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大川隆法さんのご長男の遺産相続問題

前置き:大川宏洋さんについて(過去)

「幸福の科学」の教祖・大川隆法さんには、子供が5人います。
その長男である大川宏洋(ひろし)さんは、「幸福の科学」の文化・芸能方面の仕事をしていました。

若き天才

宏洋さんの過去世は、ギリシア神話のエロス神・アポロン神・荘子・西行法師・デカルト・カフカなど。

過去世ではこんな家族だったという設定

宏洋さんの魂は、美や芸術に秀でているそうです。
2017年の幸福映画『君のまなざし』では、総合プロデューサー、脚本、副主人公役の俳優、主題歌歌唱の4役を任されています。

父である大川隆法さんは、息子の活躍について、「雨雲目指して翔け上がっていく白龍のようだ。君のまなざしは、天空の一点を見つめ続けている」と述べていました。

なお、映画評論家の柳下毅一郎さんは、『君のまなざし』を次のように評しています。(URL

一番美味しい悪役を演じ、ワハハハと大芝居してワイヤーワークで吊られて飛びまわり、映画が終わるとマイクを握って一曲!
(中略)
究極のオレ様映画なのである。
オヤジのイタコ芸で稼いだ金で息子はオレ様映画
(中略)
長々と続く寄付者のクレジットにかぶさるのは大川宏洋が歌う主題歌「キミのまなざし」(作詞作曲大川隆法)。
おまえらの金でこいつの下手くそな歌がなりたってるんだよ、ということをこのうえなく見せつけるまことすばらしいタイトルであった。

 

前置き:大川宏洋さんについて(現状)

しかし、2018年1月1日。
大川宏洋さんは、「幸福の科学」を退職する……みたいなことをインスタで発表しました。

イケメン長男に嫉妬
『女性自身』2018年2月6日号

↑ の記事では、宏洋さんのママ(隆法さんとは離婚済み)が、次のようにコメントしていました。
私たちの子供とは思えないほどのイケメンです。性格もよく、演技力もあり、最近人気が高まってきたので、大川総裁から嫉妬されてしまったのではないかと思います」

ただし、「幸福の科学」側は、その見解を否定。
教団側は、宏洋さんが撮影期間に空白を作って数千万の損失を出したことなどから、能力・性格的に重要な役職を任せられなくなったと主張しています。

そんなこんなで、隆法パパと、ご長男の宏洋さんは訣別状態。

バカはどう

宏洋さんはYouTuberに変態して父親を批判。
「幸福の科学」は、その内容が嘘だと訴訟を起こしています。

宏洋さんの発言は「教祖の肉親の証言」という点で貴重ですが、家族の思い出話みたいなやつは、基本的に「言った」「言わない」の話で、第三者には真偽が分かりません。

たとえば、妹が「モー娘。のオーディションを受けたい」と言っていたと宏洋さんが書いたところ、妹は、宏洋さんこそ「ジャニーズ事務所を受けたい」と言っていたと反論しています。
(どちらの言い分が妥当なのか私には分かりませんが、兄妹ふたりとも映画の主題歌をノリノリで歌っていたのは事実です)

 

「宏洋は隆法の遺産をどれくらいもらえるのか?」

そんなこんなで、大川隆法さんと、ご長男の宏洋さんは、現在は敵対関係にあるのですが……。

2021年2月9日のこと。
宏洋さんがYouTubeに、「【相続】宏洋は隆法の遺産をどれくらいもらえるのか? 弁護士・藤吉先生に聞いてみた!」という動画を投稿しました。

個人的には、この動画は期待した内容ではありませんでした。
というのも、前提として「幸福の科学」側が相続について述べていることを踏まえてなくて、あまり関係なさそうな方向の話になっていたのですよね。

てことで、以下、たぶん10000人中9999人にはどうでもいいと思われる、エル・カンターレさんちの相続問題の話をさせていただきます。

 

とりあえずの前提

大川隆法さんには、5人の子供と後妻がいます。
特に何もなければ、遺産の半分は後妻が受け取り、残りの半分を子供5人で山分けだと思います。
(法定相続分としては、宏洋さんの取り分は個人資産の10分の1

ただし、大川隆法さんは「財産はすべて教団に寄付する」という意向です。そういう遺言書があるなら、宏洋さんに権利があるのは法定相続分の半分になると思います。
(遺留分として、宏洋さんの取り分は個人遺産の20分の1

