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19-20シーズンのマンチェスター・ユナイテッド①総評

7月26日をもって19-20プレミアリーグが終了しました。コロナウイルスの影響で中断やレギュレーションの変更がありましたが、リヴァプールが独走し、30年ぶりのリーグタイトル、プレミアリーグ創設初めてのリーグ優勝を飾りました。

私が応援するマンチェスター・ユナイテッドは3位。CLストレートインを自力で勝ち取りました。3位という結果はモウリーニョ2年目の2位以来の良い結果。今回からはそんなユナイテッドの19-20シーズンを色々な視点で勝手に振り返っていきたいと思います。

■勝ち点66、得失点差30

19-20シーズンのユナイテッドは上述の通り3位という結果でしたが、勝ち点66、得失点差はプラス30でした。得失点差プラス30はモウリーニョ2年目の2位のとき(このシーズンは40。勝ち点は84)に次ぐ数字ですが、勝ち点66は6位に終わった昨シーズンと同じ。ファーガソンが退任し、モイーズが就任して7位に終わった13-14シーズンも64奪っていますし、ファン・ハール1年目に4位になった14-15シーズンは勝ち点70でした。

今シーズンはリヴァプール、シティが勝ち点を稼いでいったことに加え、中位チームが団子になったことが大きく影響したと推測できます。この勝ち点66でも3位フィニッシュできた大きな要因はビッグ6(リヴァプール、シティ、チェルシー、スパーズ、アーセナル、ユナイテッド)とCL圏内を争ったレスターとの直接対決をしっかりものにしたことにあるでしょう。

直接対決12試合で7勝3分2敗、うちシティ、チェルシー、シティ相手にはダブルを達成しています。4位チェルシーとは同勝ち点の得失点差で上回り、5位レスターとは勝ち点4差。直接対決で上回ったことが大きな影響をもたらしたことは明白です。

またシティ相手のダブルはファーガソン退任以来初めて。特にコロナウイルスによる中断前最後の試合となったオールドトラッフォードでのシティ戦は今シーズンの個人的なベストゲームでした。デヘアを中心にシティの攻撃を凌ぎ、セットプレーから先制点を奪うと、後半はカウンターをちらつかせながら守備を固め、最後はマクトミネイが相手のミスに乗じてゲームを決める追加点。咆哮するマクトミネイ、駆け寄ってくるチームメイト、ベンチで喜びを爆発させる選手、ファーガソンに向けてガッツポーズするスールシャール、割れんばかりの歓声。これぞユナイテッドという熱い、熱いゲームでした。仕事があったので、早起きして結果をシャットダウンして録画で見ても興奮したのを覚えています。全然勝ち点の話より熱量が大きくなってしまいました。

https://www.youtube.com/watch?v=7O2LvpqC7HY

■苦しんだ前半戦と14試合負けなしの後半戦

今シーズンのユナイテッドは皆さんご承知の通り「ブルーノ・フェルナンデス加入以前、以後」に分けられるといっていいでしょう。

オールドトラッフォードにチェルシーを迎えた開幕戦をカウンターが4-0で快勝したものの、3節にクリスタルパレス、6節でハマーズに敗れると、9節のリヴァプール戦の引き分けで順位は14位まで転落します。引いた相手は崩せない、ボールを回している間にあっさりと失点。スールシャール解任なんて話もありました。同様に苦しんでいたスパーズはポチェッティーノを、アーセナルはエメリを解任しました。

15節スパーズ、16節シティ相手に連勝して反転攻勢に行けるかと思ったものの、ワトフォードやバーンリーに敗れるなど下位のチーム相手に取りこぼす試合が続いていました。

しかし、そんなユナイテッドの状況を一変させたのはブルーノ・フェルナンデスの加入です。スポルティングからやってきたブルーノ・フェルナンデスは早々にチームにフィット。25節のウルブス戦からスタメン出場すると最終節のレスター戦まで14戦無敗(9勝5分)。24節のバーンリーに敗れたとき(しれっとバーンリーにダブルをくらっていたことを今知りました)には勝ち点34の5位。3位レスターとは14ポイントの差がありました。それをひっくり返したのはブルーノ・フェルナンデスの力があまりにも大きいです。

視野が広く、レンジの長短を問わないクオリティを伴ったパス、攻撃にアクセントを加えるアイデア、自らエリア内に入っていってしっかり決める決定力、セットプレーとしてのキッカー、献身をいとわない守備、ユナイテッドに足りないものを全て補ってくれたと言っても過言ではないでしょう。終盤はずっとスタメン出場を続けていたこともあって、疲労からミスが目立つ試合もありましたが、それでも彼の貢献を否定することはできないでしょう。それくらい彼の存在は大きかったです。試合を見ていても、数字上でもそれは表れています。

https://www.youtube.com/watch?v=vRdspZzvENg&t=493s

■ユナイテッドにとってプラスになったコロナ中断

29節シティ戦が終わったあとにコロナウイルスによる中断が入りました。この中断はユナイテッドにとってプラスに働いたといっていいでしょう。シーズン絶望と言われていたラッシュフォード、ポグバが戻ってくれましたから。

ラッシュフォードは夏休み中に給食の提供がなくなってしまう貧困の子供たちに給食を届けるために27億円を寄付。これらの活動を受けて政府が給食の提供を延長。マンチェスター大学から名誉博士を与えられるなどピッチ外でも評判になりました。ラッシュフォードが怪我でいなくなってからは前線の迫力不足は否めませんでしたから、彼が戻ってくる時間ができたのは大きかったです。

ポグバも復帰してからは存在感を見せていました。中断明け初戦のスパーズ戦はポグバの個の力でPKを奪い、それをブルーノ・フェルナンデスが決めて勝ち点1を奪いました。ユナイテッドに戻ってきてからはフラストレーションが溜まっている様子で彼の力が発揮できていないようでしたが、ブルーノ・フェルナンデスという呼吸や感性が合うパートナーを見つけ、前線にはラッシュフォードやマルシャルなど足元の技術を持ったスピード感あふれる選手がいる。よりプレーに集中できる環境や選手が揃ってきたといえるのかもしれません。契約延長という話も出ていますが、ブルーノ・フェルナンデスとポグバが中盤でタクトを振るう中盤を1シーズンフルで見てみたいなという思いです。それが20-21シーズンになることを願っています。

■総括

19-20シーズンのユナイテッドは満足とはいかなくとも及第点は十分与えられる結果だったといえるでしょう。勝ち点99を稼いだリヴァプールには大きく離されましたが、スールシャールがフルシーズン指揮を執るのが初めてのシーズンでプレミアリーグ3位でCLストレートイン、カラバオカップとFAカップはベスト4(シティ、チェルシーに負けました)、ヨーロッパリーグもまだタイトルを可能性は残っている。カップ戦はともかくここ数シーズンのユナイテッドの停滞を考えれば、プレミア3位は及第点でしょう。

グリーンウッド、ウィリアムズといった10代のアカデミーから昇格してきた選手が十分通用するようになり、シーズン終盤のグリーンウッド、マルシャル、ラッシュフォードの前線3枚、その下にポグバとブルーノ・フェルナンデスという形は魅力的です。来シーズンが楽しみになる形が見れました。5-2で快勝となったボーンマス戦のように、自分たちでボールを握って崩す、カウンターで仕留める、セットプレーと色々な形で点を取れるように常になっていてほしいです。(守備のミスが目立った試合でしたけどね…)

今後一応予定しているのは「スールシャール編」「補強編」あたりです。またちょこちょこ書いていこうと思います。

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