白血病感染抄 Vol.4
白血病感染抄 Vol.4
年末に臨床写真学会に初参戦しました。今回は写真を見てみましょう。
臨床血液のPicture in Clinical Hematologyからです。
それぞれのジャーナルに臨床写真のコーナーがあったりします。例えばNEJMではIMAGES IN CLINICAL MEDICINEで臨床写真が扱われています。
臨床写真学会で学んだことは、臨床写真の投稿は教育的な意義が大きいということでした。
投稿料がかからないジャーナルが多く、英語での文章量も少なく、気楽に投稿できるので、論文投稿の練習に使えます。論文を投稿したことのない研修医の教育として一緒に投稿を目指すのも良さそうです。
もちろん読者と疾患の見た目をシェアできることで、読者の勉強になります。
早速写真を見てみましょう。
https://doi.org/10.11406/rinketsu.64.1395
播種性Fusariosisの皮膚所見です。
Fusariumは造血幹細胞移植患者における侵襲性真菌感染症の原因微生物として4番目に多く(CID 2010; 50: 1091)、75%の患者で皮膚病変を認め、44%で血液培養が陽性となります(CID 2004; 38: 1237)。Aspergillusと違って、血培で陽性になる糸状菌です!
皮膚病変は、先ほどの写真のように丘疹で、中心部に壊死を伴うことが多く、四肢が好発部位です。
いくつか見ておくと、実際に出会ったときに鑑別にあげられるようになるかと思います。
NEJMでも2020年に取り上げられていますので、ご確認ください。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1911084
もっとFusariosisの皮膚写真を見ておきたい方は以下もどうぞ。
Bloodから。
CIDのこの論文も、fusariumの写真がまとまっていて、おすすめです。
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