私的映画ランキングトップ100をレビューする :Extra「ブラック・パンサー:ワカンダ・フォーエバー」

チョッチョッチョッチョッチョーウ チョッチョッ チョッチョッチョッチョッチョーウ

終わらせる気が無いんじゃないのかでもすっかりおなじみ、我らがMCUことマーベルシネマティックユニバース。そのフェーズ4最終作品となりました今作、というかもうフェーズ4も終わりなんですね~長いやら短いやら。
今作は「インフィニティ・ウォー」直前に公開された前作「ブラック・パンサー」のついに2作目、ということで色々と期待もされていたであろう映画だったりもするのですが、まあその…いろいろと悲しい出来事がございましてね……。
主演不在というあまりにも過酷な状況から、ワカンダが、そしてMCUがどのように前に進むのかといった趣も大いに感じられるお話。これまでのヒーロー映画とは違ってとても生々しく泥臭く、そして壮大かつミクロな映画に仕上がっているという何やらとんでもない作品が誕生している感もございますが、まあいつものように思いつくままにやっていきましょう。

・泣いちゃうて;;
偉大なる先代ブラック・パンサーことティ・チャラ、そしてその中の人でもあったチャドウィック・ボーズマンの死と作品世界がリンクしているような始まり方をするこの映画。とんでもなく大きな喪失から始まるもんでまあ恐らくMCU史上最もヘビーな展開であることは間違いないんですがね、やっぱりこう、来るものがあると言いますか、悲しいなぁってなっちゃうのもしょうがないというお話でした。
「キャプテン・マーベル」の時のあのアレを彷彿とさせるいつものあのアレもね、しかも今回はまさかの無音ということもありまして、映画館の雰囲気もなんというか異質でしたね、まるで本当にお葬式に参列しているかのような趣でしたわ。

・タロカンの皆様
アトランティスなどという地名を使ってしまうと某モモア様のアレと盛大にかぶってしまうということで今回はこういう名前になりました愉快な海の皆様ですけども、いい感じのキャラ付けもできていましたね~。
音波による催眠攻撃とか、デフォルトでスパイダーマンよろしくめっちゃ壁上ってくるやんとか、いやお前らサノスショックの時は何してたん?とか、今後のMCUにおいてもついて回りそうなあれこれもありつつ、新しい勢力のイントロとしては申し分ない描写なんじゃないでしょうか。
言ってしまえば「アクアマン」といかに差別化するかみたいなところではあったと思うんですけどね、まあ上手い事やってると思いますが…その……海洋恐怖症的にはちょっと怖すぎまして……クジラに乗っかって兵士が出てくるとかね、かっこいいんですけどね、それより先にこわっってなっちゃいますわな。

・ネイモア!
アクアマンの続編も近づくこのご時世!キャプテン・マーベルの時もワンダーウーマンとどう差別化するんや?と期待と不安があったMCUの描写なんですがしかし!今回のそれも中々いい感じでしたね~。
トレーラー映像の時点では足首の羽とか見て「フフッw」っとなっていたものですが、実際に映画が始まってみるとなんというか率直な感想とすると「いや、強すぎじゃない??」ってなもんで、ますますサノス事変の時に何をしていたのか気になってしまうというのはまたそれはそれということ。
ただの一作品のヴィランとして描かれるのではなく、ブラック・パンサーの対比として、一つの国を治める一人のヒーローとして描かれている男でございましたが、なんというかこう、まあ後述するシュリちゃんもそうなんですがね、今作の皆様はとても人間臭さがあっていいですね、やっぱ聖ティ・チャラさんがあまりにも聖なもんでね、普通の人間はこんなもんでっしゃろ。
あとこれは余談なんですけどタロカンの皆様なシーンで流れがちだった(と思う)あのチョッチョッチョッチョッなBGM、めっちゃすき。
あとこれも余談なんですけどエンドロールの2曲目、あれはああいうあれなんでしょうけど日本人としては正直下手くそなリコーダーにしか聞こえなくてこれまたフフッwとなってしまいましたね、まあそれはそれということ。

