1970年のハレンチ少年漫画『くたばれ!! ボイン』
『くたばれ!! ボイン』とは
1970年、『デラックス少年サンデー』で『くたばれ! ボイン』という漫画が始まりました。
単行本化されてない50年前の漫画で、連載したのがサンデー本誌でもないということで、当時の読者以外は、ほとんど知る機会のない作品だと思います。
タイトルの変遷
1970年5月号~7月号(第1話~第3話)は、『くたばれ! ボイン』というタイトルで掲載。
1970年8月号(第4話)から「!」がひとつ増えて、『くたばれ!! ボイン』になりました。
「!」が増えた意味は不明ですが、作者の怨念が増えたのかも知れません。
その後、1975年に『悪魔学園』3巻に収録されたものでは、「!」が消えて、ただの『くたばれボイン』になっていました。
意味は不明ですが、作者の怨念が晴れたのかも知れません。
整理すると、
という感じでした。
……なので、この漫画の話をするときに「!」をどうするか悩むのですが、いちおう、今回は『くたばれ!! ボイン』表記を基本としてみます。
第1話
てことで、『くたばれ!! ボイン』がどんな漫画だったのか伝えさせて欲しいです。
(以下、漫画の内容のネタバレが含まれます)
連載開始は1970年5月号で、時期としては、ジャンプの『ハレンチ学園』が大ヒットしていた頃。
近い時期のハレンチ少年漫画には、『モーレツ先生』『あらし!三匹』などがあります。
物語の主人公は、団くんという少年。
彼が転校してきた学校は、圧倒的に女性上位で、男子生徒たちは虐げられていました。
女性が「社会的強者」になっている環境を舞台にしたハレンチ作品というのは、のちの『やるっきゃ騎士』や『聖奴隷学園2』に連なるもの。
男のスケベ行為が「上位者への反逆」として少し正当化されるという、まあまあ卑怯な設定だったりします。
「無抵抗のおとなしい女子にスケベ主人公がセクハラを繰り返す」とかだと、少年漫画として成立させにくいのですよね。
なので、こういうハレンチ漫画では、女性側も強くされがちです。
『くたばれ!! ボイン』のヒロインであるアタックのマリも、「から手二段のすごいやつ」という設定でした。
と、転校してきた団くんも、アタックたちにボコボコにされて、全裸に剥かれて捨てられてしまいました。
この雪辱を果たすため、団くんは、アタックに決闘を申し込みます。
幸いにも、彼女は毛虫が苦手という情報をゲットしたので……。
決闘の直前に毛虫を生で食べるところを見せつけて、相手の戦意を喪失させるという頭脳的な作戦で勝利。
アタックをパンツ一枚まで脱がして、「やったあ、あにき!」と大喜び。
かくして、学校は男性上位になってメデタシメデタシという話でした。
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