私的映画ランキングトップ100をレビューする 第24位「ブラック・ウィドウ」

公開延期しすぎだろ!

新しいクロスオーバーが楽しみすぎることでもおなじみ、MCUの映画においてはこれまでの「インフィニティ・サーガ」から一区切りついた後、いわゆるフェーズ4の1番手を担う作品ですね。
時勢が時勢なもんで何度も何度も公開延期を重ね、公開されたのはつい昨年の5月とかそんなもんだったような記憶があります。
それだけ延期してでも万全な時期に送り出したかったのが伝わってくるような渾身の一作、それでもやはり配信と同時期にしてしまったゆえのあれやこれやがあったりした様子ですが、まあ思いつくままに行きましょう。

・難しいんじゃない?
まずブラック・ウィドウの単品映画をやるっていうニュースを見たときに思ったのがこれです。
もう「エンドゲーム」っていうとんでもない作品が出てしまって、その作品中でブラック・ウィドウは言ってしまえばまあ死んでしまうんですわ。
そんで今作以降のフェーズ4ラインナップを見るとシャンチーやエターナルズの新顔の皆さん、スパイダーマンやブラパンなど大人気ヒーローに加えてストレンジ先生やキャプテン・マーベルの強キャラ軍団といった面々。
これあんた…一般人枠でしかももう死んでるのにどう面白くしてくれますのん…?と不安になるのも当然といったお話。
そこに拍車をかけていたのが日本の広告というか、「エンドゲームの謎が明かされる」みたいなことをおっしゃってましてこれが。
こちらも結論から言ってしまえば特に謎が明かされることはなかったというか別にエンドゲームにこれといった謎があったかというとそれすらも怪しいというようなお話ではあったんですけどもね、まあめちゃくちゃおもしろかったので万事OKというものです。

・もう死んじゃってるのよね……。
つってもどうしてもこの問題はつきまとうんですよね。
今作は「シビル・ウォー」~「インフィニティ・ウォー」の間のお話ということでそこら編に繋がるあれやこれやがあったりするんですが、まあなんというかオチがわかってるってほどでもないにしろ、この後彼女が向かう結末を知ってしまっている以上すべてが一段落してもどこかこう…ちょっと切ない感じになってしまうのが辛いところです。
実際にポストクレジットシーンでも彼女のお墓にエレーナがやいのやいのしているシーンが挟まる上、本来であればこっちで初顔見せになるはずだったコンテッサ・ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌさんがクッッッッソ不穏なことをやらかすもんでもうね、情緒がね……。

・ナターシャ・ロマノフさん
いい人すぎない???
アベンジャーズとかアイアンマン2とかで見せていたちょこっと生意気な感じはどこに行ってしまったの??いやいいんですけどね??
自分の身がどうなろうと知ったこっちゃないという具合にすべてを投げ捨てながらすべてを助けようとするのでもうヒヤヒヤが止まらない、というかエンドゲームで死ぬから今作じゃ死なないっていうのをわかっていてもここまでヒヤヒヤしますのん??っていうレベルです。
MCUの物語が進んでいくにつれ、アベンジャーズというもう一つの家族を手に入れた彼女だからこそ成せることというもので、ここまでのヒーローになったのであればエンドゲームのダイナミック自死バトルもうなずけるといったお話。
最終盤、エレーナに向けた「一人にしてごめんね」「私にとっても本物だった」はMCUでも五指に入る名言の一つ、これであと2つですかね?いやもう思い出すだけで涙が、で、出ますよ……。

・エレーナ
いいキャラしとるわ~~!
演じているフローレンス・ピューさんでしたっけ?ミッドサマーでもおなじみな方らしいです、この人すごいですね、ドハマリ役ですわ。
ナターシャとは幼い頃からの姉妹関係(疑似)ということで今作は彼女らのバディ・ムービーな趣もございました。
長い期間洗脳されていたということで自分の意思で行動するということもなかった様子。それゆえに中盤、自分の意志でポッケがいっぱいのベストを買ってにっこりしているシーンはもうね、思い出しただけで泣いちゃう;;
しかもあのベストインフィニティ・ウォーでナターシャが着てるんですよね;;もう泣いちゃう;;;;
最近はドラマ「ホークアイ」でも彼女の掘り下げがありましたけれどもね、お願いだから悪いやつじゃなくて2代目ブラック・ウィドウとしてアベンジャーズを牽引してください…………。