・想いは受け継がれるというお話
今作の日本語版キャッチコピーにもなっとりまして、というか今作は「ブラック・パンサーを継ぐ」お話と「ワカンダVSタロカンVS怪しい方々」みたいな2つの軸がある映画でもありまして。
んでもって国家間のあれやこれやはまあ結構ドロドロした感じでやれ復讐だやれ責任だとどったんばったんしている一方、ワカンダ的には「いやいや、そんなことしてる場合と違いますねん」とでも言いたくなるのも納得と言わんばかりの緊急事態。
実際のところポスターとかだとセンターにババーンとシュリちゃんが映っているのでなんとなーく察しが付いたりするんですが、なんだかんだナキアか?とかエムバクか??とかもしかしてウカbいやそれは無いかとか色々勘ぐる事もできたりできなかったり。
んでね、このブラック・パンサーというあまりにも大きな役割を、一本の映画の中でどのようにして受け継ぐのかっていうのが大事なところなんですわい。

・シュリちゃんのお話
結論から言ってしまえばブラック・パンサーを継ぐのはお察しの通りシュリちゃんな訳なんですけども、このへんが見た人からしてみれば色々言いたいことがある人も居たりいなかったりするようです。
というのもまず父上と兄上を失ってご乱心ということと、かてて加えて劇中で母上までネイモアに奪われるという事でもうアレですね、シビルウォーの時の復讐の魁モード入ってたティ・チャラさんよりずいぶんと凄惨な状況に置かれてまして。
そんなもんであの復讐鬼モードからブラック・パンサーになる流れがどうも腑に落ちない~みたいな感想をどこかしこで見たり聞いたりしたもんなんですけどね…お前普通に考えてあんな目に遭ったら普通はそうなるだろ???
お兄ちゃんが死んだ隙に攻め込もうとかしてくるどこの馬の骨かもわからんやつに目の前で母親殺されてご乱心しないやつがあるか????
そもそも先代のティ・チャラだって一時的ではあれど魁モードだったことは確かだし、アレがアレでシビルウォーの中で急にスンッと「復讐は何も生まない…私はここで終わらせるんだ……」とか悟り始めるのがヤバいだけで普通は這いずって命乞いをするのを見届けてから殺してやる!ってなりますでしょう???
まあネイモアを不意打ちで焼き魚にしながらワカンダ・フォーエバーとか、生焼けネイモアと一緒に飛んできてワカンダ・フォーエバーは流石にちょっとどうなん?って思ったりもしましたが、母上ラモンダ様の「自分が何者か示しなさい」というね、前作からの決め台詞でどうにかこうにか、一応継承ということで良いんじゃないでしょうかね??
何ならその後エムバクとのあれこれもあって、一応自分が王位にふさわしくなさそうなのは自覚してそうでしたね、いやはや。

・その他あれこれ
ドラマに先駆けて登場したアイアンハートことリリ・ウィリアムズもこれまた良かったな~!とか、ていうかAIの新キャラことグリオ?とか高高度すぎるとあれやこれやの流れとか、細部にあの「アイアンマン」を意識しているようなシーンがあってこれまた胸が熱くなってしまうな~とか、エムバクめっちゃ良かったな~!とか、ネイモアの侵入に気づいたエムバクが真っ先に川に飛び込む辺り「いやお前正気か??死ぬど???」となって結構焦ったな~とか、エムバクがネイモアにワンパンされた時は「え?死ぬど???」となったな~とか、てかエムバクめっちゃ良かったな~!とか、リリ・オコエ・シュリのトリオ漫才パートめっちゃ面白かったな~とか、音楽のパワーすげ~~!ってなったな~とか、2時間40分そこらの尺を感じさせない濃厚で充実したお時間を過ごさせていただきました、すげえ映画だぞこれは。

・終わりに
今思い出したんですけど序盤の葬式のシーン、周りはめっちゃこう、ワカンダ伝統の踊りで送り出す感じで盛り上げてくれている一方、ご家族の皆様は思いっきり表情死んでるところとかリアリティエグすぎてめちゃくちゃしんどかったですね~というのもありました。
ていうか一本の映画の中で2回も葬式するってこれマジ?と思ったりもしますが、まあ今作に関してはヒーロー映画というよりは、一人のヒーローを弔うお別れの儀式みたいなもんだなと思います。
自分は黒人というわけでもないしゴリゴリな日本人なのでなんともわかりかねるところではありますが、ブラック・パンサー並びにチャドウィック・ボーズマンさんが黒人社会というかそこらへんに与えた物の大きさってのはそれはもう凄まじいものなんだろうという事ですし、それだけ喪失の大きさもありますわってところでね、シュリちゃんと一緒にみんなで喪に服して、そして前に進みましょうという愛にあふれた一本でございました。
(上手くまとまったな!)

という事で次回は未定ですが多分最近話題のぶっ飛んだインド映画をやるんじゃないかと思います。そしてその次はロック様だ!
ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。

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