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『BLEACH 千年血戦篇』アニメ化の感想など

『BLEACH』新アニメについて

テレビアニメ『BLEACH 千年血戦篇』の放送が始まりました。

今期アニメの「懐かし枠」は、次のような感じで……。

『うる星やつら』(1978年~1987年連載。初代アニメは81~86年放送)
『ベルセルク 黄金時代篇』 (1991年~1997年連載)
『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』(1999年発売)
『令和のデ・ジ・キャラット』(ワンダフル版は1999年放送)
『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』(1999年~2003年連載)

『BLEACH』も、連載が始まったのは2001年の漫画になります。
(旧アニメは、2004年~2012年に放送されました)

ただし、今回アニメ化される「千年血戦篇」というのは、『週刊少年ジャンプ』の2012年11号~2016年38号で連載された部分です。

単行本でいうと55巻~74巻。それが最終章で、74巻で『BLEACH』は完結しました。
おおざっぱに「以前のテレビアニメの放送が終了した後に描かれた部分」が「千年血戦篇」という感じになります。

なので、けっこう最近まで連載していたというか、『BLEACH』自体は懐かしいのですが、 「千年血戦篇」はそこまで古くもないです。

 

連載当時の『ジャンプ』

「千年血戦篇」の連載中には、『鬼滅の刃』も始まっていました。
(『BLEACH』終盤と『鬼滅』序盤が同時期)

2016年11号

と、「千年血戦篇」の頃には『BLEACH』のアンケはメチャクチャ落ちていたらしく、『ジャンプ』ではかなり後ろの方に載っていました。

「死神代行篇」や「尸魂界篇」のストーリーは覚えているけど、「千年血戦篇」はあまり覚えてない……という人も多そうな気がします。

ざっくり、「死神代行篇」「尸魂界篇」「破面篇」「死神代行消失篇」「千年血戦篇」という流れ。
人によると思いますが、「破面篇」の途中くらいから記憶が怪しいけど、「破面」を「アランカル」と読むのは分かる……くらいの方が多そうな気がしております。

 

今回のアニメ

『ダイの大冒険』や『シャーマンキング』など、「アニメが中途半端に終わっていた往年のジャンプ漫画を、ちゃんと完結までアニメ化」みたいな事例が、最近いくつかありました。

『BLEACH』も、全74巻すべての再アニメ化とはいきませんでしたが、かつてアニメ化されなかった「最終章」が、深夜枠で新規アニメ化という僥倖に恵まれて、その放送が10月11日に始まった……という話でした。

※公式の番組情報だと、次のような感じです。

「累計発行部数は1億3000万部を超えるなど、完結後も世界中で根強い人気を誇る『BLEACH』。2004年10月より放送開始したTVアニメは360話以上、劇場アニメも4作。
そしてついに、シリーズの最終章“千年血戦篇”のアニメプロジェクトの幕が上がる。『最終決戦』にふさわしい実力派スタッフ陣で挑む、ファイナル・シリーズ」

ただ、「千年血戦篇」は、数字的には原作漫画が低空飛行だったシリーズで、正直、オススメはしがたいのですが……。

とりあえず第1話は気合いが入っていて、最初の無双シーンはめっちゃオシャレでした。

コメントは5chのもの

もしかしたら、第1話だけで比べるなら『チェンソーマン』より面白そうに見えるかも知れません。

(チェンソーマンはこの後どんどん面白くなっていくハズですけど)

個人的には、1話AパートやEDで思っていたより満足感あったので、当面は見続けたいと思いました。

 

2007年に雑誌に書いたコラムの再掲載

以下は、『BLEACH』関連ということで、2007年8月の『ネットランナー』に書いたコラムの再掲載をさせていただきます。

(「破面篇」の連載中で、『BLEACH』の人気が高かった頃に私が書いた文章です。後半、全然別の漫画の話題になっちゃうのでアレですが、これを再掲載するなら、再アニメ化のタイミングかなと思いました)

10月最初の更新が非常に遅くなってしまった上に、こういう形の更新になってしまって、大変申し訳ございません。

 

OSHARE!

久保帯人先生は、『週刊少年ジャンプ』で『BLEACHブリーチ』を連載中の漫画家です。

パラパラが流行った頃、先生は、ご自身のサイトで次のように仰りました。

「パラパラって何が楽しいんだろ? 振り付け丸暗記してみんなで同時に踊って。ガッコで阿呆な教員のやる暗記授業と何が違うんだ? 脳味噌の無駄使い。ヘドが出る

たぶん、先生としても、即興以外のダンスを全否定というわけでもないと思うのですが……。
流行に右へならえでみんなが同じことをしているようなのに抵抗があるのかな、などと解釈しております。

先生は「流行ってるもの」に反発しがちで、

「今まで『流行ってるっぽい』というだけの理由で、何となく避けてたiPod。なんですが、何あれ! スゴイ! BENNRI! 何百曲もブッ続けで聴けて超快適です」

と、iPodの便利さへの驚嘆を「BENNRIベンリ!」とローマ字で表現する辺りが、久保帯人先生らしいOSHAREオシャレだと思います。

 

『BLEACH』の世界

そんなわけで、久保帯人先生の漫画『BLEACH』の最大の魅力はOSHAREです。

単行本を開くと、まず、目次よりも先にOSHAREなポエムが掲載されており……。

ああ おれたちは皆 眼をあけたまま 空を飛ぶ夢を見てるんだ
「我等の世界に意味など無く そこに生きる我等にも意味など無い 無意味な我等は世界を想う そこに意味は無いと知ることにすら 意味など無いというのに

などと、読者をOSHAREワールドに誘います。

 

セリフもOSHARE

登場人物たちの台詞も、いちいちOSHAREです。
たとえば、主人公が敵の強さにビビったときには、「恐怖を捨てろ… 前を見ろ… 退けば老いるぞ… 臆せば死ぬぞ!!」と、ポエムを詠んで自分を鼓舞していました。

それから、

  • 「てめえを殺す」と安直に恫喝して、「あまり強い言葉を遣うなよ 弱く見えるぞ」と切り返される

  • 裏切り者に対して「地に堕ちたか」と罵って、「傲りが過ぎるぞ 最初から誰も天に立ってなどいない」と切り返される

などなど、『BLEACH』の世界では、普通に喋るとポエムで返されるので、基礎教養としてのポエム力が必要です。

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