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伝説のオカルト雑誌『ワンダーライフ』の思い出

大変申し訳ございません。
今月、更新ペースを維持することができなかったため、過去に雑誌に書いた記事の再掲載をさせていただきます。

以下は、2007年4月の『二次元ドリームマガジン』vol.34に書いた文章の再掲載となります。

UFOに乗った三島由紀夫

今から15年ほど前、小学館が『ワンダーライフ』というオカルト雑誌を出していました。

わんだら

表紙は、謎のビキニアーマーちゃん。(イラストレーターは『電撃ドクターモアイくん』の岩村俊哉先生)

中身は、気の狂った情報が満載でした。

たとえば、「UFOに乗った三島由紀夫が日本に大変革を起こす!」という記事では、1991年に三島由紀夫が5億6000万人の宇宙人軍団を率いて現れ、地球を救うと予言されていました。

みしま

これを主張していたのは、三島由紀夫の霊と交信している、太田千寿さんという女性です。

彼女によると、三島由紀夫は現在天上界にいて、宇宙人としての肉体を持っているのだけれど、修行する時はフンドシ姿になるそうです。

まあ、三島由紀夫が前世でアトランティスの最後の王だったという話は、個人的にはギリギリ許容できるのですけど……。
そのアトランティスの最初の王が西城秀樹だったという話には、釈然としないものがあります。

あと、記事の中身はこんな感じでした。

画像3

2・1・2の数(数霊)を唱えながらこの絵を見てください。ノストラダムスが何故この地上に降りて来たかわかるはずです(太田千寿)」

なお、天上界では、ノストラダムスが「次の核戦争は41世紀に起こそう」と主張し、三島由紀夫が「21世紀に起こすべきだ」と反論しているそうです。


ワンダーライフ vs 太田千寿さん

さて、普通のオカルト雑誌ならば、記事として面白ければ、霊言の真偽など気にしません。

しかし、『ワンダーライフ』が他の雑誌と違うのは、編集者が真剣にオカルトにハマり、「本物」を追究していたことでした。

太田千寿さんについても、『ワンダーライフ』編集部は色々検証した結果、「彼女がコンタクトしているのは浮遊霊」と疑うようになります。

そして、「これ以上続けると、アストラル界にある“欲望の想念”ばかりが出てきてしまいそうだ」という理由で、太田千寿さんの記事の掲載をやめることにしました。

しかし、それを聞いた太田千寿さんは激怒。
「死んだほうがいいほどの苦しみ」を味わわせてやると言って、『ワンダーライフ』の編集長に呪いをかけます。

一方、編集長は、呪いなんてほとんど効果がないことを知っていたのですが、わざわざ「アストラル体を飛ばして、太田さんの呪いを受け取りに行ってみた」ところ、体がだるくなったそうです。

……以上は、『ワンダーライフ』の編集者が語った経緯を要約したもので、一部意味不明ですが、とにかく『ワンダーライフ』という雑誌は、関係者全員が「本気」だったのです。



ワンダーライフ vs チャネラー

『ワンダーライフ』には、宇宙存在バシャールとコンタクトができるチャネラー・竹原小百合さんの人生相談コーナーが連載していました。

なたーしゃ

たとえば、中1の女の子が「どうすれば選民意識をなくせるのでしょうか?」と相談すると……。

竹原小百合さんに憑依したエササニ星人のナターシャが、「愛、真実、宇宙の崇高なパワーはあなたの内側にあるのです」と答えてくれていました。

ところが、ある時から、ワンダーライフ編集部がチャネリングを否定するようになります。

ばしゃーる

この特集によると、バシャールのチャネリングは「頭頂チャクラを経由せずに、ハートやマニピュラに疑似通路ができた結果」として起こっているから、間違っているのだそうです。

その後も、『ワンダーライフ』には、

「チャネラーの多くは精神分裂症になっています。そうならないまでも人間の屑となっていくのです」

といった記事が載るようになり……。

竹原小百合さんの相談コーナーは、何の説明もなく消滅していました。



太陽系7大悪魔を倒した男

と、太田千寿さんやバシャールを否定していく一方で、『ワンダーライフ』の編集部が認めたのは、ザイン帝國の皇帝・小島露観さんでした。

小島露観さんは、本人曰く、1986年に悪魔戦争に巻き込まれて、「宇宙中の魔と死闘を展開、ついに魔を制圧した」という経歴の持ち主。

『ワンダーライフ』誌上でも、ご本人の口から悪魔戦争の件が語られ、

「熾烈な戦いの末、太陽系7大悪魔を全部やっつけたんです。
 が、今度は銀河の魔というのが近づいてきた」

などという話を、実際にあった話として普通に喋っています。

それによると、悪魔戦争の結果、宇宙はザインという存在によって支配されているのだそうです。

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