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曇り空の詩

曇り空の奴とはどうにも関わりづらい。
よく一緒にいるって思われてるんだろうけど、特に話すこともないし、気だるげな顔が気に食わない。
多分それは、向こうも思ってるはずだ。

泣いてる奴は美しい、明るい奴は楽しい。
まあきっと、君を好きな人はどこかにいるよ
って跳ねられたという点では似たもの同士なんだろう。
だからこそ、鏡のような気持ち悪さがあって、村を出て町の外まで走っても、ずーっと白い空が続いている。
もしかするなら、晴れた日に嬉しくなるのではなく、逆なのかもしれない。

とりあえず、雲を吹き飛ばす風になりたくて、アクセルを踏む。
結局、昼に起きた僕が県外に出ることは恐らく叶いそうになくて、山の中の田舎を惰性で走るようになった。

つらくなって、それは気持ちの面でも、体力の面でも。ため息が多くなっていると分かったから、横に逸れて一眠りしてしまったら、もう夕方が始まろうとしていた。
悲しかったし、お腹も空いていた。
コンビニでおにぎりを買って出ると、相変わらず白い空から吹く風がこの後の事象を教えてくれた。
もうすぐ雨が降りそうだから、今日はもう帰らないでおこう。

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