私的映画ランキングトップ100をレビューする 第6位「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」

MY GOD…ZILLA……。

いいから黙ってデストロイアとガイガンを出せでもおなじみ、モンスターバースなる映画ユニバースのええと…第3弾くらいの作品ですかね。
ハリウッド版「ゴジラ」としては2本目の作品で、ムートーなる新顔が出ていた前作とは打って変わって顔なじみのあれやこれやが登場するファン垂涎設定でもありました。
監督は怪獣を神話の世界の生き物だと勘違いしている異常者マイケル・ドハティで、ま~彼が描いた今作の怪獣たちはそれはそれは、神々しいという言葉が相応しいです。
ゴジラ観に関する日本とアメリカのあれやこれやがあったりもしたそうですが、ブンドドが楽しければそれでいいということで早速、思いつくままに行きましょう。

・神話だ……
今作はもう怪獣が出ているシーンはほぼすべて”神話”なんですわ。
作中ではタイタンと呼ばれているゴジラを筆頭とした怪獣たちなんですけれども、今作の撮影監督であるローレンス・シャーさんの技量もあってか、彼ら彼女らはとにかく画面の中に目いっぱい荘厳な姿で映し出されておりまして。
これがもうスクショし放題とかだったら手が止まらなくなってしまうなというお話でもありましたね。
特にお気に入りなシーンはそうだな~たくさんあって困っちゃうな~~~まずは南極でのゴジラとキングギドラが画面両サイドに対峙して引きの画のカットのとこでしょ~~そんでモスラが滝の中から孵化して翼を広げるところでしょ~~それから火山からラドンが出てくるところと空中大回転と翼をたたんで急上昇するところと戦闘機の背後からグイーンって接近してくるところと暗雲の中からキングギドラが翼を広げてバーン!なところとキングギドラが山のてっぺんに立って咆哮するのと十字架が映っているカットのところとキングギドラが発電所食べて翼からビリビリなところと最終決戦で上空からラドンが急降下してくるところと、ええと、ええと……。
とまあ、本当にキリがないんで…このへんで……。

・人間共のお話
さきにこっちやっちゃいましょうかね。
怪獣映画とはもう切っても切り離せないこの人間ドラマ要不要問題。
日本の怪獣好きと同様に、おそらく向こうの監督さんたちも「そんなもん要らんやろ」の精神が根底にあることは間違いなさそうなんですけどもね、やはり大人の事情というものあるらしく今作もまあそれなりに人間パートが用意されてございます。
特に主人公とまでは言わないにしろなかなかなキーパーソンであるお子様マディソンちゃんは結構なフィーチャーされっぷりで、中の人も結構頑張ってくれてはいるんですけどね~~。
個人的なお話をするとやっぱり主役は怪獣なわけでね、別に要るか要らないかで言うなら要らないんですよね人間共のすったもんだなんていうのはね。
子どもキャラというのは往々にして悲鳴がキーキーうるさくてお前サム・ライミか??となってしまうし、終盤ボストンだかどこだかで暴れまわるキングギドラを前に絶叫→ゴジラがやってきてニヤリとかね、要らんのよそんなもん。

・モスラ
我らがヒロインにしてクイーン・オブ・モンスターズことモスラ様。
今作最初に登場する(幼虫)タイタンこと怪獣というのもあって印象強めですね。
何気に他の怪獣と違って作中で一人として人間を殺していないというところなどなど、もともと人類サイドに立ちがちなモスラの設定が生きていたりもしてリスペクトしてくれてるのかな~などと考えてしまいます。
幼虫登場から物語中盤まではもっぱら繭の中にいるのでそこまで活躍する事こそありませんが、孵化してからはゴジラ一筋のなんともピュアピュアなヒロインぶりを発揮。最終決戦でも虫タイプ的に考えてあまりにも相性不利なラドンを相手に辛勝するという大戦果を挙げていました。
さらにさらに最後の最後はあれ?それGMKで見たぞ?なエネルギー付与でゴジラを覚醒されるというおまけつき。ここのゴジラのなんていうんでしょうねあれはアサルトアーマー?ですかね、あれエフェクトはモスラの羽だし音は鳴き声だし、いや~ゴジモスてえてえな~~~!!

・ラドン
ゴマすりクソバードなどと呼ばれているとかいないとか。
よく言えば世渡り上手なお方な空の大怪獣さんということなんですけれども。
メキシコ辺りにあるのかわかりませんがイスラ・デ・マーラなるところで火山から盛大に登場して、もうすでにここでも原作リスペクトというかね、火山なんですよねラドンと言えばね!
そこからはしばらくラドン様の独擅場、ただ飛んでいるだけなのに町一体を壊滅状態に追い込み、そこからはこれまたお約束の戦闘機とのエアバトルが展開されまして、いや~~~わかってるね~~~これが見たかったんだよね~~~!!!
翼でミサイルを防ぐだとか、大回転して戦闘機を薙ぎ払うだとか、高度を一気に変えて奇襲攻撃を仕掛けてくるとか、もうね、現代映画にラドンが出るならこういう動きしてくれるのかな~ってのをぜ~~~んぶやってくれるの、たまんねぇな~~~!
その後しっかりキングギドラさんに格付けされてしまうのもね、味があってよろしいというもの、最終決戦では子分としてモスラとこれまた壮絶な空中戦を繰り広げ無事敗北。
最後の最後はしっかりゴジラ様に頭下げてね、お上手なお方です。

