平松伸二先生のデビュー作『勝負』、オリジナル版とジャンプ掲載版の相違点
平松伸二先生のデビュー作『勝負』
平松伸二先生は、『ドーベルマン刑事』『ブラック・エンジェルズ』『マーダーライセンス牙』といった作品で知られる、人気漫画家です。
平松先生のデビューは、高校1年生。
15歳で描いた読切『勝負』でジャンプの月例賞の佳作を取り、それが『週刊少年ジャンプ』1971年50号に掲載されたのでした。
デビュー作の『勝負』については、『ゴッドサイダー』の巻来功士先生が言及したこともあります。
『勝負』の2つのバージョン
そして、平松伸二先生の自伝的作品『そしてボクは外道マンになる』でも、『勝負』について触れているのですが……。
実は、このコマには、少しだけ事実と異なる部分があります。
というのも、『勝負』という読切には2つのバージョンが存在していて……。
■平松先生が新人賞に投稿して佳作に入った、オリジナルバージョン
■それをジャンプに掲載するために描き直した、リテイクバージョン
『そしてボクは外道マンになる』では、「ジャンプに載った」と喜んでいる場面なのに、実際に掲載されたリテイク版ではなく、オリジナル版の絵になっております。
それから、この『ジャンプ』1971年50号の表紙も、実際には『男一匹ガキ大将』だったのですが……。
『そしてボクは外道マンになる』では、『勝負』の収録された単行本のような表紙のジャンプになっています。
……って、クッソどうでもいい揚げ足取りで申し訳ありませんでした。
いんだよ細けえ事は。
『勝負』の単行本収録
さて、平松伸二先生の受賞作『勝負』は、2002年に発売された『地上最強の男 平松伸二短編集』に収録されました。
私たちは長い間、1971年に『ジャンプ』に掲載された「リテイク版」しか知らなかったのですが……。
2002年になって、完全未発表作として「オリジナル版」が出版されたのでした。
この本は電子化されて、Kindle Unlimited で読むことができますし、スキマでも無料で読めます。
と、現在では、投稿されたオリジナルバージョンがネットで無料で読みやすくなったのですが……。
逆に、1971年に『ジャンプ』に載ったバージョンの方が幻になっております。
相違点
そんなこんなで、オリジナル版とリテイク版を見比べてみたいと思います。
冒頭
2つのバージョンを比較すると、1ページ目からこんな感じ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?