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80年代に流行った「ヒランヤ」。ガンは治るし、オーディオの音質は向上する?!

ヒランヤの広告

1980年代に、「ヒランヤ」というスピリチュアルなアイテムがブームになりました。

昔のオカルト雑誌を見ると、次のような広告が載っていたりします。

『ワンダーライフ』16号

「人間の個としての存在は、小宇宙としての無限の喜びあふれた可能性を内在しています」とのことで……。
この3万9000円のヒランヤリングとかを買えば、さまざまな恩恵があるそうです。

具体的には、次のような効果があります。

『ワンダーライフ』18号

「恋人との愛のテレパシー送受信機になります」
「睡眠は『気』からということを医学はヒランヤで学べ
「ヒランヤ風呂は機能的に温泉の次元を超えている
「車の燃費、馬力、バッテリー寿命アップを確認」
「超オーディオマニアです、音質向上は革命的
「ヒランヤは芸術中枢を宇宙的に高めてしまうようです」
人は四次元的存在なのだとヒランヤで実感できました」

 

ヒランヤ光

さらに、次の画像のように、市販の照明器具の電源コードをヒランヤに絡ませると……。

ただの照明器具が、プラーナの力を帯びた光で自室を照らすパワーアイテムに生まれ変わるそうです。

『ワンダーライフ』17号

「仙人や行者などは“気に満ちている場所”で修行しました。しかし現代の都会人には今このプラーナの光でバイブレーション聖地を構成できる
「ミネラルを超越している波動は細胞を活性化し血行を促します
「ドリンクに3秒 光を当てただけでパワードリンクとなり、まろやかな味にします。すべての料理もパワー化します

また、FAXの電源コードにヒランヤを絡めれば「遠隔地にパワーを送信可能」みたいです。

 

ヒランヤ水

それから、普通の水にヒランヤを浸せば、プラーナパワーが水に宿ります。

『ワンダーライフ』20号

「パワー水で細胞は若返ります
金魚はヒランヤの上にきます
浴槽がよごれない不思議」
うまいごはんは水しだい

……ヒランヤというのは、だいたいそんな感じのアイテムでした。

 

ヒランヤブームについて

発端

ヒランヤが流行した発端は、1985年1月29日。
ニッポン放送の『三宅裕司のヤングパラダイス』というラジオ番組で、ヒランヤが紹介されたことでした。

それから、番組内に「ヒランヤの謎」というコーナーが誕生。

「ヒランヤでねんざが治った
「ヒランヤを枕の下に入れて寝たら、寝ぐせがつかなくなった

といったハガキが、たくさん届くようになります。

このとき、多くのリスナーがヒランヤの効果を実験。
ヒランヤの上に、バラとかパンとかリンゴとかを置いてみると、「枯れるのが遅くなった」「カビるのが遅くなった」「腐るのが遅くなった」という報告が、日本中のリスナーから殺到した……らしいです。

これが『週刊サンケイ』1985年4月11日号で、「深夜放送でヤング騒然」という記事になりました。

「いま深夜放送ファンのヤングが摩訶不思議な物体の話題で騒然となっている。その名はヒランヤ
「このヒランヤに病気を治し、頭もよくなる強力パワーが潜んでいるというのだ」

という感じで、ヒランヤの概要を紹介する記事。
これによると、画家の本間武男さんWikipedia)もヒランヤの信奉者なのだそうで……。

本間武男「ガンで入院していた近所のおばあちゃんにヒランヤをつけておいた“ヒランヤ水”を毎日飲ませたら、飲み始めて10日目で、レントゲンにしっかり写っていたガンが消えてなくなっているんです

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