私的映画ランキングトップ100をレビューする 第14位「きっと、うまくいく」

うまーくいーく

とにかく踊らなければ気が済まないことでもおなじみ、ボリウッドことインド映画界から放たれた大傑作がこちらになります。
インドにおける大学教育の社会問題を中心に据えている…とだけ言えばまあまあヘビーな感じになるのかとも思いきや、全編にわたって笑いあり涙ありのドタバタ感動ヒューマンコメディーなのが最大の特徴と言えますね。
上映時間が3時間近くと長めな割にはテンポよく感情の起伏も激しく揺さぶられるので、是非とももっともっと知られて欲しいものです。
それでは思いつくままに行きましょう。

・愛すべき3バカの物語
原題は「3 idiots」ということでまさしく3バカ、大学生の同期3人男衆がどのような青春を送り、そしてどのような人生を歩んでいるのかというのがこの映画のざーーっくりとしたテーマになっています。
夢をあきらめきれないおバカ、怖がりなおバカ、世間離れしているがゆえにおバカ扱いされる天才という具合で、それぞれ自分の近くにも似たような人、居るんじゃない?と感じさせてくれる人物設定もまたお上手なところですね。
それぞれが主人公…というほどではないですが、名前は忘れちゃいましたけど貧しい怖がりな主人公がメインになるパートでは映像そのものが白黒になるなど、ちょっとしたメタくて笑える演出があったりうするのも遊び心があって良いというものです。
そんなおバカさんたちのおバカな物語の中に、先述したインドの社会問題なんかをしれーっと忍ばせ、夢を追い、やりたいことを貫き通そうとする人間をひたすら賛美する物語、自分の人生も、きっと、うまくいくと良いんだけどなあ……。

・踊る踊る
いや踊りすぎじゃない!?
これまでインド映画なんて「スラムドッグ$ミリオネア」くらいしか見たことがなかったのでもうびっくりしちゃいましたけど、これはミュージカル映画なのかな?ってくらいには踊りますねこれね。
ていうか「グレイテスト・ショーマン」とか「ラ・ラ・ランド」でもここまで踊ってなくない?
インド映画には求められている3つだか4つの要素があって、一つはええと…まあダンスかな、そんで二つ目は…ええと……まあこれもダンスでいいか、そんでもって三つ目…これもまあダンスやろ、そして最後にはダンスが大事ということで、やっぱこれらが全部そろってこそのインド映画って訳ですね!
確か公開時期的にスラムドッグの方とも近かったような気がして、確かインド本国ではそっちよりもこっちのほうが断然高評価だったんだぞ~みたいな話を見たような気もします、あれですね、韓国で言う「パラサイト」と「エクストリーム・ジョブ」のアレですね。

・めでたしめでたし
一応物語の途中で人が死んだりすることはするんですけど、おおむねハッピーな展開で進んでいくので悲しい話が苦手だ~って人でも安心です。
3バカのうち本当におバカな2人は大学のころからおっさんになった今でもズッ友、そして残りの1人は今どうしているんだろう?というところからお話が始まっているんですけども、途中色々怪しい話もありつつ最後にはしっかり「よかった~~~!」と終わってくれるのでね、ほんと助かりますね。

・おわりに
この映画、実際に見る前からありとあらゆるところで「お前におすすめの映画はこれやぞ」みたいな感じで出てきてて、「わかったわかったそのうち見るから、わかったから」って感じで結局見てない~っていうまあよくあるアレだったんですよね。
そんでもって自分より先に見た人たちまで「いやこれは絶対見た方がいい、おもろい」とか言ってるもんでようやっと重い腰を上げてみてみたらまあそれはそれは面白いという事で無時参りましたごめんなさいというオチ。
そんな話もございますので、映画が好きな人だったら大体もう見ちゃってそうなもんですけども、インド映画だからといってこう距離を置かずにスパっと3時間、楽しい思いをしてみてはどうでしょうかということです。

次回、13位はHit the Road Jackなあの映画です。
ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。

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