「双対打ち」の「双対(そうつい)」とは、一回の漢字変換では出てこなかったが、前後や左右など、二つの対をなすもの、という意味だ。今回の「双対打ち」でいうと、萎えし棒の前後が「双対」であり、それを入れ替える打ち方なので、「双対打ち」と命名した。

じつは私が新たに技を考案したのは、これが初めてではない。剣術の抜刀直後の突き技「玲瓏」は、剣技斬流会の代表と副代表である私の合作だし、ステッキ術の「薙ぎ落とし」は私の考案である。今回の「双対打ち」が、甲賀護身の会の母体としては考案の三つ目で、秘武器錬成会としては初の創作技法である。
「玲瓏」にしても「薙ぎ落とし」にしても、YouTubeで公開しているし、実際に知り合い間では見せているが、類似技法が別にある、といったクレームは受けたことがない。「双対打ち」も、ここまできたら類似技法がないことを祈る。ありそうな技法だが、なかったのだ。

そもそも「双対打ち」は、既存の「巻打ち」が私の50センチのタングステンの萎えしでは使えなかったので、それに合うように改良を重ねてきて編み出した技法である。
なので、短棒でも杖でもない、微妙な長さの萎えし棒ならではの技法なので、絶対数としての萎えし術の使用者が少なかったので、発掘されなかった打ち方だと思う。
だが、それにしても、萎えし棒と同じぐらいの長さも使う、フィリピン武術のエスクリマであっても良さそうな技法だが、ないのである。たぶん、体の屈曲文化である日本武術という下地も必要なのではないか、と思う。フィリピン武術のエスクリマは体の伸展文化だから、「双対打ち」の先端を手前に引き込む動きの発想がないのだろう。

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