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いけうち誠一先生による大型熱血空手漫画『虎の兄弟』

以下の文章は、『虎の兄弟』という漫画のネタバレを含みます。


いけうち誠一先生の『虎の兄弟』

いけうち誠一先生の『あらしのエース』は、打者をガンにする魔球が登場することで一部で有名です。

いけうち先生は最初、少年誌にホラー漫画や動物漫画を描いていたのですが、それから『中学○年コース』でスポーツ漫画を描いたりして、結局、オッサン向けのゴルフ漫画に落ち着きました。

『週刊少年ジャンプ』にも動物漫画を2回連載していて、どちらも短期打ち切りで終わっています。
その2作品については、以前のnoteでご紹介いたしました。

それで、病魔球が登場するのが『あらしのエース』なのですが、その少し前に『虎の兄弟』というカラテ漫画を描いていました。

『あらしのエース』が「熱血甲子園賛歌」
『虎の兄弟』が「大型熱血空手漫画」です。
どちらもダイナミック・コミックスで、似たようなデザインですね。

『虎の兄弟』は1973年~1974年に『中学二年コース』に連載しました。

『週刊少年ジャンプ』の打ち切り漫画『シベリアの牙』『夜明けのタテガミ』は単行本化されてなくて幻の作品になっていますが、『虎の兄弟』はいちおう単行本が出ているので、読もうと思えば読めます。

ただ、電子書籍化は難しいらしく、普通に生きていたら死ぬまで読む機会がない漫画だとは思うので、詳しめに紹介させていただきたく存じます。


概要

さて、『虎の兄弟』の主人公は、虎尾鬼一虎尾次郎の兄弟。
兄の鬼一は、火焔げりの神崎という男の闇討ちを受けて、歩けない身体になってしまいました。

弟の次郎は、火焔げりの神崎を倒す必殺空手をマスターするために、日本中を歩き回ってケンカをしています。

「竜を食う!! きちがい虎になれい!!

と、この兄は、一歩間違えたら死ぬような特訓を弟にします。

殺す気じゃ!! 兄弟とはもっとも近き敵!! 死ね!!
これが兄の愛じゃ!!

さすが虎の兄弟というだけあって、人間とは感覚が違います。
弟がダウンすると、その顔面に小便をかけるのでした。

しょんべんが敵の刃だと思え! 生きておらん ふふふ
「こ、このばか兄!」
と、仲の良いツンデレ兄弟です。

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