漫画の「アオリ」雑感
「アオリ」とは
雑誌で漫画を読むと、漫画家の先生が描いた作品の上に、担当編集者が考えたアオリ文句が重ねられています。
たとえば『デスノート』は、単行本で読むとこんな感じなのですが……。
最初に『ジャンプ』に載ったときは、こんな感じでした。
と、なんかクネクネしてるライトが、アオリにまでバカにされているのでした。
ほかに有名なアオリといえば、『シャーマンキング』でしょうか。
必殺技のスゴさを白紙で表現したページで……。
単行本では、本当に技名以外はすべて白紙でした。
しかし、ジャンプ掲載時は「愛か浄か 激しい光!!!」というアオリによって、かろうじてこの白紙が光を意味していることが分かります。
(このシーン、こうやってアオリでフォローしないと、単に作画が間に合わなかっただけに見えかねません)
トモダチ…
そんな感じで、編集者が「アオリ文句」を考えるのに苦労しそうな漫画といえば、『ブリーチ』でしょうか。
漫画本編の中で、登場人物がオシャレなポエムを連発。
「ハロー ハロー ぼくから世界へ 応答願います ぼくらのコードは正しくつながっていますか ぼくの世界は正しく回転している模様 システムオールグリーン コミュニケーションは不全」
などという内容の本編を受けて、一体どうアオればいいのかという感じなのですが……。
「4月。コード。空。学校。言葉。友達。トモダチ…」
編集者がヤケになって出てきた単語を適当に並べただけにしか見えませんが、それでも本編にマッチして見えるのが『ブリーチ』の恐ろしいところです。
これ以外にも『ブリーチ』では、
「静かに、ただ美しく全ての光を反射する純銀。そう、僕は、銀になろう」(2006年42号)
「瞬にして 錬にして 素にして 燁にして 聖にして 豪にして 鎮にして 焔にして」(2004年51号)
などなど、編集さんが一生懸命考えたポエムが読めて楽しいです。
まさに靴辱
それから、『いちご100%』の、「主人公が校内を普通に歩いていたら、見知らぬ女の子と偶然クンニ状態になった」というシーン。
この初登場シーンを「堕天使降臨!?」という言葉にまとめてみせたのは、なかなか匠の技だと思います。
ちなみに、
『脳噛ネウロ』で弥子ちゃんが靴を舐めさせられそうになったときの「まさに靴辱!」
『太臓もて王サーガ』でスピンちゃんの股間にキノコが生えたときの「みんなも自分のキノコは大切に扱ってやれよ!!」
など、『ジャンプ』のアオリ文句は、意外と下ネタもノリノリです。
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