T‐jiro

現代詩。抽象画。 統合失調症という病を持っています。 絵を描いたり、詩を書いたり、音…

T‐jiro

現代詩。抽象画。 統合失調症という病を持っています。 絵を描いたり、詩を書いたり、音楽を聴いたりします。 障害があってもできる仕事をしています。

最近の記事

ピカソの模写

    • 鬱と、夜と。

      一言でいうと眠れぬ夜ということになるが 終らぬ夜、 じっとしていられないのです いつまでも続く つまり、永遠の先に果てがない 嘗め回すように通り過ぎる鬱が (その時、背中は紫に痺れている) いつもより大量の薬物に酩酊して ここを出ていきたい (苦しみなんて忘れてしまって) とりあえず頭ではわかってはいる それでも、我々は 光に向かって歩まなければならない しかし どちらが前であるかなんててんでわからない ここは、天も地もない暗闇 せめて(似ても似つかな

      • ハートのある風景

        • アイリーン

          マイペースでいいよ、キースが言った気がした。 アイリーン! 怒りをぶつける気力もなく鬱がやってきた。 マイペースでいいんだよ、 俺はそうやってきた、と キースが言った気がした。 アイリーン! 翻訳で生計を立てている彼女は 人と会わない暮らし マイペースでいきているだけでいいよと キースの言葉が届けと祈る 歌詞カードを無くした 夜更けに アイリーン! アイリーン!

        ピカソの模写

          Blue

          連休を無駄に過ごすのは あの頃と変わらないよなあ 取り残される 日々に、空中分解した 家族計画 あの娘の子供の泣き声は聞くに堪えない 歳を重ね過ぎたが あくまで、暇の中で 過ごす。 あの娘の孫のはしゃぐ姿は見るに堪えない せめて、 ご飯が炊けるまで 妻を愛しなおそう 閑とした、ブルーな午後に。

          ハーレムクラブでサムクックが

          人間であることに 疲れ果てたようなときは ブルースを処方する 薬剤師のいる 閉鎖病棟で たとえば、雨の日のケニードーハム。 とても、染み入る響き 金管楽器の花形は、 メッキが剥げている。 ハーレムクラブでサムクックが消灯を告げる とても、いかしてる コーンのサックスを小脇に抱えた コールマンが3度目の嘘をついた夜は 悲しくて涙を流せない とても、染み入る響き とても、いかしてる

          ハーレムクラブでサムクックが

          スケアクロウ(詠み人知らずのブルース)

          みな同じことを繰り返してるようで 違うことをしているのだよ 例えば、 穴を掘るにしても、スープを作るにしても 毎回違ったやり方がある 四辻で説教を垂れるスケアクロウ 作者不詳の肖像を抱えているやつ 人の数だけそれぞれのブルースがある つまり、詠み人知らずというわけ 悲しみの数以上に人がいる 深夜のだれもいないスクランブル交差点で 僕は思わずブルースを口ずさんだ 歌詞のスペルも知らずに

          スケアクロウ(詠み人知らずのブルース)

          神戸にて(24年3月15日のスケッチ)

          風が強い日なのに、陽が射している。 目的地には同類が集まるが、 それぞれに、会話を交わすことはない。 ぼくはここに来るまで独りを感じなかったから 詩が書けずにいた 知らない町のビルの谷間で思った 孤独のないところに詩は生まれない。と、 知らない町なのにベンチが空いていたりして 無防備なのはこの町の風のせい ぼくはいまどこにも属していないから 詩を書こうとおもった。 もう一度、言う 孤独のないところに詩は生まれない。

          神戸にて(24年3月15日のスケッチ)

          読書の時間

          時はしんとしている チョコクロの食べかすがぼろぼろと落ちても 電子書籍のボタンを逆に押していて 批評性など微塵もない 活字の逸楽は損なわれることがない 日の光に詩が発生している 今日は、こんなに気分がいい およそ45分の滞在 むこうからマネキンが歩いてくる それはぶつからない イヤフォンの向こうで終礼の合図のように ざわめく音を聴くとき コートを羽織って サンマルクカフェの二階をあとにする

          読書の時間

          喰えない詩人の為のバラッド

          神ともつながってるのが詩人なら インスピレーションを得る代わりにパンに事欠いているのでしょう 喰えないことも分かりきって彷徨っているのですか 何処にも属さないのが詩人 霞を食って生きているのは最初から空腹を約束したから 十字路で悪魔に魂を売りたいですよ ボロは着てても心は透明であらなければ とてもつとまつません 占星術師が自らを占わないのと同じで 森羅万象を語るイタコに徹しているようで 詩人の血があるのならば それを宣言した以上誰もが詩人になれる その時あなたは

          喰えない詩人の為のバラッド

          ホワイト・リバー

          ホワイト・リバー

          パレット

          パレット

          窓のある部屋「未完成」

          窓のある部屋「未完成」

          十七歳の地図

          十七歳の地図