私的ゲームランキングトップ100をレビューする 第57位「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」

血が滾ってきたわ……!!!

クソ強いじじいがラスボスを務めることでもおなじみ、フロム・ソフトウェアが送る死にゲー3Dアクション第……何弾だかは知りませんがそれです。

今作はこれまでのソウルシリーズやBloodborneとはかなーり趣が違い、全体を通して徹底された和風なテイストが最大の特徴ですね。
キャラクリエイトやステータス振り分けによるビルド、武器の強化などの要素が削除された一方、アクションの幅がめちゃくちゃ広がっていたり他の作品に比べたら(比べたら(比べたら))だいぶストーリーがはっきりしていたりするのも特徴です、賛否あるところでもあったりする。

本当は順位1桁くらいでも文句ないんですけど諸処の事情で急遽ここに入りました(ソート作るときに入れ忘れちゃった;;)。
ということで内容的には絶賛な感じになりますのでそれはそれということ。さっそく思いつくままに書いていきましょう。

・圧倒的な「和」
情報が出始めたことは「お?天誅か?」とまで噂されていたようなイメージもあるくらいには純和風、それでいて進めていくとしっかり「お前、やっぱ我慢できなかったんだな~」という具合の展開をしていくのでおもしろいですね。
いつものフロムゲーだったら「YOU DIED」になるところも今回はしっかり「死」、いや「死」て、って思うんですけど気がついたら当たり前になってるんですよね~恐ろしいものです。
拠点がお寺だったりお城だとか仏教じみた谷だとかお宮だとか、もうこういう景観が好きな人間にはたまらないロケーションだらけになっとります。
ということでダークソウル2の記事のときも同じようなことをやりましたが、印象に残っているマップを色々と語っていきましょ。

・荒れ寺
主人公の隻狼が拠点とするマップですね。
荒れなんて言っているのでそこまで派手なお寺ではないのですが、ゲーム中の時間進行に伴って移り変わる竹林も合わせた景観はじっくり見てみるとなかなか風情があって良きです。
仏師殿の仏を彫る音も心地よくていいんですよね~、あとエマさんもね、言うまでもなく素敵なお方なのでね。

・水生村
葦名の底なんていうまあいわゆる腐れ谷病み村ポジション的なアレなんでしょうかね、名前の通り水がテーマのマップでございます(まあ他に思いっきり水なマップもあるんですけど)。
このマップは何が良いかって雰囲気ですよね~Bloodborneの漁村とかそのへんを彷彿とさせる、訪れてはいけないところまでたどり着いてしまったんだ……という不気味さがたまりません、ボス戦が楽しいのも魅力の一つ。

・葦名城
このあとの記事で出てくるんですけど「朧村正」っていうゲームのお城のマップとかこういう趣でしたね、バカでかい城を登っていく感じが近いです。
神社仏閣系がそこそこ好きなのもあってこういうマップは歩いているだけでも楽しく、しかも今作のお城はまあまあハリボテじゃなくてしっかりお城お城しているので中身も楽しめるという凝り具合、どんでん返しとかバッタバッタ倒れるふすまとかね、面白いですよね。
水手曲輪とかなんか桜あるとことか五重塔があるところか、随所に景観を意識したような作りが見られるのもいいところ、観光名所として現代まで残ってそうですよね、修羅ルート以外はね。
ラスボスとの決戦になる例のマップはどこかBloodborneとかMGS3を彷彿とさせる雰囲気、たまりませんね~~~。

・源の宮
今作で一番好きなマップです。
海洋恐怖症なのでバカでかい湖にバカでかい鯉がいるのだけはちょっと受け付けないんですけど(真っ先にイベント進めて消してます)、このマップはもうとにかくとにかく美しい、こんな神社が現実にあったら一生をここで過ごしたいな~と思ってしまえるほどには美しいですね、何なら全ゲーム中1番まである。
まあ暮らしていくにはあまりにも都合の悪い皆さんが跋扈しているのでアレな部分もありますけど、水上から水中、奥宮から桜竜へと向かっていく山道まで全てにおいて完璧、ショートカットを使えば攻略も楽勝なあたりも地味に高評価ポイントですね、年寄状態がだるすぎてね、仕方ないですね。
あとこのマップの敵とかボスとかね、やっぱね、フロムの連中はこういうの我慢できないんでしょうね、大好きです。

