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1971年の打ち切り漫画『闇の戦士』の絶望

戦士=打ち切り

『週刊少年ジャンプ』には、「タイトルに『戦士』が入る漫画 = 打ち切り」の歴史があります。

闇の戦士(1971年):15週
海の戦士(1982年):10週
機械戦士ギルファー(1983年):13週
甲冑の戦士 雅武(1988年):16週
超弩級戦士ジャスティス(1993年):14週
地獄戦士 魔王(1994年):28週 ※初回が2話掲載なので全29話

もちろん、結果たまたまこうなったというだけで、別に法則でも何でもないのですけど……。

並べてみると一番続いたのが『地獄戦士 魔王』というのが、まあまあの地獄です。

『地獄戦士 魔王』(週刊少年ジャンプ 1994年38号)

 

※今日の話とは関係ないのですが、『地獄戦士 魔王』が作中で「戦いはこれからだ!!」をネタにしていることは少し参考になります。

※『ウイングマン』はアニメ版が『夢戦士ウイングマン』なのですが、原作のタイトルは『ウイングマン』です。

 

余談

タイトル云々に関しては、「騎士」でも似たような感じだったりします。

・北斗の騎士(14週)
・さすらい騎士道(12週)
・黒騎士バット(10週)
・舞って! セーラー服騎士(12週)
・SILENT KNIGHT翔(13週)
・アイアンナイト(16週)

というか、そもそもヒット作っていうのがそんなに多くないので、「ジャンプでタイトルに○○が入る=打ち切り」なんて、色々な言葉で言えちゃったりします。
(「闇」とか「光」とか「伝説」とか……)

 

『超弩級戦士ジャスティス』

「タイトルに戦士」の打ち切り漫画では、個人的には『超弩級戦士ジャスティス』推しです。

打ち切りは残当かも知れませんが、「極上だぜ」「ジャンプをタテにしてページをめくれっ!!!」とかの、若さと勢いが好きでした。

週刊少年ジャンプ 1993年48号

この漫画は、ちゃんとジャンプをタテにするくらいのノリで読まないと楽しめません。
(セリフや擬音を声に出しながら読むのが推奨されます)

 

『甲冑の戦士 雅武』

それから、「タイトルに戦士」の系譜で、比較的ネタにされがちなのは『甲冑の戦士 雅武』でしょうか。

『銀牙 流れ星銀』の戦国バージョンみたいな内容なのですが……。
なんかもう、犬と織田信長が会話しているだけで面白いです。

犬が馬に乗って出陣するのもシュールでした。

週刊少年ジャンプ 1988年45号(桶狭間へ出陣する犬)

 

『闇の戦士』

と、今日は犬の話をする日ではありませんでした。

本日の話題は、「タイトルに戦士が入るジャンプ打ち切り漫画」シリーズの記念すべき最初の作品。
1971年に始まった『闇の戦士』のことです。

週刊少年ジャンプ 1971年45号(表紙は『侍ジャイアンツ』)

当時の連載陣は、こんな感じでした。

・小室孝太郎先生によると、「当時は、最低5番以内に入ってないと、連載が続かなかったはず」とのこと。(『つっぱりアナーキー王』)

・『闇の戦士』の開始が昭和46年10月なのですが、この時期について西村編集によると、「発行部数もずるずると後退し、むりやり再開した『男一匹ガキ大将』第4部にも復活の力はなく、11月には65万部まで落ちこんでしまった」「46年から47年にかけては、『男一匹ガキ大将』に代わるストーリー漫画が定着しない苦しい時期であった」とのこと。(『さらば、わが青春の「少年ジャンプ」』)

・たぶん、ストーリー漫画の新連載には比較的有利な時期ではあったのですが、とはいえ『侍ジャイアンツ』『ばらの坂道』を明確に上回るくらいじゃないと長期連載は難しそうです。

 

新連載の扉絵

『闇の戦士』の作者は、小室孝太郎先生。
1970年11号~1971年34号に連載した『ワースト』というSFが、色々と凄い作品でした。

そして、その次に挑戦した「時代劇」が『闇の戦士』になります。

1971年45号

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