私的映画ランキングトップ100をレビューする 第98位「マイティ・ソー」

俺様神様とかいうふざけたキャッチコピー、嫌いではないです。

今となっては知らない人の方が珍しいまである、マーベルシネマティックユニバース、通称MCUの作品の、本ランキングでは1作目になりますね。
もうこればっかりは仕方ないことではあるんですけど、当然全作品ランキングに入ってます。だって面白いんだもん(アイアンマンシリーズだけ1~3までまとめて入れました、無理やり100本に絞るために仕方なく)。
※インクレディブルハルク入ってませんでした。まあそれはそれということ。

世間では2作目のダークワールドの方が評価低めだったりするんですけど、あれはエンドゲームのおかげでバフをもらったようなもんなのでずるいですね。

ということでびっくりするくらいざっくりとあらすじを説明すると、めちゃすごい神様のオーディンの息子、ソーはイキり散らかしてしまったがゆえにお父さんに怒られて地球に追放(ついでに神としての力も没収)されてしまい、そこからあれやこれやあってヒーローとして目覚めていく……というオリジンな映画になります。

確かMCUにおいてヒーローのオリジンを描くのはこれがアイアンマンに次いで3作目になるんですけど、ヒーローのオリジンってやっぱお約束があるんですよね。
主人公が何かしら失って、同じような強さのヴィランが出てきて、守るべきものができて、なんやかんや勝って、みたいな流れで、まあ今作もおおむねそれから外れることはありません。よく言えば王道、悪く言えばありきたり。

ちょっと違うところがあるとするなら主人公たるソーが最後のクライマックスまで「ちょっと頑丈」くらいに弱くされているというところでしょうかね。
ヴィランとして(ヴィランと言っていいのか怪しいけど)ロキとデストロイヤーなるものが登場しますが、こいつらはめちゃくちゃ強いんです、そもそもソーがもともと暮らしていたアスガルドってのは神話の世界で、そこで暮らしているやつらはおおむね普通の人間よりめちゃくちゃ強いです。

でもソーは冒頭で書いた通りイキリ散らかしてしまったせいで力を失っていて、車に轢かれても別になんともない程度まで弱体化(?)してます。おかげで車に轢かれるシーンがギャグみたいになってておもろいですね。

そんな彼が追放先の地球でヒロイン(めちゃかわいい)と運命的な出会いをして、地球人と交流して、彼らを守るべきヒーローとしての自覚を身に着けていくという流れになるわけです。

ところでなんで地球人を守るのかというと、まあこれは割と身内でのいざこざを勝手に持ち込んだ感じなので守るのも当然っちゃ当然なんですけどね。ソーの弟(義理)であるロキが腹いせにデストロイヤーというアスガルドの警備ロボ(ありえんくらいつよい)を地球に送りこんじゃうという展開です(ちなみにやたらと露骨にセブンイレブンが破壊されます、お金払ったのかなあ)。

ただこの時のソーは何度も書いてる通りデストロイヤーにワンパンされて死んじゃうレベルには弱体化されていて、到底かなう相手ではないんですね。
それでも愛するヒロイン(かわいい)を守るために体張っちゃうぞ!と決意したところでお父さんも許したのか、彼に雷神、「マイティ・ソー」としてのパワーが戻ります。ここはお約束とはいえとてもテンションが上がりますね。

そんで今回の黒幕だったロキとラストバトルをして、ロキはどっか落っこちて死んじゃった(死んじゃった)という終わりを迎えます。
なのでさっき書いたヒーロー映画のオリジンである、だいたい同じ強さのヴィランってのも一応居るんですね、ロキ。

シリーズの1作目ってのは往々にしてそうなりがちなイメージがあるんですけど、ド派手なアクションと言うよりは世界観やキャラクターの掘り下げが主になってる感があります。
特に本シリーズは1作目こそ地球が主な舞台になるものの、こいつらの住んでるところはアスガルドとかいう見知らぬ世界なわけで、何も知らない人がポーンと見て理解するにはそれ相応の説明が必要なのは仕方ないといえば仕方ないですね。

そこんところをうまく飽きないように保管してくれているのが今作のヒロインにしてMCUでも屈指のかわいさを誇るジェーン・フォスターですね(本当にかわいい)。
素性が天文学?を専攻している学生ということもあってすぐパニックになって叫び散らかすような旧世代の典型的ヒロインとは話が違い(お前のことを言っとるんやぞMJ)、アスガルドだミッドガルドだ魔法だなんだという話もすっと理解して(納得はしてないかもしれませんが)、一般人目線から見ている我々にMCUの世界が拡張する様をわかりやすく伝えてくれます。
2作目は巻き込まれ系ヒロイン感が増しちゃうんですがそれはそれということ。

ジェーンのマブダチで登場、最近ではワンダヴィジョンでもおなじみのダーシーもキャラ立ちが素晴らしく、こっちはこっちが変わり者オタク兼一般人枠で主にお笑い要因として立ち回ってくれます。こいつのおかげで特に深く理解しなくてもポカーンと見てて面白くなってるまでありますね。言い過ぎかもしれませんね。

文句をつけるとすれば、さすがに最近のMCU作品なんかと比べちゃうと物足りない感は否めないですね。デストロイヤーはヴィランとして正直微妙だし、このころのロキは今ほど愛されキャラでもなかったです。
アクションシーンやVFXを使った演出も、時代が進むにつれて発展していくものなのでそれはまあ今と比べるのは酷といえば酷ですが、インパクトに残るようなシーンはあまり無い気がします。
まあにしてもユニバース3作目にしてここまでしっかりした世界観とクオリティを出してくるんですから本当にすごいことしたんだなあとしみじみ感じますね。

・おわりに

言ってしまえばMCUの作品って全部面白いんですよね。自分は映画批評家ではないのであれこれ突っ込んで文句を言うつもりもないです。
ちょっと前までは「MCUでもこれとこれとこれは見なくてもいっかな~」くらいのことを考えることはありましたが、エンドゲームと言う反則級の作品が現れたせいで全作品に価値が生まれてしまいました。
今から参入するには少々ハードルが高いユニバースではありますが、間違いなく後悔しない、映画史に残るエモーションを体感するための一歩になることは間違いないです。なので見てない人は見ましょうということ。

次回、97位は有名すぎて踏み絵扱いされていた(らしい)あの映画です。
ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。

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