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ラムちゃん以前のジャンプの鬼娘、『鬼っ子』のピロンちゃん

鬼娘

「ケモミミ」の需要の高さに比べると、「ツノ」のフェチというのは、あまり聞きません。

※「つのけっと」みたいなイベントはあまり聞かないですし、DLsiteの「ジャンル一覧」を見ても、「獣耳」「ネコミミ」「妖怪」「モンスター娘」などはあっても「鬼娘」的なタグはない……くらいの意味で。

でも、「鬼娘」の供給はそれなりにあって、「にじさんじ」なら竜胆尊さん、「ホロライブ」なら百鬼あやめさんが配備されています。

近年の鬼娘だと、こういう2本ツノのタイプが多いでしょうか?

80年代に一世を風靡した『うる星やつら』のラムちゃんは、2本のツノがちょこんとのぞくのがチャームポイントでした。

週刊少年サンデー 1978年39号(初登場)、1980年15号(週刊連載開始)

あと、『リゼロ』のレムなどは額から1本生えるタイプで、

禰豆子だと、もう少し変わった位置から生えたりします。

(コメントは5chの実況のもの)

※ラムちゃんやレムは非常に人気が高いキャラですが、別に「鬼娘だから人気」というわけではないと思われます。

そいで、もっと昔だと、ツノが頭頂からまっすぐ生えているタイプも多かったです。

週刊少年マガジン 1970年23号

『キッカイくん』のコレの場合は、元の髪型の事情もあるのですが……。
美少女の額から美しく曲線を描くツノみたいな発想は、当時あまりなかったような気がします。
(普通に幼稚園で作る青鬼のお面みたいなツノですね)

そうして、1973年に『週刊少年ジャンプ』に連載した『鬼っ子』という漫画でも、美少女の脳天からタケノコのようなツノが生えていました。

週刊少年ジャンプ 1973年46号

この『鬼っ子』は24週で打ち切られて、単行本も出なかった漫画。
ほとんど忘れられている気がするので、今日はその紹介をさせてください。

以下の文章には、『あらし!三匹』の最終回、『鬼っ子』終盤のネタバレが含まれます。

 

池沢さとし先生

さて、『鬼っ子』の作者は、池沢さとし先生。
スーパーカーを愛する漫画家で、1975年から連載した『サーキットの狼』が大ヒットしたことで知られます。

週刊少年ジャンプ 1976年12号

モータースポーツもの以外では、野球漫画に挑戦した『ダイヤモンドスター』とか、不動産営業漫画に挑戦した『痛快!! マイホーム』などが私好みのやつでした。

『サーキットの狼』でブレイクする以前は、主にエッチな少年漫画を描いていて、1970年代前半の『週刊少年ジャンプ』のエロを支えました。

たとえば、1974年に連載した『風!花!龍!』は、こんな感じ。

週刊少年ジャンプ 1974年3号

また、『あらし!三匹』という漫画は、1970年13号から1973年23号まで3年以上も続いた人気エロ漫画でした。(単行本は全16巻)

週刊少年ジャンプ 1971年45号

キャッチコピーは「ボイン漫画の決定版」です。

 

『あらし!三匹』の最終回

『あらし!三匹』と『風!花!龍!』は KindleUnlimited にも入っていて、わりと簡単に読むことができます。

その『あらし!三匹』の最終回はこんな感じで……。

『あらし!三匹』第16巻

現在読める単行本は、ここで終わっております。

しかし、実は『週刊少年ジャンプ』の連載時には、もう2ページありました。

週刊少年ジャンプ 1973年23号

このラストシーンからページをめくると、「さて…… 来週からミーちゃんにかわって登場する主人公を紹介しよう」と、新連載の紹介が始まったのです。

週刊少年ジャンプ 1973年23号

「次週から、『鬼っ子』を連載します」
と、『あらし!三匹』の最終回から、休みナシで『鬼っ子』の新連載が始まりました。

 

『鬼っ子』

『鬼っ子』の主人公の少年・ジュンは、新連載の開始1ページ目で雷にうたれて、地獄に堕ちます。

週刊少年ジャンプ 1973年24号。主人公のジュン

そして、えんま大王の説明を受けるジュン。

「地獄におちてくる人間がいっぱいでよ!」
「鬼たちも残業につぐ残業」
せめて週休二日制にしたい
「これは悪魔の帝王サタンが人の魂をうばい 人間に悪行をさせているからじゃ」

と、世界中の少年の中からアミダくじで選ばれたジュンが、変身して悪魔と戦うことに決まったのでした。

ジュンが変身した姿が「レビン」という名前

……こんな感じで、基本的には変身ヒーローものっぽいコンセプトでした。
(最初のころは、ガールフレンドのひろみちゃんのパンツがあまり見えなかったり、お色気も控えめ? だった気がします)

そうして、ぬれ女に変身した美智子ちゃんをぶっ殺したりするのでした。

第17話「美智子むざんの巻」(週刊少年ジャンプ 1973年40号)

と、この漫画、金棒が刺突武器だったりします。

 

ピロン登場

そして、第18話で、えんま大王の娘である鬼の少女・ピロンという新キャラが登場しました。

週刊少年ジャンプ 1973年41号

人間なら「ウフフフ」と笑うところ、ピロンは鬼だから「オフフフ」と笑います。

ピロンの好感度は最初から高く、ジュン・ひろみちゃん・ピロンの三角関係になるのでした。

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