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タイちゃん#4 HLA-DR negative

2009年にLoss of mismatched HLA in leukemia after stem-cell transplantationというタイトルの論文がNEJMに掲載されました。HLA-DRのdownregulationによる免疫逃避による移植後再発があることが示されました。

当院の移植後再発を確認しましても、確かに何人かHLA-DRの陰転化している症例を認めました。陰性化している場合は、予後が悪くなりそうだなと考えておりましたが、症例数の問題もあり実際に自施設で統計的に見ることはできておりませんでした。

そこでHLA-DR陰転化の予後への影響についてしらべ、一つ論文を見つけました。

7. MRD with HLA-DR-negative

Posttransplant MRD and T-cell chimerism status predict outcomes in patients who received allografts for AML/MDS. Blood Adv. 2023 Jul 25;7(14):3666-3676.

allo-HSCTを行ったAML/MDSで、HLA-DR陰性のMRDが陽性の方(n=10)は全員再発しており、MRD陽性の方の中でも特に予後不良であることが示されています。

HLA-DR陰性のMRDがあると、再発しやすく予後が悪いことが分かりました。

HLA-DR陰性で再発したAML/MDSに再移植をするメリットがどれくらあるのかなど気になりますが、現時点ではそこに応えられるだけの臨床データはなさそうです。

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