・キングギドラ
はいやってきました最推し!!
ゴジラの後で書こうと思ったんですけどね、いくら推しとは言っても主役を食うのは身の程をわきまえよって感じですのでそういうことです。
まず登場時に「モンスター・ゼロ」というこれまた原作ファン悶絶のファンサービスから始まり、南極で目覚めてからというもの終始「キング」ギドラとしてそれはそれは大暴れ。
今作では3つの首それぞれに個性があったりもして、これまでの日本の特撮では表現できなかったような部分をハリウッドのビッグバジェットでやってのけるという、嬉しやな悲しやなな趣でもありますが、まあ見ていて楽しいのでオールオッケーでしょう。
VSラドンの暗雲から登場するシーンとか、その後のオキシジェン・デストロイヤー(!?)被弾後の登場シーンとか、諸所にどこか悪魔的なイメージを持たせるように描かれている気もして、その後もね、十字架だったり翼を広げてバシャーン!だったりととにかくこいつは見た目とか色合いとかも相まってま~~~神々しい。
ティガレックス式ダッシュとかファイナルウォーズで見たような噛みつき→エネルギー吸収とか、ちょっとしか小技も披露しつつ、作中通して見事にヴィラン役として君臨していたのでもう大満足……したいんだけどなあ……。
やっぱキングギドラという怪獣は切ないもので、こいつ終身名誉負け役なんですよね、物語の都合上絶対最後に勝っていることがない。
何しろ人類の味方という設定で登場したGMKですら負けるんだからもうどうしようもないのでね、運命を受け入れろって話なんですけども…まあ今作のキングギドラは間違いなく歴代最強なのでそれだけで十分幸せでした……。

・ゴジラ
と、いうことで今作の主役にして正真正銘のキングオブモンスターズ様になりますね。
登場シーンとか戦闘シーンとかで結構「海」の怪獣というのが強調されているのかなといった雰囲気もあって、この辺もGMKとか見ているファンとしては嬉しいというかね、有難いところでございます。
特にソナーの音なんですかねあれ、フォーーーンって感じのあの音とともにレーダーやらなにやらにシルエットが登場するあの演出、ちょっとホラーっぽさもある一方でめちゃくちゃかっこよくて好きなんですよねアレね。
物語中盤~終盤ではまさかの50年以上ぶりにオキシジェン・デストロイヤーを食らってしまい瀕死の重傷を負うわけですが、これまたファンサの塊こと芹沢博士によるダイナミック寝起きドッキリによって覚醒。
ここのシーンはなんというかめちゃくちゃハリウッド的やな~~とも思う一方、やっぱりね、日本語で「さらば、友よ」とか言われちゃ~もう感動せずにはいられないな!日本人ってちょれぇ~~~!
しかしこいつは登場シーンから何から、まあ本人がゴジラなのでそんなこと言ってもしゃーないんですけどBGMとかも相まってこう、「ゴジラだぞ!!!」っていう威圧感がえぐいですね。空に向かって放射熱戦をぶちかますシーンとか米軍の軍艦とか戦闘機を背後に最終決戦に臨むシーンとか、もうちょっと笑っちゃうくらいには画になりすぎるもんでね、細かい事は置いといてとにかくかっこいいのでこれ以上は何も言うまい!ってところです。
それと…もうこれキリがないので最後にしますけど、モスラからエネルギーをもらった後のアレってやっぱりバーニングゴジラのリスペクトですよね?モスラ波動もかっこよかったけどやっぱりあのモードでの放射熱戦も見たかったな~なんて贅沢、もっともっとやれるぞドハティ!!

・おわりに
この次に公開された「ゴジラVSコング」もそれはそれは壮大な怪獣ブンドド映画だったわけで、いや~モンスターバースはいい監督さんたちに恵まれたもんだな~っていうのが嬉しいところでもあります。
今回の記事でちょこっと触れた以外にももうびっくりするくらい数多くの原作リスペクトも感じられたり、なんなら「それガメラじゃない??」っていうような、日本の怪獣特撮映画に対するリスペクトまであるんじゃないかってレベルでね、いや~相当ゴジラが好きな人に撮ってもらえたんだなっていうのもこれまた日本人的な感想ですけどありがたいし幸せなことですね。
今ならAmazonPrimeとかどこそこで配信されて見やすい環境ではありますが、やっぱりこういう規模のでっかい映画はね、でっかいスクリーンでみてなんぼな訳で……。
ということで今思い出したんですけどこの映画を初めて見た時の話なんですがね?初めてですよ?一回キリの人生で初めてこのとんでもない映画を見た時の話です。
色々な都合で一人で見に行ったんですけども、その時の隣に座っていた人がどうもこう…いわゆるハズレを引いたっぽくて、ず~~~っと声出してへらへら笑ってるんですよね、ほら先述のゴジラとキングギドラが南極でバーンのシーンとかね、へらへら笑ってるんですよ。
も~~~~~~腹が立って腹が立ってしかたなくて、大切な初めてを汚されてしまったのを今でも鮮明に思い出せてしまうのが悲しい話だ……。
上映が終わってすぐ2回目のチケットを取って見直したりもしまして、そういえばこないだ「マルチバースオブマッドネス」を見た時も一緒に見に行ったお友達の隣にハズレな人いたな……。

次回、5位は居ない物をあてにするな!!なあの映画です、日米ゴジラコンボだぜ。
ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。


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