私的映画ランキングトップ100をレビューする:Extra「ザ・バットマン」

ブルゥゥゥス ウェェェエエエイン

ユニバースがとっ散らかりまくっていることでもおなじみ、DCEUとは分離しているんだかいないんだかイマイチはっきりしない単発作品シリーズ第2弾の作品となっている今作。
主演に「ハリーポッター」シリーズや「TENET」などでもおなじみなロバート・パティンソンを据え、「JOKER」のようなディープでダークなバットマンを目指して作成されました。
上映時間が3時間超えたとか超えてないとかでとんでもない濃密バットマンな仕上がり、そしていつのまにかめちゃくちゃハードルが高くなってしまったヴィラン担当はリドラーくんということで、これまたどうなるのやらという感じですね。
そんなこんなで思いつくまま、お話していきましょう。

・こ、こえ~~~
今作のバットマンは恐らくこれまでのどのバットマンよりも”怖い”というのは誰もが感じるところじゃないですかね?
物語の始まりも始まりから、ゴッサムシティのチンピラたちがいかにバットマンという存在を恐れているのかというのがこれでもかというほど伝わってくる演出がされていました。
特にバットシグナル、あれ考えた人天才だと思うんですけどめちゃくちゃかっこいいですよね~。
「ダークナイト」とかでも見られた、バットシグナルが出された夜にはチンピラ共も活動をやめてしまうというアレ、恐怖を武器にするあれやこれやではありながらもね、かっこいいのでオールオッケーというものです。
その他でもリドラー初登場の演出とか、バットモービルのシークエンスとか、これも結構このランキング企画で言ってますけど、緊張感を持続させることで上映時間の長さを感じさせない作り、好きですねえ。

・ブルゥゥゥスウェェェエエエイン
世界観が共有されているとかいうわけではないですけど、作風自体はめちゃくちゃ「JOKER」のそれを継承しているような趣。
冒頭でブルースウェインが日記を書いている所なんてモロですし、中盤の病院でアルフレッドと対面しているところとかもモロ匂わせですね。
まあジョーカーはもともと狂人であることと同時に、バットマンも相応に狂人であるというのはシリーズのお約束。今作ではそのバットマンの狂気な一面にもかなり焦点が当てられているような印象があります。覗きしてるところとか露骨にね
あと作中しばしば名探偵的な扱いをされていたり、さも東大王のようにリドラーのなぞなぞに即答していたりと、やたら頭のキレるキャラクターっぽい演出もされていましたが、せっかくだったらもっとごりっごりにそういう探偵物っぽい感じでも良かったんじゃない?って思いましたね。
実際に映画を見ている人たちも謎解きに参加できちゃうみたいなノリで、どうなんでしょうね字幕だとなぞなぞもよくわかんなかったですけど英語圏の人は一緒に楽しめたりしたのかしら。
あと急に思い出しましたけど数こそ少ないとはいえアクションシーンもめちゃくちゃにかっこよかったですね、BvSのそれもなかなかでしたが今作のもまた良い。とくにクライマックス辺りの完全な暗闇でマズルフラッシュの中での大立ち回り、それとあれはええと…洪水から逃れるための建物的なアレですわ…あそこに上からガシャーン!って入ってくるとこね、ガラスの破片で下の人たちは大変でしょうけど細かいことは気にしないことにしましょう。

・キャットウーマン
「ダークナイトライジング」のそれや「ニンジャバットマン」のそれとは違い、随分とバットマンに肩入れしている感のあるキャットウーマンでございました。
まあそもそもの世界観がかなりダークでディープなもんで、猫耳お姉さんなんて出そうもんならかなり難しい事をやらないといけないというのもね、致し方ないところです。
彼女に関してはあんまり思うこともあるわけではないんですけど、ラストシーンでお別れだよ~見たいなこと言いながら途中までバイクで一緒に走ってるの、あれちょっと笑っちゃいそうになっちゃいましたね。

・ペンギン
良いキャラしてましたね~!
これまでのペンギンのイメージがどうしても小物っぽいというか、いや実際小物なのかもしれないんですけどね、先述のキャットウーマン同様下手にちゃけられないということで今作では真面目にマフィアのボスをやっていてなんというか安心しました。
申し訳程度のペンギン要素として中盤~終盤くらいにつかまったあとよちよち歩きしてたの可愛かったですね、というかこの映画あまりにも暗すぎてあそこくらいしか笑いどころもなかった気がするぞ。