・愛すべきボスたち
今作はこれまでのソウルシリーズと比べてかなりアクションに自由が効き、隻狼の手にする刀以外にも技手忍具やアイテムなど、いろいろなものを駆使することでかなりバリエーションに富んだ戦闘を楽しむことができます。
そして対することになるボスの皆々様も個性豊かで戦っていて楽しいものがほとんど。クソボスというクソボスは居ないんじゃないですかね?赤鬼とか獅子猿もそんなに面倒じゃないし、ということでここからはお気に入りのボスたちについてちょこちょこね、行きましょう。

・まぼろしお蝶
そなたなど、まだまだ子犬よ……。
ということで今作のガスコイン先生枠でおなじみのお蝶様ですね。
序盤も序盤で戦える割にはクッッッソ強いのでトラウマ要素もありますが、今作はこういうゲームなんだぞというのをスパルタ全開で教えてくれる良い先生でもあります。
弾きに慣れてくるとテンポよくカン!カン!ってなるので楽しいんですよね~、ただし幻影を出してくるのは面倒なだけなのでNG。
さておきこいつとなんで戦うことになっちゃってるのかイマイチわかんないんですけどどういうことなんですかね?まあストーリーなんて気にしなくても面白いゲームなのでそれはそれということ。

・梟(義父)
隻狼のお師匠様たるお義父さんですね。
彼とはストーリー上でその気になれば2度戦うことができて、それぞれ同一人物ながら名前が異なるという粋な演出がございます。
どっちで戦うときも基本的なムーブは変わらないんですけど、義父モードのときのほうが素直な感じで戦っていてストレスがないのはこっちですかね、強いのもこっちなんですけどね、不思議だなあ。
どっちにしろ少々めんどくさいところもあるとはいえ弾きメインの戦いは楽しく脳汁ドバドバ系なので何度負けても飽きが来ないステキ仕様、あとあれですよね、ボスの名前が「義父」っていうの、シンプルでかっこいいですよね。モンハンで言う「絶影」とかそういう感じのね、伝われ。

・破戒僧
戦っていて楽しいボスランキングトップ常連でおなじみの破戒僧さん、ミブビレッジと源の宮の2箇所で戦うことができますね。
こいつは弾きと見切り(だっけ?踏むやつ)を存分に活用できることと、弾きのリズムが心地よくタフなのもあって長いこと戦っていられること、そして何よりBGMが激アツということでとにかく良ボスと名高いですね。
もう忍殺ゲージ3本と言わず10本くらいあってもいいのにねって具合。
ちなみに今でこそこんな戦って楽しいだとかBGMが~とか言ってますが体験会で戦ったときはとにかくボッコボコにされて途中から弾きだけ狙ってました。いや20分そこらじゃ倒せんよこんなん。

・葦名弦一郎
卑怯とは言うまいな……。
ご自慢の刀を踏みつけられながらの「踏みにじらせはせぬぞ!」でおなじみ弦ちゃん、さんざんネタにされがちな彼ですが初見のときに限っては立派な強ボスとして立ちはだかります。
チュートリアルの負けイベントと中盤のタイマン勝負ではしっかり強敵をやってくれるんですが、ストーリーが進んでプレイヤーの腕も上達していくと不思議と簡単に倒せるようになってしまうということで、成長が実感できるという点では素晴らしいレベルデザインをされているのではないでしょうか。
普通に戦ってて楽しいボスだし、慣れれば雑魚というのも気軽に戦えると捉えればポジティブなことしかないですね!

