捕まった宇宙人や介良のUFOに関する最近の常識
この記事は、UFO情報をそれほど追いかけていない方に向けた、ライトな内容です。マニア向けの話はありません。
「捕まった宇宙人の写真」は有名です。
たとえば、学研の『いる? いない? のひみつ』という本を見ると……。
しかし、この写真、わりと最近まで、なんかよく分からん存在でした。
この本だと、1952年のオーストリアで、警察が宇宙人を捕まえたことになっているのですけど……。
ほかのものでは、メキシコでFBIが宇宙人を捕まえた写真と紹介されていたりします。
(一般には、メキシコ説が多いです。オーストリア説は出てきた経緯がよく分かりません。UFOで1952年の夏といえば「ワシントン侵略事件」というのは有名なのですけど……。ツークシュピッツェ山の宇宙人?)
「UFOの残骸が回収された」「空軍機がUFOに撃墜された」といったUFO史に残る事件と比べても、「宇宙人を生け捕りにした」というのは、とんでもない話です。
しかし、そのわりに、有名なのは写真だけで、どうしてこんな状態になって、この後どうなったのか、ロズウェルみたいに詳細に語られていません。
捕まった宇宙人の正体
この写真の正体は、2010年代になってから、広く知られるようになりました。
海外の人気検証サイト「フォーゲット・モリ」の記事によると……。
これは元々、『ノイエ・イルストリーアテ』という、西ドイツのケルンのローカル誌の1950年4月1日号(3月29日発売)に載っていたそうです。
アリゾナ州に空飛ぶ円盤が飛来して、米軍が対空砲で撃墜。
円盤から火星人を連行した……という内容の記事でした。
(「フォーゲット・モリ」による画像です)
しかし、この号の表紙には「april-Nummer!」とあります。
翌週の4月8日号を見ると、前号の記事はエイプリルフールの冗談で、作り話だったと明記されています。
つまり、あの写真はエイプリル・フールネタだったそうです。
私にとっては、衝撃のビッグニュースでした。
良かった、全身どろどろにとけて死んだ宇宙人はいなかったのですね。
ざっくり経緯
この件の経緯は、『UFO事件クロニクル』といった本で紹介されています。
当時、カリフォルニアに住むUFO研究家が、問題の雑誌をドイツの友人から送られて、本物だと信じたそうです。
そして、『ポイント』という地方誌の1950年8月25日号や、『トーク・オブ・ザ・タイム』という雑誌の1950年6月号に紹介しました。
そこから、この写真の話が広まったみたいです。
『ポイント』の記事では、別件として「メキシコの円盤墜落事件」も紹介していて、それがごっちゃになって、あの写真がメキシコのものだということになったらしいです。
それから、ローレン・グロスさんというUFO研究家が、『ノイエ・イルストリーアテ』1950年4月1日号のコピーを入手して、自分の研究誌で紹介。
それをアイザック・コイさんというイギリスのUFOマニアが発掘して、自分のホームページで紹介。
そして、2012年、「フォーゲット・モリ」が、『ノイエ・イルストリーアテ』1950年4月1日号の実物を入手して紹介し、ネットでこの話が有名になりました。
日本では、2013年6月12日に、NHK BSプレミアムの『幻解!超常ファイル』という番組で、この件が紹介されました。
最近の学研
ちなみに、2015年に学研が出した『UFOと宇宙人の大百科』という本を見ると、いちおう、この話を踏まえた内容になっていました。
エイプリルフール説は無視できなかったけど、それはウワサで、実本は確認されていないという方向で押し通すことにしたみたいです。ううむ。
ともあれ、そんな感じで、昔の事件について、最近になって新事実が出てくることがあります。
介良(けら)事件
日本で起きたUFOの不思議な話といえば、高知市の介良の事件が有名です。
それは、1972年に、中学生の少年たちがUFOを捕獲したという、奇妙な出来事でした。
学研の『いる? いない? のひみつ』に掲載された再現漫画を見ると……。
と、15センチくらいの小型UFOを発見。
虫取りアミでUFOを捕獲して、とりあえずナップザックに入れておく……。
この謎の日常感覚が、介良事件の魅力です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?