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PCエンジンとファミコン神拳の思い出

更新が遅れ気味で、過去の雑誌記事の再掲載をさせていただきます。
以下は、2002年7月の『ネットランナー』に書いた文章と、その関連話題の追記(「ファミコン神拳」の話)になります。


R-TYPEのこと

スーファミの隠れた名作『R-TYPE III』が、ゲームボーイアドバンスに移植されるそうです。

※2002年当時のニュース。(その後、発売されたGBA版『R-TYPE III』は海外版のみで、私は未プレイで申し訳ありません)

『R-TYPE』といえば、初代は1987年のアーケードゲームで、斬新なシステムや独特のグロかっこいい雰囲気で人気でした。

当時は「PCエンジン」や「マスターシステム」が家庭用ゲーム機のトップを目指しており、ファミコンでは不可能な『R-TYPE』を移植することで、ファミコンを超えるマシンだということを証明しようとしました。

マスターシステムは、性能的に『R-TYPE』は厳しそうでしたが、工夫して何とか移植。
PCエンジンは、8ビット機なのに16ビットのスーファミ・メガドライブと渡り合ったほどの名機で、『R-TYPE』の移植もアーケードに近い驚異の完成度でした。


PCエンジンのこと

PCエンジンは、1987年に発売したゲーム機です。
初期のラインナップは『カトちゃんケンちゃん』『ビックリマンワールド』『上海』『THE功夫』など、少し微妙でした。

『カトちゃんケンちゃん』などは少し評価が分かれるのですが、マリオとかと比較すると、なかなか厳しいゲームだと思います。

そんな中で、『R-TYPE』の移植はPCエンジンの性能や魅力のアピールになり、本体の売り上げアップに貢献したと思います。

『週刊少年ジャンプ』のゲーム情報ページ「ファミコン神拳」を見ても、PCエンジン版『R-TYPE I』は「移植は完璧!」「初心者には上達の喜びを、上級者には見せ場をあたえてくれる。ニクいぜっ!!」と称賛されていました。

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ただし、『R-TYPE Ⅱ』の方は「うぉぉっ! I の評価を大きく裏切った最悪のムズさ!!」「ファンをなめんな!!」とコキおろされていました。

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商業誌でこんだけ正直な気持ちを書いてしまうのが、「ファミコン神拳」の魅力でした。


コア構想

ともあれ、1987年ごろ、「ファミコンを超えるゲーム機」への夢と期待は大きく、PCエンジンは注目されていました。

当時の「ファミコン神拳」の特集でも、

「どんどんパワーアップする合体メカなのだ!!」
「ゆくゆくは、ワープロやネットワーク装置まで!」
「これ1枚にドラクエIIIが2千本っ!!

といった文字が踊っています。

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と、このころは、PCエンジンを合体メカで拡張していき、最終的にはPCエンジンが家電を制御して生活の中心になるくらいの壮大な構想があったのでした。

実際には、次のようなものが出ていました。

・PCエンジンで絵を描けるタブレット(9800円)
・PCエンジン用のモノクロスキャナ(5000円)
・PCエンジン用のプリンタ(24800円)
・PCエンジンでカラオケをするためのアンプ(24800円)
本体よりもデカいコクピット型コントローラー予価59800円・発売されず)

けっこう未来は見ていたけれど、色々早すぎた気はします。


PCエンジン内蔵テレビ

また、PCエンジンといえば、異様に種類の多い本体たちも印象深かったです。

単3電池6本で3時間しか動かない携帯機「PCエンジンGT」(44800円

対応ゲームがたった6本しかない「PCエンジン スーパーグラフィックス」

存在感のなさでは石ころぼうしに匹敵する「PCエンジン シャトル」

定価99800円が厳しかった「PCエンジンLT」

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(ちょっと欲しかったです)

そして、一番高額だったのはPCエンジン内蔵テレビでしょうか。

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※PCエンジンを内蔵したパソコン用のモニタを「テレビ」と呼んでいた感じで、テレビ放送を視聴する機能はありませんでした。良品は現在も高額で取引され、1週間ほど前にもヤフオクで50万円で落札されていました。


ファミコン神拳の結論

ちなみに、ジャンプの「ファミコン神拳」では、発売当初のPCエンジンについて、「買うのはまだ早い!! 友だちに買わせてようすを見よう!!」と結論。

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「絵がきれいだけでは泣けるぜ!!」と述べており、PCエンジンが最終的にオタク向けギャルゲーマシンに行き着いた結末を知って読むと、なかなか味わい深いです。


補足

……という文章を、2002年に書きました。

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