・怨嗟の鬼
いわゆる隠しボス的な立ち位置で、クリアするだけなら別に倒す必要もなかったりするんですが、ストーリー的にはかなーり重要な立ち位置にいるボスですね。
こいつは他のボスとは異なる部分として、剣戟中心の脳汁ドバドババトルではなく、赤鬼とかそっち系、今までのソウルシリーズ的な立ち回りも要求される上にバカ強いという異質なボスです。
なので人によっては苦手だとかクソボスだとか言われたりもしそうなもんですが、個人的にはこいつすっごいよくできとるな~~って感じで、たしかにSEKIRO的ではなくダクソ的な戦いにはなる一方、しっかりアクションの幅というかストレスのない戦闘になるのがいいところだと思いますね、まあ第三形態を飴使ってゴリ押せば楽というのを知っているかどうかみたいなところもありますがね。
彼にまつわるストーリーはなかなか味わい深く、最後の一撃は切ない感じなのでぜひね、倒してない人は挑んでみてほしいものですね。

・桜竜
今作ではかなり珍しいイベント戦のボスです。他作品で言うところの龍の神とか苗床とか、ろくなボスが居ねえな。
これまでの作品だと往々にしておもんない戦闘になりがちだったんですが、こいつはシチュエーションとアクション、それとBGMの効果によってイベント戦の面倒くささを上手いことごまかしているので十分に楽しいです、雷返し考えたやつ、天才かな??
まあなんといってもここはBGMがあまりにも雅でかっこいいのでずっと戦っていられますね。あとやっぱりお前らドラゴン出さずには居られなかったんだな~って安心しちゃう。

・柔剣 エマ
エマ殿~~~~好きだ~~~~~。
あの雰囲気なんでしょうね、いいですよね~色っぽくてね。
しかも戦ったらまあまあ強いってのがこれまたたまらないんですが、ルートがルートなので悲しい結末にしかならないっていうのが辛いところ、エキシビション的に戦えよな~~お前らな~~~。
ボス戦以外にもキャラクターとしてのお話をすると意外と(でもない)酒豪なところもいいですね、隻狼くんにはどうかエマ殿と幸せに末永く暮らしていてほしいものです。

・剣聖 葦名一心
かっこいいここに極まれりというボス。
まず戦う理由が(修羅ルートは置いといて)「哀れな孫の最後の願い」だからというかっこよさ、そしておじいなのにも関わらず信じられないくらい強いというかっこよさ、そしてその決戦の舞台もめちゃくちゃかっこいいということでとにかくもうかっこよくて仕方ないんですね、そして繰り返しにはなりますがめちゃくちゃ強い、おそらくフロムゲー界でも最強なんでないの?フリーデさんと同じくらいかな??
修羅ルートの一心さんもこれはこれで味があって好きですが、やっぱり普通にラスボスやってるときの一心さんのほうが圧倒的な強さを感じられてよいですね、とくに第二形態移行時の「フンッ、ハァーーーッ!! 血が滾ってきたわ…!ゆくぞ!セキロォーーーーッ!!!」のセリフがたまらなく好きです、ずっと聴いていたいですね。
戦闘中も激しい攻撃をさばいたり銃弾を弾き返したり突きを見切ったり雷を返したり、何をやって画になるアクションなのでこれまた何度負けても「もっかいじゃ!」とリベンジに挑めるのが素晴らしいです、なにげにリスポーン地点からボスまで目の前なのも親切ですね。
「やれぃ!!」

・ちょっとだけ文句
まあなんだかんだ行ってビルドの自由さがないな~とか、義手忍具の強化だるいな~とか、ボスの使いまわし多いよな~とか、思うところはあるんですけどね、そんなもんは圧倒的な面白さでなんのアレもないんで、TGAのGOTY獲るのも大納得って感じです。

・おわりに

フロムゲーの中でもかなりの意欲作で異色作でありながらもずば抜けたクオリティで、先述の通りTGAではGOTYまで受賞したということでゲーム史に名を残す作品と相成りました。
最近ではSteam版がウィンターセールだかで半額?になってるっぽいので、今から遊ぶのも十分アリですね、まあフロムゲーやったことない人は難しすぎて困っちゃうかもしれないですけどね。
※余談ですけど海外のメディアで難易度が高すぎるゲームランキング2位にランクインしたそうで、1位はバトルトードとかいうやつらしい。

次回、56位はリオーーーン!ヘーールプ!でウェエエルカァァアムなあのゲームです。
ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。

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