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Pino Palladinoの使用機材などについて

2022年11月のPino Palladino and Blake Mills feat. Sam Gendel & Abe Roundsとしての来日のうち、11/8東京ビルボードでの公演を観てきました。4人とも楽器の持ち替えや多彩なエフェクトを多く使うので、明確な中心を持たず刻々と変形し続けるアンサンブルをものすごい演奏技術で目の前に現すようなライブでした。

意外だったのはPino Palladinoのペダルボードが大きくなっていて、過去にないほどペダル類の数が増えていたことです。長らくチューナーとオクターバーだけの至ってシンプルなセッティングが多く、The Whoでの演奏あたりからAnalog AlienのAlien Bass Stationを加えたくらいでした。

2010年のPSP (Philip Sayce、Simon Phillipsとのトリオ)での機材。ベースマガジン2010年5月号より

10月にRobert Glasperのニューヨークのブルーノート公演に参加していたときは現在の状態だったようで、Blake MillsやSam Gendelから影響を受けて自身のカルテットで表現の幅を広げるために導入したのかもしれません。

現在のペダルボードは把握できる範囲で
Boss TU-3 (tuner)
29 Pedals EUNA (buffer)
Catalinbread Adineko (delay)
Boss OC-2 (octaver)
Origin Effects Bass Rig Super Vintage (amp simulator)
Analog Alien Alien Bass Station (limiter, fuzz, amp simulator)
となっていました。接続順はこの通りでないかもしれません。アンプはヘッド、キャビネットともにAguilarのもの。

奥側がPino、手前がBlakeのボード

ベースをプレシジョンベースとフレットレスのスティングレイで使い分けるのに加えて、とくに曲中でスポット的に使われる原音をゼロにしたBoss OC-2の音色は昔から聞き慣れたものですがアンサンブルの中でとても効果的に使われていました。ちなみにOC-2は80年代のセッションワークから使用しており、John Mayer Trioでも使っているのがわかります(下の動画、Wait Until Tomorrowのギターソロ裏で1’35”あたりと2‘20“あたりにon/offしているのがみてとれます)。今年で65歳になったPinoですがその天才的なリズム感と独特のフレージングは本当に衰えを全く感じません。

また2023年5月に投稿されたTal Wilkenfeldのinstagramストーリーズに、PinoがCory Henryらと行なったレコーディングセッションのときのペダルボードの写真が掲載されていました。ここではelectro-harmonixのbass micro synth、MXR bass envelope filter、3Leaf AudioのYOU'RE DOOMらしきエフェクターも見えます。近年は現場によってかなり使い分けているようです。

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