・アルフレッド
ごめんな~裏切ると思っててごめんな~~~!!
だって顔が悪人じゃないですか…ユリシーズ・クロウの顔をしているじゃないですか……。
しかも謎解きが好きだとかいうミスリードじみたこともあるし、何ならリドラーの笑い声もなんとなくアンディ・サーキスっぽいじゃないですか~~~。
プラスチック爆弾届られてこいつだけ死なないのもアリバイ作りみたいで怪しいな~とか思ってて本当にごめんなさいと言った具合です。やっぱアルフレッドは最後までついて行ってくれないとダメってことですわな。

・リドラー
満を持しての登場という事でね、良かったですね~!
これまでのバットマン映画ってのは定期的にとんでもない演技をしやがるヴィランが現れるという事で、もうどんどんハードルが上がっていってしまうわけですけれどもね、リドラー、良かったんでないの??
ティムバートン版ではジム・キャリーが演じていてこれはこれでアメコミチックな感じがいい雰囲気出していましたが、今作で描かれた現代ならではのリドラー像というのもまた趣があります。
なぞなぞを仕掛けてくる劇場型殺人鬼という設定だけでもすでに面白いし、その立ち回りもtwitchじみた配信サービスなんかで仲間集めしたりだとか本人はあんまり殺しに慣れてなさそうだなってところとか、底知れない気持ち悪さがね、たまらんのですよ。
極めつけはブルースウェインと対面した時のイカれ具合ね、「なーーーーーーーーーーーんでこんなことになるの!!!!!」みたいなキレ方、アレ流行らないかなあ……。
あとこれはちょっと思いついたことですけどクライマックスのリドラー軍団、あれの中にジム・キャリー入ってたら面白いですよね、新旧リドラーだぜ。

・Jの影
ポスクレで出てきましたね~ジョーカーがね~!
演じているのはまさかの「エターナルズ」ドルイグ役でもおなじみなバリー・コーガンということで、でもこれ言われないと誰だかわかんねえな??
映画本編ではほんの一瞬しか出てきませんが、その後未公開シーンも明らかになったりして結構おしゃべりしていたご様子。でもな~やっぱヒース・レジャーやらホアフェニがすごすぎてな……。
別に今回のジョーカーが嫌だとかそういうんじゃないですけどね、最後に響く笑い声がホアフェニジョーカーのアレだったらもうね、スタンディングオベーションでしたわというお話です。

・デーンデデーンデーン
メインテーマなんでしょうけどめちゃくちゃ擦っててちょっと途中から笑えてきてしまうまでありますね。
まあ重厚感たっぷりな感じに使われているので全然かっこよくていいんですけどね、耳にも残るしうまい事やってるということです。
ダークナイトのメインテーマはダークヒーローっぽくていいとすればこっちは何というかマジで恐怖一本のストロングスタイルなかっこよさ、予告編の時点でこびりつくそれはまた、それでいいものです。

・DC、大丈夫?
この映画もめっちゃ面白いし「JOKER」もめっちゃ面白いんですけど、なんか最近またユニバースというかプロジェクトの方針を見直すみたいな記事も出ていましたし、勝手に思ってることではありますが、大丈夫なんですかね?
上記2作はあまりにも暗い作風な反面、「ザ・スーサイドスクワッド」みたいな逆方向にぶっ飛んだ作品もあったり、今後は「アクアマン」とか「ブラックアダム」とかそういう路線の作品も控えている訳でして。
まあMCUがあんだけうまい事やれてるのが奇跡なんだなってお話もありそうですが、もう下手にユニバースとかやらないほうがいいじゃないですのん?

・終わりに
トレーラーの時点で「うわ~めちゃくちゃ面白そ~でもめちゃくちゃ暗そ~」って思っててほんで見てみたら「うわ~めちゃくちゃ面白い~でもめちゃくちゃ暗い~って感じで、よくもまあこのテイストで3時間行ったなっていう驚きもありました。
めちゃくちゃ続編をにおわせる終わり方もしてくれているのでね、是非ともリドラーくんは次調子こいてジョーカーに殺されていただきたいものです。

ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。

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