 

(生前分与の件)

あと、この話は特に関係ないと思うのですが……。
「幸福の科学」側によると、すでに宏洋さんには、ある程度の財産分与が行われているそうです。

実母2
大川隆法『人はなぜ堕ちてゆくのか。』

と、宏洋さんが生まれた1989年から毎月、「財産分与の分の積み立て」をしていたそうです。

色々と曖昧ですが、毎年110万円ずつ贈与しておけば節税になるので、それを10年間続けたとしたら、1100万が宏洋さんの口座に入っていることになります。
(ただ、「節税効果も何もない」からやめたという意味が私には分からなくて申し訳ないです。大川家クラスだと、毎年110万みたいなケチな話ではないのでしょうか?)

ともあれ、ある程度の期間、それなりの金額が「分与」されていたようです。

正確な額は不明ですが、「幸福の科学」時代の収入も含めると、宏洋さんは「1億円くらい持っている」と父親は述べています。

いちおく2
大川隆法『信仰者の責任について』

ただ、宏洋さん側によると、そこまで多くはないそうです。

※追記
2021/11/11の動画などによると、少なくとも5000万円の貯金があったと宏洋さん本人が述べています。
(その5000万は、自分が監督・脚本・主演の映画を作るために使い切ったそうです)

その大金が「生前分与」なら、死後の相続から、その分は引かれるかも……とか思ったのですが、2019年7月の相続法の改正で、10年以上前の贈与は、その計算から外れるようになったのですね?

なので、(私が法律に疎くて自信がないのですが)、大川隆法さんの言うところの「財産分与の分の積み立て」があったとしても、エルカン帰天後の相続には影響しないような気がします。たぶん。

 

大川隆法さんの計画

そんなこんなで、原則としては、宏洋さんの取り分は遺産の20分の1になるのかなと思います。

ただ、大川隆法さんは、なるべく宏洋さんに遺産が渡らないようにすると宣言しています。

寄付3
寄付4

と、死ぬまでに財産を教団に移して、宏洋さんにお金が渡らないようにする方向で、「幸福の科学」の弁護士たちも動いているようです。

※エル・カンターレなので、「死ぬ1年前」は自分で分かるようです。

(昔の『黄金の法』などでは、大川隆法さんは2037年に帰天するみたいな感じでした。ただし、近年の『信仰継承霊言』などでは、2037年を過ぎても「行けるところまで頑張りたい」という話になっていました)

 

そんなこんなで

私の法律リテラシーが低くて、色々と認識が怪しいのですけど……。

大川パパと法務室は、財産を教団に移すことで宏洋さんに相続させない計画をしているらしいけど、それは法的に可能なのかという点に、個人的には興味がありました。

それを踏まえて、先日の「弁護士に聞いてみた」という動画なのですが……。

この弁護士さん、そういう隆法サイドの計画については、まったく把握していないようでした。

動画では、隆法パパが宏洋さんを廃除して、宏洋さんの分は、宏洋さんの息子が相続することになるのでは……という話がメインでした。

※宏洋さんには、自由に会うことができない息子が1人います。宏洋さんが廃除で相続権を剥奪された場合は息子が代襲相続することになるようです。
(宏洋さんは、まだ「幸福の科学」と訣別していなかった2013年ごろに子供ができて結婚。2015年に離婚して、親権は女性にあるようです)

その「父親をYouTubeで侮辱したという理由で莫大な遺産がもらえなくなる」っていう展開も、なかなか面白そうですが……。

隆法さんはそれ以外の方法で遺産を渡さない意向を宣言しているので、せっかく弁護士さんに聞くのなら、そっちルートに関する見解を聞きたかったです。

 

蛇足

大川隆法さんの予想では、宏洋さんは独立しても成功できず、数年で生活に困るだろうと言われていました。

そして実際のところ、宏洋さんは2018年に「宏洋企画室株式会社」を作って色々やっているのですが、2021年現在、お金には困っているみたいです。

カードが止まって「給料の前借り」で凌いでいるとアピールしたり……。

『金ください』という歌を歌ったり……。

障害者手帳を取得して新幹線に半額で乗れるようになって節約したいと言い出したり……。

※この場合、手帳が取れたとしても新幹線半額は無理で、宏洋さんが考えているような交通費の「節約」は無理だと思います。ただ、手帳を取ると障害者控除が受けられるので、それで少し「節約」にはなる気もします。

