私的映画ランキングトップ100をレビューする:Extra「スラムドッグ$ミリオネア」

なんかこの記事書いたのが前過ぎて形が全然違うんだけど…まあええわ。
それでは以下に色々と書いてますので、行きましょ。

スラム出身でろくな教養もあるはずない主人公が、インドで大人気、日本でも大人気だった(のか?)テレビ番組「クイズ ミリオネア」をどんどん勝ち進んでいき……というお話なのですが、当然周囲から圧倒的に疑われ、なんと拷問までされてしまうありさま。野蛮な国やなあ。

しかし彼がここまで勝ち進んだのには理由がありまして……と、ここから種明かし兼本編、主人公くんの凄惨な過去が語られていきます。

さっきの描写が過激だなんだという話がここで、とにかく過去の悲しいお話が本当に悲しいんですよね。それだけリアルを描けていることなのかなあとも思いますが、これは精神状態の良いときでないとみられなくなっちゃう。

ミリオネアで出題される問題の数々は、主人公くんがこれまでの人生でたまたま目にしてきた、耳にしてきたことばかり。まさに”運命”に導かれて一発逆転を成し遂げようとする様はその過去エピソードも相まってどんどんどんどん気持ちが盛り上がっていきますね。

そんで最後ここもまた痺れるなあ!という展開があるのですが、散々疑われ拷問じみた目にあい、司会者から嘘の答えを教えられたりとそれはそれは大人の事情にボコボコにされながらも辿りついた最終問題、金額がいくらかは忘れましたが日本でやってたミリオネアなんかよりかなりの高額賞金だったと思います。

最終問題の中身は確か「三銃士」の登場人物に関する問題で、これも主人公くんの人生で確かに経験しているエピソードがあるんですがなんとちょうどこの答えの部分だけわからない!

万事休すというところであれなんていうんでしたっけ3つ使えるやつ、あれのテレフォンを使って電話を掛けた先は……と、まあここから先は己の目で確かめてという攻略本じみたこを書いて終わっときます。

何が言いたいかというと確かにこの主人公くんが大金を目前にした大勝負の舞台に立っているのは”運命”で、実際正解してめでたしめでたしになります。ただこれを単純に全部答えがわかっていたで終わらせてないのがね、いいんですわ。その方が運命感あるし。

あとインド映画と言えばこれも知ってる人は当たり前なんですけどとにかく踊ります。踊りなくしてインド映画はありえないらしいです。偏りに偏った情報ではありますが踊らないインド映画はインド映画じゃないらしいです。

しかしなんと今作、本編見てるといつまで経っても、いつまで経っても誰も踊らない。まだか!?まだなのか!?……踊らない。もしかしたらこれはインド映画じゃないのかもしれませんね。

そんな失望感を抱きながら主人公の運命に感動し、余韻に浸……と、まさかのここで踊り始めます。具体的にはクレジットシーンに入った途端これまでのうっぷんを爆発させるかのように踊り狂います。

映画自体まあまあなシリアス具合なので、こんな映画で踊りのシーンなんて入れてたらそりゃアカデミー賞取れませんわガハハくらいに思っていたので、ここにきて急に踊り始めるのが面白くて面白くて仕方ありませんでした。

かくしてインド映画として完成した本作、見る方法がある人はぜひ最後のスタッフクレジットのシーンまで楽しんでもらえればなと思います。

ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。


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