80年代に流行った「ヒランヤ」。ガンは治るし、オーディオの音質は向上する?!
ヒランヤの広告
1980年代に、「ヒランヤ」というスピリチュアルなアイテムがブームになりました。
昔のオカルト雑誌を見ると、次のような広告が載っていたりします。
「人間の個としての存在は、小宇宙としての無限の喜びあふれた可能性を内在しています」とのことで……。
この3万9000円のヒランヤリングとかを買えば、さまざまな恩恵があるそうです。
具体的には、次のような効果があります。
「恋人との愛のテレパシー送受信機になります」
「睡眠は『気』からということを医学はヒランヤで学べ」
「ヒランヤ風呂は機能的に温泉の次元を超えている」
「車の燃費、馬力、バッテリー寿命アップを確認」
「超オーディオマニアです、音質向上は革命的」
「ヒランヤは芸術中枢を宇宙的に高めてしまうようです」
「人は四次元的存在なのだとヒランヤで実感できました」
ヒランヤ光
さらに、次の画像のように、市販の照明器具の電源コードをヒランヤに絡ませると……。
ただの照明器具が、プラーナの力を帯びた光で自室を照らすパワーアイテムに生まれ変わるそうです。
「仙人や行者などは“気に満ちている場所”で修行しました。しかし現代の都会人には今このプラーナの光でバイブレーション聖地を構成できる」
「ミネラルを超越している波動は細胞を活性化し血行を促します」
「ドリンクに3秒 光を当てただけでパワードリンクとなり、まろやかな味にします。すべての料理もパワー化します」
また、FAXの電源コードにヒランヤを絡めれば「遠隔地にパワーを送信可能」みたいです。
ヒランヤ水
それから、普通の水にヒランヤを浸せば、プラーナパワーが水に宿ります。
「パワー水で細胞は若返ります」
「金魚はヒランヤの上にきます」
「浴槽がよごれない不思議」
「うまいごはんは水しだい」
……ヒランヤというのは、だいたいそんな感じのアイテムでした。
ヒランヤブームについて
発端
ヒランヤが流行した発端は、1985年1月29日。
ニッポン放送の『三宅裕司のヤングパラダイス』というラジオ番組で、ヒランヤが紹介されたことでした。
それから、番組内に「ヒランヤの謎」というコーナーが誕生。
といったハガキが、たくさん届くようになります。
このとき、多くのリスナーがヒランヤの効果を実験。
ヒランヤの上に、バラとかパンとかリンゴとかを置いてみると、「枯れるのが遅くなった」「カビるのが遅くなった」「腐るのが遅くなった」という報告が、日本中のリスナーから殺到した……らしいです。
これが『週刊サンケイ』1985年4月11日号で、「深夜放送でヤング騒然」という記事になりました。
という感じで、ヒランヤの概要を紹介する記事。
これによると、画家の本間武男さん(Wikipedia)もヒランヤの信奉者なのだそうで……。
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