・その他ご家族の皆様
レッド・ガーディアンことアレクセイさんはロシアのキャプテン・アメリカ枠ということで原作を知る人にはおなじみ。
今作ではぽっちゃりとしているウザ親父ポジションということで結構ひどいことを言われたりお笑い要因にされたりしていましたが、別枠というかドラマでもいいので彼の全盛期を見てみたいな~と思わせてくれるような魅力もありました。
あと作中で名前だけ出ていたクリムゾン・ダイナモ、あれどこかで回収するつもりなんですかね?ウィンター・ガード登場ということにもなるのであればもう楽しみすぎて困っちゃうぞ。
スパイの母はスパイということでしたお母さんのメリーナ。エレーナと似すぎた名前で紛らわしいですね。
飼っている豚に夫の名前をつけるなど、そこに愛はあるのか無いのかよくわからないようなデレを見せつけたりと歪具合が刺さる人には刺さりそうな具合。
立ち回りからしてこれもう家族を守って死ぬやろ……と思っていたら以外にもしっかりと生還。こちらも今後のMCUで再登場してくれると喜びます。

・ドレイコフ
キモい~~~!
珍しいんじゃないですか?MCUでこれだけ「お前だけは殺すべき」と一切のためらいもなく思わせてくれるヴィランってそうそう居ないんじゃないですか?
やってることがもう全部が全部気持ち悪くてたちが悪いので終盤のナターシャとのタイマンももう気色悪い気色悪い、なんやねんフェロモンロックてあんた。どうやら原作にもそういう設定のヴィランがいらっしゃるようです。
あと鼻の神経を切って無効化してワンパンみたいな倒し方、面白くていいですね。どうやらこちらも原作に同じようなネタがあるようです。
しかしレッドルームは空にあったんだ!という設定やウィドウズたちを影で支配していたという規模感の大きさはさすが、エンドゲーム後に放り込んでも遜色ないヴィランとしての「格」だけはありましたね、いやはやしかし気持ちが悪い(褒め言葉)。

・タスクマスター
満を持しての登場!というアルカプなんかでもおなじみな名ヴィランですが、今作では中身が女の子という衝撃的な設定で登場しました。どうも気づく人は開幕のクレジットが流れているときに察したりもするそうで、オルガ・キュリレンコさんなんですね~。
原作の設定通り、一度見た戦い方を完全にコピーするカカシ先生戦法、作中ではキャップだったりブラパンだったりホークアイだったりバッキーだったりの戦い方を使っていて、シリーズを見ていれば見ているほど「おぉ!」となれるのは嬉しいポイントです。
あとは作品中に新しくこうね、別のヒーローから戦い方をコピーして~とかいうのも欲しかったんですけども、まあ単品作品では難しいかなという次第なので、似たような能力持ちのエコーさんに期待しておきましょう。
さておきこいつとナターシャの最終決戦、あれめちゃくちゃに落ちながら戦っていてお前らさあ…一般人だぞ……?と半ば引いてしまうレベルのアクションだったんですけど、あれどうやって撮ってるますのん??
それと最後、散々バカにしていたスーパーヒーロー着地モーションでケリがつくのもこう、MCU的というかね、キングスマン的というかね、いいですよね。

・口笛の余談
ナターシャとエレーナの間でかわされていた秘密の口笛、あの音って多分映画のトレーラーで流れていたあの曲っぽい感じだと思うんですよ、そんであのトレーラーのあの曲めっちゃ好きだったんですよ。
そしたら本編だとあの曲1ミリも流れないじゃないですか、まあ別にトレーラーで使われていた曲が本編じゃ流れないなんて別に珍しい話でもないんですけどね?散々公開延期されたもんでトレーラーも散々見ているわけで、あの曲がこびりついて離れないわけですよ。
ちょっとでもいいから本編で流してほしかったな~~~。

・おわりに
ナターシャがどのようにしてエンドゲームで下したあの決断に至ったのか、そこに説得力をもたせるという意味でこれ以上ない完璧な作品でございました。もうね、見終わった後はひたすら「良い…………!」ってなってましたもんね。
あの最高のアッセンブルのシーンにナターシャだけが居ないというのはとても悲しいお話でもあったので、今作を持ってある程度救われた…かもしれないのがね、まあありがたいお話です。
そんでもってここからシャン・チー、エターナルズと新顔がポンポン登場して、ドラマシリーズも次々に展開されるということで、フェーズ4のこれからを楽しみにしながら記事を締めようと思います、うまくまとまったな!

次回、23位はPUT ON A HAPPY FACEなあの映画です。
ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。

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