ジャンプの打ち切り漫画『ロックンロールベースボール』を伝えたい
ジャンプの打ち切り野球漫画
『少年ジャンプ』は、1968年7月に創刊。
2018年には創刊50周年を迎えております。
この50年以上の間に、数々の打ち切り野球漫画が生まれました。
90年代以降はどれも電子版が出ていて、求めやすいです。
(『ドン・ボルカン』『チェンジUP!!』『Merry Wind』『Base Boys』という90年代軍団のネタにもしづらい微妙さとか、本当に趣味の歪んだマニアにしかオススメできませんけど……)
70年代前後の打ち切り漫画になると、そもそも単行本化されていない作品も多くて、現在読む手段があまりありません。
(そういう漫画はインターネットで検索しても、ほとんど情報が出てこなかったりします)
てな感じで、上に挙げた野球漫画だと、比較的有名なのは次の辺り(?)でしょうか。
絵柄などがスゴすぎて伝説化した『マウンドの稲妻』
平松伸二ファンにコアな人気がある『キララ』(以前の記事参照)
連載時期のジャンプの発行部数が異常だった『ドン・ボルカン』『チェンジUP!!』
近年の作品で、微妙で中途半端で残当だった『スモーキーB.B.』
近年の作品で、最終回がヤケクソだった『バディストライク』
しかし、それらに決してひけをとらない打ち切りの輝きを放っていたのが、こちらの作品。
1978年の漫画『ロックンロールベースボール』です。(未単行本化)
今日は、この紹介をさせてください。
ジャンプ創刊10周年
『ロックンロールベースボール』が始まったのは、1978年32号でした。
このとき、ジャンプは「創刊10周年」。
表紙は海賊マークで、巻頭カラーは本宮ひろ志先生の『さわやか万太郎』でした。
『ロックンロールベースボール』は、新連載の第1話なのに「パートカラー」という、期待されていない扱いです。
当時の連載陣はこんな感じで……。
「創刊10周年記念新連載」を謳った3作品が、真樹日佐夫先生原作の『カラテいのち』、小室孝太郎先生の『命(みこと)』、そして『ロックンロールベースボール』という強力な布陣。
それぞれ15週・11週・11週で打ち切られました。
当時の『こち亀』
この時点でもう『こち亀』が連載しているのが、やはりスゴいですね。
当時は「秋本治」ではなく、「山止たつひこ」名義でした。
なお、この回は第11巻収録ですが、秋本先生のフキダシは「みなさまのおかげでコミックスもついに11巻となりました」という挨拶に変わっています。
第1回 原作賞
閑話休題。
『ロックンロールベースボール』は、当時『ジャンプ』が開催した「第1回 原作賞」の入選作品が連載化したものでした。
いまでいう「ストーリーキング」「ストキン」みたいな賞ですね。
(1978年にも「漫画界において、最近とみに、漫画原作のしめる重要さがましてきました」「少年ジャンプは、漫画原作にかける新人の登場を切望しております」とのことでした)
その後、ジャンプの新人漫画原作賞は「梶原賞」として続きます。
しかし、1983年に梶原一騎先生が逮捕された事件の影響で消滅するのでした。
本編 第1話
と、前置きが長くなってしまいました。
とにかく、「第1回 原作賞」という新人賞に『ロックンロールベースボール』という作品が入選して、それがそのまま連載になったのでした。
第1話の冒頭は、「ダラス」というロックバーで、主人公がビートルズの『Rock and Roll Music』を演っている場面からスタートします。
グループは9人で、全員が得美寿学園(エルビスがくえん)に通う高校生。
主人公のリッキーに続いて、次のような仲間たちがいます。
織田はハゲを気にしているという設定でした。
で、こいつらが音楽と同時に、野球チームもやっています。
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