![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70874847/rectangle_large_type_2_59a0a69f61980aa72842ac963fc974af.png?width=800)
ジャンプの打ち切り漫画『ロックンロールベースボール』を伝えたい
ジャンプの打ち切り野球漫画
『少年ジャンプ』は、1968年7月に創刊。
2018年には創刊50周年を迎えております。
この50年以上の間に、数々の打ち切り野球漫画が生まれました。
70年代:『アニマル球場』『ケッパレ! 太田投手』『球速0.25秒!』『怒りのマウンド』『実録巨人軍物語』『BIG1』『ロックンロールベースボール』『野生のバイブル』『熱球水滸伝』
80年代:『ダイヤモンドスター』『マウンドの稲妻』『ファインプレイ』『よろしく春一番』『あした天兵』『ショーリ!!』『キララ』『はるかかなた』
90年代:『ドン・ボルカン 聖なる男の伝説』『チェンジUP!!』『Merry Wind』『Base Boys』
00年代:『OVER TIME』
10年代:『スモーキーB.B.』『バディストライク』
20年代:『クーロンズ・ボール・パレード』
(※雑な記憶で、抜けがありそうで申し訳ありません。「打ち切り漫画」「野球漫画」の定義や判定も微妙です)
90年代以降はどれも電子版が出ていて、求めやすいです。
(『ドン・ボルカン』『チェンジUP!!』『Merry Wind』『Base Boys』という90年代軍団のネタにもしづらい微妙さとか、本当に趣味の歪んだマニアにしかオススメできませんけど……)
70年代前後の打ち切り漫画になると、そもそも単行本化されていない作品も多くて、現在読む手段があまりありません。
(そういう漫画はインターネットで検索しても、ほとんど情報が出てこなかったりします)
※最近だと、「打ち切り漫画で打線を組んでみた」みたいな記事で、並んでいるのがすべて21世紀の漫画というのも珍しくありません。
(現在29歳の方が8歳で『ジャンプ』を読み始めると2001年なわけで、そりゃ前世紀の漫画なんて話題になりませんよね)
てな感じで、上に挙げた野球漫画だと、比較的有名なのは次の辺り(?)でしょうか。
絵柄などがスゴすぎて伝説化した『マウンドの稲妻』
平松伸二ファンにコアな人気がある『キララ』(以前の記事参照)
連載時期のジャンプの発行部数が異常だった『ドン・ボルカン』『チェンジUP!!』
近年の作品で、微妙で中途半端で残当だった『スモーキーB.B.』
近年の作品で、最終回がヤケクソだった『バディストライク』
しかし、それらに決してひけをとらない打ち切りの輝きを放っていたのが、こちらの作品。
![](https://assets.st-note.com/img/1643191905923-KoG6qVCT6c.png)
1978年の漫画『ロックンロールベースボール』です。(未単行本化)
今日は、この紹介をさせてください。
ジャンプ創刊10周年
『ロックンロールベースボール』が始まったのは、1978年32号でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1643192464465-sUumJ8J3Nf.png)
このとき、ジャンプは「創刊10周年」。
表紙は海賊マークで、巻頭カラーは本宮ひろ志先生の『さわやか万太郎』でした。
『ロックンロールベースボール』は、新連載の第1話なのに「パートカラー」という、期待されていない扱いです。
![](https://assets.st-note.com/img/1643192720881-djkhRiOYE0.png)
当時の連載陣はこんな感じで……。
![](https://assets.st-note.com/img/1643193072472-oKoIJdA3Ja.png)
「創刊10周年記念新連載」を謳った3作品が、真樹日佐夫先生原作の『カラテいのち』、小室孝太郎先生の『命(みこと)』、そして『ロックンロールベースボール』という強力な布陣。
それぞれ15週・11週・11週で打ち切られました。
当時の『こち亀』
この時点でもう『こち亀』が連載しているのが、やはりスゴいですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1643193319698-XuNJNe3Ubi.png)
当時は「秋本治」ではなく、「山止たつひこ」名義でした。
秋本治先生は当初、『がきデカ』が大人気だった山上たつひこ先生に線を1本付け足しただけのペンネームを使っていました。
そのペンネームを改めたのが、『ロックンロールベースボール』が連載していた時期の出来事になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1643194468244-tIWzxXHCgX.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1643194601710-mIsvpXPjry.png)
なお、この回は第11巻収録ですが、秋本先生のフキダシは「みなさまのおかげでコミックスもついに11巻となりました」という挨拶に変わっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1643322923201-3JjlNvwcCN.png)
※雑誌掲載時は『レディー!? の巻』でしたが、麗子が重要キャラになったせいか、単行本では『麗子巡査登場の巻』に改題されています。
第1回 原作賞
閑話休題。
『ロックンロールベースボール』は、当時『ジャンプ』が開催した「第1回 原作賞」の入選作品が連載化したものでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1643194881331-j6eeyPhcSr.png)
いまでいう「ストーリーキング」「ストキン」みたいな賞ですね。
(1978年にも「漫画界において、最近とみに、漫画原作のしめる重要さがましてきました」「少年ジャンプは、漫画原作にかける新人の登場を切望しております」とのことでした)
枚数は「400字詰め原稿用紙80枚から100枚まで(5回連載相当)」というレギュレーション。
ジャンプに連載した『ロックンロールベースボール』も、4~5話目あたりまでは、入選した応募作の内容だったようです。
その後、ジャンプの新人漫画原作賞は「梶原賞」として続きます。
![](https://assets.st-note.com/img/1643249192342-yawfPh3GRT.png)
しかし、1983年に梶原一騎先生が逮捕された事件の影響で消滅するのでした。
Wikipediaの「週刊少年ジャンプの新人漫画賞」の項にも、なぜか梶原賞に関する記載はないようです。
(梶原賞に関するネット上の情報が少ないみたいなので、それもそのうち記事にしておきたいです)
本編 第1話
と、前置きが長くなってしまいました。
とにかく、「第1回 原作賞」という新人賞に『ロックンロールベースボール』という作品が入選して、それがそのまま連載になったのでした。
第1話の冒頭は、「ダラス」というロックバーで、主人公がビートルズの『Rock and Roll Music』を演っている場面からスタートします。
![](https://assets.st-note.com/img/1643250092136-o5hEPqUHVL.png)
グループは9人で、全員が得美寿学園(エルビスがくえん)に通う高校生。
主人公のリッキーに続いて、次のような仲間たちがいます。
![](https://assets.st-note.com/img/1643250352322-M8Q7AJkR2R.png)
織田はハゲを気にしているという設定でした。
で、こいつらが音楽と同時に、野球チームもやっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1643251482797-FHUMoRopYP.png)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?