私的映画ランキングトップ100をレビューする 第88位「ダークナイト ライジング」

きっとジョーカーも出るはずだったんだろうなあ……。

今やトレーラーの映像を一目見ると「あっ、ノーランだ」とわかってしまうほどの有名監督になりました、クリストファー・ノーランさんが手掛ける「ダークナイト・トリロジー」の3作目、一応の完結作品になります。
クリスチャン・ベイル(ベール?)が演じるバットマンも最早見慣れたもの、今作はそんなバットマンがどん底から這い上がりそして……というお話になります。
先に言っておくと本ランキングではアイアンマン1~3をまとめて取り扱うというずるっこを働いていて、ここでもダークナイト・トリロジーという形でまとめてやったろうかな!と考えもしたのですが、「ダークナイト」があまりにも素晴らしすぎる映画なので個別に書きたいという思いが強くこういう形になりました。それはそれということ。

・ベイン、好きですという話
やっぱ前作のジョーカーが圧倒的すぎたというのはどうしてもどうしてもなんでしょうね、いやわかるんですけどね。今作のヴィランになるベインも十分悪のカリスマとして輝いていると思います。まあ見た目がハゲたトム・ハーディなのがダメなのかもわからん。トム・ハーディの悪口じゃないんですけどね、今となっては完全にヴェノムのイメージになっちゃった。
パワーだけじゃなくて頭もキレる系ヴィランは往々にしてかっこいいもの、今作のベインは何なら1作目のスケアクロウの小物っぷりが際立つ強さ、やらかしている悪事の規模も壮大なので頑張っているとは思うんですけど……やっぱりジョーカーが見たかったよな…………。

・ノーランイズムすごいっすね
冒頭にベイン御一行が飛行機を襲うシークエンスがあるんですけど、あれ本物の飛行機を落っことして撮影しているそうで。いやはやびっくりですね。
もともとノーランっちゅうのは本物つかいたがりおじさんらしく、最新作の「TENET」でも飛行機ぶっ壊してましたね、飛行機壊すのが好きなだけなんじゃないの???

・お話もおもろいぞ
バットマンはジョーカーとの戦いで傷心気味、そんな中でベインとかいう悪いやつが出てきたもんでさあ大変というところから始まります。
そんでベインさんは先述の通りめちゃくちゃパワー系で、もう引退じゃ~とか言ってたバットマンは文字通りバキバキにされてしまうんですよね(どうやら原作リスペクトらしい)。ほんで”奈落”なる監獄のようなところに落っことされ、これまた文字通りここから”ライジング”するのが序盤~中盤位の大筋になります。
かつてこの奈落から抜け出したのはベインだけだ~実は抜け出したのはベインが守ってた女の子だったんだ~とかいうどんでん返しがあったりしつつ、奈落に落とされたブルースウェインがバットマンとして復活、夜の街をバットマンのバイクのアレ(バットボッド?)で駆けるシーンは例のBGMも相まって最高にかっこいいですね(デン!デデデデデン!デデデデデン!デデデデ デン!デン!デン!)。
最後の最後、ケリのつけ方もバットマンらしいっちゃらしいというか、ダークナイトとはかくあるべきと言う終わり方かつ希望を残すエンディング、あの続きのお話も見てみたいものです(ジョセフ・ゴードン=レヴィットが個人的に好きなのも大いにある)。

・キャストのみなさん、キャラクターのみなさん
キャットウーマン出てましたね、アン・ハサウェイ、とてもかわいい。
インターステラーにも出ていたりしてノーランお気に入りシリーズかな?とも思わせてくれます。他だとマイ・インターンとかオーシャンズ8のもよいですね、ちなみに3作とも本ランキングに出てきます。
少々有能すぎるがあまりにバットマンのお株を食っている感はありますがまあかわいいしかっこいいし有能なのでそれはそれということ。
ノーランお気に入りシリーズで言えばキリアン・マーフィとかマイケル・ケインなんかも露骨オブ露骨ですね、それぞれスケアクロウとアルフレッド役で出ています。こういう監督お気に入りシリーズの俳優さんを見つけて楽しい思いをできるというのは何というかそれなりに映画を見ていてよかったなと思えることですね。まあ気づかないことの方が多いんですけどね。
先述のジョセフ・ゴードン=レヴィット演じるブレイクさん、なーんかやたらと物語に絡んでくるな~と、なんやお気に入り贔屓か??と思ってみていると、最後の最後で「お前ロビンやったんかい!!」とシリーズファンをいい意味で驚かせてくれるサプライズを用意していくれていましたね。さっきも書きましたけどこいつが継いだバットマン、ぜひ見てみたいなと思う次第です。
あとゲイリーオールドマン演じるゴードン警部、かわいいですよね。もう絶対こいつ以外はみーーーーんなバットマンの正体に気づいているか察しているかしてるのに、最後の最後まで「バットマンってだれなんだろう???」とピュアピュアなのがかわいい。お前が一番長く関わっとるだろうに。

・音楽のあれやこれや
これまたノーランお気に入りシリーズなんですがハンス・ジマーさんが今作の音楽を作っています、あのダークナイトのテーマ、かっこいいですね。アベンジャーズやらのそれとは違ってあまりテレビとかで流れるタイプじゃないので馴染みは薄いかもしれませんが、ザ・ダークヒーローといった趣のあるイカしたBGMだと思います。

・終わりに

あまりにも名作すぎた前作の陰に隠れてしまい、あまり高い評価をもらえないイメージがある映画ですが、確かに確かにそうなんだけどねと思うところはありながらも十二分にバットマンを楽しめるようにできていると思います。
前2作からつながりのある要素をしっかりと回収して、おそらくあれやこれやあったであろうお話もなんとか気持ちの良い終わらせ方ができているので、まあ一回ジョーカーから離れてみてみるのもどないや、という具合ですね。
でもやっぱね、ジョーカーが見たいのよね、みんなね。しょうがない。

次回、87位は本ランキング最古??の白黒映画です。冤罪は怖いなあ。
ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。

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