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金剛角力立禅。

私は、甲賀護身の会の講師という立場で、秘武器錬成会と金剛角力会の代表、それと剣技斬流会の副代表を務めている。剣技斬流会は剣術とステッキ術、秘武器錬成会は剣とステッキ以外の雑多な武器術、金剛角力会は素手の体術という分け方だ。金剛角力会の“金剛”は、「剛よく柔を断つ」をイメージしている。
そして今回は、その金剛角力会の基本鍛練に、「金剛角力立禅」というものが出来た話をしたい。

金剛角力会はその名の通り、角力=相撲、の基本鍛練を重んじている。西洋のトレーニングや大陸的な鍛練ではダメなのである。
というのも日本人の体は、屈筋主導の民族であり、西洋や東洋の大陸的な民族の体は、伸筋主導だからである。ノコギリもカンナも日本人は引いて使う。西洋のノコギリとカンナは押して使う。剣も日本刀には反りがあり引き斬りであるが、西洋剣は突き刺す。
そういうこともあり、日本人とそれ以外の民族では、体のつき方が違うのである。
角力の鍛練である必要はもうひとつ、角力が唯一、日本人的に体の鍛練を独立してやって来たことだ。剣術でも鍛練はあるが、それは「剣を振るうための鍛練」であり、素手や手裏剣の鍛練がそこに含まれることは現代ではない。

今回の画像で載せたものが、「相撲の基本姿勢」として、昭和の本に記載されていたものである。私はこれ以外に、「相撲の基本姿勢」というものを観たことがない。たしかに、はず押しで腰を割った姿勢が基本姿勢だと言えなくもないが、その姿勢がそのまま実戦では使えない。どちらかといえば、今回の画像のような姿勢で実戦に臨むのではないだろうか。
今回の画像の「相撲の基本姿勢」、背中を丸め(脊柱後彎姿勢)、腕がはず押し、前傾までは、今日の相撲の姿勢と同じだが、足の角度が90度であること、足と足の幅が狭いことが違う。
足と足の幅が狭くなり、膝を屈曲させることで、足首が背屈(はいくつ)する。背屈とは伸展の逆なので、曲げることになる。先述した、日本人は屈曲文化ということと照らし合わせると、伸展ではなく背屈が正しい。

そこで金剛角力会の鍛練姿勢、「金剛角力立禅」であるが、この画像の基本姿勢を元に、不動ノ姿勢のように踵と踵をつけ、はず押しの手を獅子畳みにする。獅子畳みとは、親指以外の四指の第一第二関節を畳み、四指の付け根であるMP関節を張り、親指を伸ばし突き立てるのである。

この「金剛角力立禅」の鍛練姿勢で、筋力がかなりアップした。先週、走りに行ったのだが、この歩幅の狭い、足の外旋着地で、体重の重い私でも機動力を下げずに悠々と走れた。

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