※話を聞く限りでは、制度について根本的に勘違いしているフシがあって、病気で困っていて支援を受けたいという話ではなく、純粋にお金だけが目的なのが引っかかります。

 

6月の映画

宏洋さんが2019年に作った映画『グレー・ゾーン』は、2021年6月に公開されるようです。

この映画がヒットすれば、宏洋さんの明るい未来が見えそうです。

『君のまなざし』などを見る限りでは、どうしても映画ジャイアンのオナニービッグバンになりそうなイメージを抱いてしまいますが……。
実際にはどんな感じなのか、ちょっと楽しみにしております。

しかし、「幸福の科学」から宏洋さんに流れたお金の多くが、この映画に注ぎ込まれたという形になります。

信者さんがエル・カンターレ信仰のために出したお金がこの映画になったと思うと、いろいろと複雑な気持ちはします。

この映画の資金が、もとをたどれば森沢としお先生のような方々が出したお金だと思うと、救われないなと。

ともあれ、いまの日本では、新宗教の2世に生まれてしまうことのデメリットは非常に大きくて、そういう意味では、なるべく応援したい生い立ちの方ではあります。

ネットアイドルちゆは、『グレー・ゾーン』をいちおう応援しています。

 

2021/2/16 追記

私がこの文章をちんたら書いている間に、「幸福の科学」の広報が、遺産の件に関する動画を出していました。

 

「幸福の科学 広報チャンネル」は、ほとんど宏洋さんの批判で埋め尽くされており、ある意味すごいです。

ひろしのたいざい」

 

2022/2/28 追記

『グレーゾーン』を実際に見た感想は、こちらの記事に書きました。

 

2023/3/2 追記

本日、大川隆法さんが亡くなったと報じられました。

ご本人は昔から、2037年以降まで法を説くと予言していました。
なので、何か「宏洋さんに遺産を渡さないための計画」があったとしても、こんなに早く大川総裁が亡くなるとは想定していないという可能性が高そうな気がします。

例の「これ以上あると子供のほうに分配される可能性があるので、死ぬ一年前にはここまで減らしておいてください」という条件も、クリアしていない可能性が高そうです。

その場合、宏洋さんには大川隆法さんの個人資産の20分の1を相続する権利がありそうです。

実際どうなっているのかは分かりませんし、遺留分の請求などでも一悶着ありそうですが、もしもうまく運べば、今後、宏洋さんは2本目・3本目の映画を作っていけるのかも知れません。

 

更に追記:
大川隆法さんは2037年まで生きる予定でしたし、遺書がなくて10分の1の権利がある可能性も考えられるかも知れません。

例の「私の死後の遺産相続について書いたもの」というやつが遺書なのでしょうか?

 

更に追記:
著書『短詩型・格はいく集(3) 神は詩う』によると、大川隆法さんは、2023年1月14日に「印税等七億数千万寄附」をしたそうです。
寄附が「十億円を超えた年もあった」ともあり、個人資産を定期的に教団に寄附していたと思われます。

やはり、大川隆法さんの個人資産の多くはすでに教団に移っていて、そこまで莫大な金額ではないのかも知れません。

 

3/18追記:
『週刊実話』2023年3月23日号の記事によると、「資産はほとんど教団名義で『大川氏個人のものは印税くらいしかないのでは』というのが、国税関係者の見立て」とのことでした。

相続問題を抜きにしても、税金とかのアレで、大川隆法さんの立場なら、なるべく教団名義にして個人資産はあまり持たないようにしている方が有利っぽいです。

 

さらに追記:
3月4日の配信によると、宏洋さんは『グレーゾーン』を作るときに母親のきょう子さん(アフロディーテ)に3000万円の借金をしており、それを80万円しか返済していないそうです。
配信では、遺産を相続したら、そこから3000万円はきょう子さんへの返済に充てると話していました。

 

