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ジャンプの「キャッチフレーズグランプリ」

キャッチフレーズグランプリ

かつて、『週刊少年ジャンプ』が「キャッチフレーズグランプリ」というのを開催していました。

ジャンプの連載漫画にふさわしい「キャッチフレーズ」を公募。
その結果は、「入選したコピーにあわせた各先生の描きおろし」と一緒に発表されます。

たとえば、第1回目のグランプリは、こんな感じでした。

「悪党の悲鳴など だれにも聞こえない…」

と、グランプリ作品は3つ折りのピンナップみたいな形で発表されました。

 

(※このときの描きおろしイラストは、現在『北斗の拳』の電子書籍版の第1巻の表紙にもなっております)

 

補足:悪党の悲鳴など聞こえない

『北斗の拳』の主人公・ケンシロウは、だいたい次の画像のようなキャラで、世が世なら快楽殺人鬼みたいなヤツでした。

悪党の悲鳴などだれにも聞こえない…。

 

結果発表号の一覧

「キャッチフレーズグランプリ」は、基本的には1984年~1997年に開かれました。

整理すると、次のような感じです。

・1984年27号発表:キャッチフレーズグランプリ
・1985年23号発表:第2回キャッチフレーズグランプリ
・1986年23号発表:第3回キャッチフレーズグランプリ
・1987年26号発表:第4回キャッチフレーズグランプリ
(1988年はナシ)
・1989年23号発表:第5回キャッチフレーズグランプリ
・1990年25号発表:第6回キャッチフレーズグランプリ
・1991年24号発表:第7回キャッチフレーズグランプリ。イラスト賞も新設
・1992年25号発表:第8回キャッチフレーズグランプリ
・1993年26号発表:第9回キャッチフレーズグランプリ
(1994年はナシ)
・1995年28号発表:第10回キャッチフレーズグランプリ
(1996年はナシ)
・1997年20号発表:第11回キャッチフレーズグランプリ
(1998年~2003年はナシ)
・2004年43号発表:キャッチフレーズグランプリ2004
・2005年42号発表:キャッチフレーズグランプリ2005
(2006年~2010年はナシ)
・2011年41号発表: キャッチフレーズグランプリ2011
(2012年以降はナシ)

過去の「キャッチフレーズグランプリ」は、たぶんこの14回かと存じます。
(抜けがあったら申し訳ありません)

それ以外に、作品ごとの企画とかもありました。

週刊少年ジャンプ 1978年42号

※こちらは、1978年の「読者がつくったジャンプキャッチフレーズ」という企画。「人間なら 一度は読もう 少年ジャンプ」などが選ばれていました。

 

グランプリ作品まとめ

各回のグランプリ作品をまとめてみると、次のような感じです。

1984年:「悪党の悲鳴など だれにも聞こえない…」(北斗の拳)
1985年:「男達《やつら》が流した血が暴力《バイオレンス》時代に終止符をうつ!!」(北斗の拳)
1986年:「晴れときどき筋斗雲」(ドラゴンボール)
1987年:「おめえ強いか!?」(ドラゴンボール)
1989年:「歯ぎしりギリリ!!」(山下たろーくん)
1990年:「筋肉森森」(ジャングルの王者ターちゃん)
1991年:「力は底なし 愛も底なし」(ろくでなしBLUES)
1992年:「たいち菌に侵されて野球熱が下がらない!」(ペナントレース)
1993年:「狙うは直径45cm!!」(スラムダンク)
1995年:「柔術を『じゅうじゅちゅ』と言う奴は許さねぇ!!」(真島クンすっとばす!!)
1997年:「わけがわからないけど なんだかわかるきがするのでサイコー」(すごいよ!!マサルさん)
2004年:「一護剣斬!!!」(BLEACH)
2005年:「勝ちたいなら疾駆八苦せよ」(アイシールド21)
2011年:「今のおれ達『博打打ち』 未来のオレ達『ジャンプ1《いち》』」(バクマン)

該当時期にジャンプ読者だったら、なんとなく記憶にあったりするのではないかなと思います。
(ネット上では、あまり言及されてないみたいですけど……)

以下、この「キャッチフレーズグランプリ」の思い出を少し書かせていただきます。

 

キン肉マンの素顔が公開される!!

1984年の、第1回目のこと。

神奈川県の読者が応募した「だれも知らないマスクの下にかすかにほほえむ顔がある!」という『キン肉マン』のキャッチフレーズが、「センセーショナル特別賞」というのを受賞しました。

週刊少年ジャンプ 1984年27号

この応募フレーズを受けてゆでたまご先生が描きおろしたイラストは、すぐに公開されませんでした。

「仮面を脱ぎコスチュームも一新されたキン肉マンのイラストはすでに完成された!!」
その素顔をNo.35で公開!!

と、2か月後くらいにキン肉マンの「素顔」を公開するという大々的なアオリが入ったのです。

『キン肉マン』は当時の子どもたちに大ヒットしていた人気作ですが、主人公は、常にブサイクなマスクを着用。
その素顔は、読者にも明かされていませんでした。

いったい、キン肉マンは本当はどんな素顔をしているのか……。
全国1億人の肉ファンが、35号の発売を待ちました。

そして、私たちが見たものは……!!

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