私的ゲームランキングトップ100をレビューする 第46位「零 ~眞紅の蝶~」

「その中を見ちゃだめだ!」
そんなこと言うから見ちゃったんだよなあ……。

女の子たちが目の保養になりすぎて最早あんまり怖くないことでもお馴染み、テクモが世界に誇る純和風スタイリッシュ撮影アクションゲームの2作目のリメイクです。
ハードがPS2からWiiに移行したことでグラフィックやゲームシステムが結構変わっておりまして、ストーリー自体に大きな変更はないもののエンディングの追加やコスチュームの追加など、お楽しみ要素はマシマシです。
あとこれは余談なんですけどなんちゃらの杜みたいな設定資料集、アレ持ってるんですけど今プレミアム価格ついてえらいことになってますね。
濡鴉ノ巫女のやつも欲しいんだけど2万円くらいしてるの見つけて腰が抜けちまったぜ。それでは行きましょう(唐突)。

・怖い!
冒頭であんまり怖くないなどと言っていましたけど今作は怖えです。
個人的にシリーズで一番怖いのは月蝕の仮面かな~と思っているんですが、こっちも場面によっては相当なもの。
特にやべえのが中盤、幽霊に対する唯一の対抗手段たる射影機を落っことしてしまった状態でラスボスの黒澤紗重ちゃんに追い回される文字通り悪夢のような章があってそれがもうコワイコワイ。
舞台が日本屋敷ということもあって基本的にはせまっ苦しく、さらにこいつはシリーズおなじみの触れれば即死という大サービスなのでもうイヤー!!となりますね。
あとはシリーズの他作品と比べても明るさがえぐいくらい暗いイメージがあります。刺青の聲とか月蝕の仮面とかまあまあ明るいところありますけど、今作は建物内の行灯てきなアレがあるところ以外はマジで暗いのでね、明るさ調整MAXでも紛らわせないくらいくらい。

・かわいい
そんな怖さも吹き飛ばせるくらい今作の主人公コンビはかわいいですね。
天倉姉妹はお姉ちゃんが足が悪くその辺であれやこれやございまして、リメイク前だとちょっと幼い感じだったのがWii版だとまあまあなお姉さん姉妹になっているのが個人的にはこっちのほうが好きだなと言った具合。
お揃いな中にも細かい違いがある衣装もシリーズ伝統というか、コスチュームチェンジできるんだけど結局元々の衣装が一番いいよねっていうアレです。
エンディングによってはあんなことになったりこんなことになったりもするんですけど、どれも共通して美しい終わり方を迎えるのでまあね、何かに目覚めてしまうのも仕方ないですよね。

・マルチエンディング
ラスボスの倒し方だとかなんだとかで今作はリメイク前のそれよりもさらに多くの分岐があり、グッドエンドだったりバッドエンドだったりだとかのご用意があるわけです。
一番メジャーなところだと冒頭の「その中を見ちゃだめだ!」でうっかり虚?だかなんだかの中を見ちゃって妹が失明しちゃうあのエンド、あれはあれでだいぶ歪んではいますけど二人が幸せそうなのでアレはアレで良いですね、いわゆるメリバというやつですね。
追加されたやつだと普通のハッピーエンドのやつがあったり生首お化粧エンドがあったりこっちもこっちで結構パンチ強めというか、伊達に金かけてリメイクしてねえなというクオリティ。結局何が言いたいのかというとどのエンディングも素晴らしいというお話でした。

・クリア後の要素
零シリーズと言えば1周目クリア後のやりこみとお楽しみ要素です。
前作の月蝕はミッションモードや強化レンズ、装備機能などのやりこみ要素こそあったものの、一番大事な霊リストがバグによって完成しないという致命的な欠陥があったため、最強の装備機能「祭」が手に入らないという切なさがありました。
しかし今作はしっかり「祭」も手に入る上にちょっと頑張れば難易度ナイトメアをクリアする前の入手も可能、リメイク前から射影機のシステムが結構な変更をされているのもあってスタイリッシュ撮影アクションに磨きがかかります。
とくに「祭」と強化レンズ「月」を組み合わせるともはや戦闘では無敵状態、これまで辛い戦いを強いられてきた怨霊たちをぼっこぼこにできるのはとても楽しいですね。
ただし紗重ちゃんには変わらず即死させられるのでそれはそれということ。やっぱ対抗手段がないっていうのが一番怖いんだな。

・ちょっとだけ文句
序盤の建物で分かる人には分かる例えをすると時の神殿のBGMみたいな声のようなアレが聴こえるんですけどあれ鬱陶しいんですよね。
初回はまあホラー演出というか雰囲気づくりとしていい感じなんですけど何回も通ることになるもんで途中からうるさいだけになっちゃいます。
それと射影機の操作性が月蝕の仮面より劣化してるってのもアレですかね。
これは後の濡鴉ノ巫女でも思ったんですが、やっぱ戦闘は月蝕が一番面白いな~といった次第、まあホラーなので多少の不便さがあったほうが良いというのもわからんでもない。

・忘れちゃいけないつっこさん
リメイク前「紅い蝶」では「蝶」を、今作ではわざわざ「くれなゐ」という新曲をおろしていただけました我らがつっこ様。
思い出補正が強い人たちはやっぱ蝶の方が好きなんかな~という印象もありますが、個人的にはくれなゐの方がお気に入りですね、あかく~あ~かく~。
追いつきたかったし捕まえたかったし君と二人歩きたかったんだよなあ……。
歌のエモーショナル度合いで言えばシリーズでもぶっちぎりじゃないですかね、新作でも頼むよ~~、新作出るかわかんないけど~~~。

・おわりに

零シリーズの中で一番やりこんだ(月蝕はやりこみたくてもやりこめなかった)作品なのと、お話がずば抜けておもろいので多少の粗いところは無視できちゃいますね。
エンディングによっては首絞め百合みたいな目覚めをいざなう展開になったりもして、耽美主義的なアレが好きな人にはぶっささる内容なんじゃないでしょうか。
シリーズを拾ってくれたいわっちが亡くなってしまったので今後遊ぶ手段が限られてきそうなのが切ないお話、まこと惜しい人を亡くしました。

次回、45位はFly me to the moonが∞クライマックスなあのゲームです。
ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?