2023/5/18 追記

大川隆法総裁の遺書があるそうです。

開封されるまで内容は分かりませんが、ここで言われているような「2000億円を宏洋さんが相続する」といった可能性はないでしょう。

もしも2020年に本人が話していた内容と変わっていなければ、遺書は「財産はすべて教団に寄付する」という感じだと思われます。

宏洋さんの相続について言及があるとしたら、宏洋さんにとって不利なことが書かれている可能性が高そうです。

  • 遺書がない → 宏洋さんは個人資産の10分の1を相続する権利

  • 遺書に「財産はすべて教団に寄付」と書かれている → 宏洋さんには個人資産の20分の1(法定相続分の半分)の権利

  • 遺書に廃除の意向が書かれている → 裁判所に認められたら、宏洋さんの相続はゼロになり、その分は宏洋さんのお子さんが代襲相続

廃除に関しては、宏洋さんはYouTubeの動画などで父親を侮辱しているので、もしも遺書に書かれていたらまず認められると思います。
(ただ、生前の著書によると、廃除しなくても相続させない方向で考えていたハズなので、廃除について書かれている可能性は高くなさそうに思っております)

※結局は本人次第で、開封されるまで内容は分かりません。

 

6/17 追記:
宏洋さんは6月16日の動画で、次のように仰っていました。

1:05~
「たとえば、全財産を教団に寄付するとか、そういうことが書いてあるんだったら、わざわざ裁判所に預けないと思うんですよ」
「わざわざ預けてたってことは、その教団の人たちに見られたくない何かがある。つまりは、多分ですけど、子供たちに何かを譲るとかだと思うんですよ」

とのことで、宏洋さんとしては遺書の内容に期待しているという様子でした。

 

2023/6/22 追記

遺書は2019年12月に書かれたもので、2020年に本人が話していた内容と変わらず、「財産はすべて教団に寄付する」という内容でした。

宏洋さんには、遺留分として法定相続分の半分(総裁の個人資産の20分の1)の権利があると思われます。
総裁個人の預金、金目のもの、幸福の科学出版の株式などの20分の1で、数千万~数億円くらいが宏洋さんに入るかも? みたいな感じです。

「年収5億以上で手元にあまりお金を持たない男」が手元にいくら持っていたのか、想像しがたいですが……。
株など含めて20億あったら宏洋さんに1億入るって感じなので、少なくとも数千万は権利がありそう?

「幸福の科学」の法務部としては、宏洋さんの取り分を減らすためにできる限りのことはすると思いますし、場合によっては民事訴訟になったりするかもで、実際どうなるかは私には分かりません。

まあ、遺書に関しては、宏洋さんのことより、長女の咲也加さんに関することがややこしい感じでした。

咲也加さんと教団の折り合いがつけば大丈夫なのですが、こじれたら「この遺言が『幸福の科学』崩壊の原因になった」ということになる可能性すらありそうです。

 

遺産の使い道のこと

宏洋さんは以前から、「自分が教団の後継者になったら、教団の資産2000億円は信者さんに返金する」と述べていました。

『FLASH』2023年3月21日号

ただし、宏洋さんが教団の後継者になる可能性はないので、これは特に意味のない発言でした。

しかし、2023年5月、こちらの動画では、

「隆法の遺書が発見されたということなんで」
「隆法が教団を全部僕にくれると言うんだったら、それはもらいます」
「教団もらえなくても、お金だけもらえるだけでも、もらいます。それで、もらったお金、いろんなものをカルト宗教をぶっ壊す活動に全部使いたいと思いますので。カルト宗教で隆法が稼いだ金を、カルト宗教をぶっ壊すのに使います!

と、教団の後継者にならなくても、相続した財産は「カルト宗教をぶっ壊す活動に全部使いたい」と述べていました。

そして、2023年6月、遺書の内容がわかってからの動画では……。

16:20~
そこまで大したお金になんなさそうだからね。うん、まあ、億あったらいいかな……ぐらいの感じですね。なので、それは普通に自分の活動資金に使おうと思います」

「億あったらいいかな」で「そこまで大したお金になんない」と言えちゃうのが、さすが金銭感覚が違うという感じですね。

この「自分の活動」というのが、「カルト宗教をぶっ壊す活動」のことなら、先ほどの発言と整合性があるのですが……。

「そこまで大したお金じゃなさそうなので、普通に自分の活動資金に使う」という言い方からすると、「カルト宗教をぶっ壊す活動」とかではなく、自分の映画制作の資金にする……という意味の発言かなと解釈しております。

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