『マネーの虎』の抱き枕の回について
等身大キャラクター抱き枕の前史
ラブラブシーツ
二次元の「デカい布」としては、抱き枕よりも古くから、シーツがいくつか出ていました。
たとえば、1995年3月発売のスーファミのゲーム『ラブクエスト』では、アンケートに答えると抽選100名にラブラブシーツが当たりました。
こういうのは『ラブクエスト』が最初というわけでもなくて、もっと前に『ドラゴンナイト』のシーツとかもありました。
抱きしめるにはちょうどいいサイズのまくら
それから、1995年には、エルフが『同級生2』のまくらを発売しています。
「ギュッと抱きしめるにはちょうどいいサイズ」とのこと。
抱きしめる用途を想定した枕で、美少女の全身が印刷されているという点では、いまの抱き枕の先祖的なものと、言えなくもないかも知れません。
ただ、90センチに全身が入っているので、かなり絵が小さいです。
現在の等身大の抱き枕は、二次元の女の子がそこにいるような存在感で、添い寝したり抱きしめたりできるリアルな仮想であるわけですが、このサイズだと、そこまでの没入感を得るのは難しいと思います。
日本で初めて商品化された抱き枕
一般に「日本で初めて商品化された抱き枕」とされているのは、1996年に発売された、ロフテーのボディーピローらしいです。
(「抱き枕」の定義にもよるかも知れませんが……)
とにかく、ロフテーが「日本で初めて商品化された抱き枕」としているのは、
という感じの安眠目的の無地の寝具で、特にオタク向けのアイテムではないやつでした。
こういうのが1996年から、それなりに世間に広まります
現在のような等身大キャラクター抱き枕の誕生
『ときメモ』おやすみシーツ
そして、1997年1月。
『ときめきメモリアル』のおやすみシーツが発売されました。
このシーツが、現在広まっているような「二次元キャラの等身大の抱き枕」が世に現れるきっかけとなりました。
というのも、
この本に、石原哲さんという方(HP)が書いた話によると……。
という経緯で、等身大抱き枕の素晴らしさに気がついたそうです。
そして、布団屋に170cmの枕と、おやすみシーツの加工を注文。
抱き枕カバーとして使う用に加工されたおやすみシーツ(ファスナー付き)を、170cmの本体に装着して、抱きしめたり見つめ合ったりを堪能したということでした。
彼の影響などから、一部の『ときメモ』ファンの間で、「丸めた掛け布団+おやすみシーツ」「加工して抱き枕カバー化したおやすみシーツ」といった、黎明期の抱き枕の愛用者が増えました。
そこで、じゃあ加工済みの抱き枕カバー(等身大の美少女が描かれたもの)を同人グッズとして作ってみようと企画したのが、かの有名なチャンコ増田さんでした。
伝説のマルチ
そして、1997年10月26日に開催された「Leaf Fan」という同人イベントで、チャンコ増田さんがマルチの抱き枕カバーを頒布。
それが「日本で初めての等身大のキャラクター抱き枕の頒布」だと言われております。
その後も、チャンコ増田さんは『痕』『機動戦艦ナデシコ』『カードキャプターさくら』などの同人抱き枕を出し続けました。
90年代終わりごろ
それに影響を受けて、あとに続く人たちも現れます。
たとえば、岡山健さんのサイト「抱き枕統一協会」では、
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