私的ゲームランキングトップ100をレビューする 第13位「ダークソウル3」

……まだ、居たのか。

火継ぎの物語ですっかりおなじみ、フロムソフトウェアが手がける「ダークソウル」シリーズの3作目にしてシリーズ完結作になります。
「デモンズソウル」を端緒とし、「ダークソウル」「ダークソウル2」と受け継がれてきた「ソウルライク」な物語に一度終止符を打つということで、これまでの集大成と言っても過言ではないクオリティの傑作に仕上がっていますね。
これまで描かれてきた神話の終わりということもあって、どこか切なく物悲しい雰囲気漂う今作、いろいろ思い出もある(はず)ですので、お話していければという次第です。

・アクションのお話
前作の「2」がそれはそれはもっさりとしていて、武器や魔法の種類こそ沢山あって楽しいものの、そのアクションの根幹にある部分がちょっとなあという具合だったんですが、今作のそれはかなり気持ちよく、またサクサクと動いてくれるので遊び甲斐も一入ということですね。
というのも恐らくではありますが「2」の後に「Bloodborne」なる大傑作が生まれていますので、その辺で上手い事反応があったのかなあといったことを考えてしまうんですけども、そこんとこはね、まあわからない物はわかりません。
と、褒めはしながらも今作で新しく追加された「戦技」のシステムは正直あまり活きているとも言い難く、強い魔法や武器もそこまで多くないというのもまた難しいところ。
「デモンズソウル」より後にはずっと言われている事でもありますが、難易度の上昇とプレイヤーの技術の向上に伴って、なんというか調整が難しいんだろうなあというのはひしひしと伝わってきますね、悲しい事だ。

・マップのあれこれ
ソウルシリーズと言えば個性あふれる高難易度なマップの数々とボスの数々。シリーズの記事ではもはやおなじみですが、印象の深いマップやボスについてね、いろいろとお話しできればなという次第です。

・ロスリックの高壁
たかかべ派は賢いな。
チュートリアルエリアの「灰の墓所」を除くと一番最初に攻略することになるエリアになっていて、まあ無印で言うとこの城下不死街ってところなんでしょうね。
ソウルシリーズではないにしろ一応の前作「Bloodborne」では序盤を難しくしすぎたという反省があったらしく、今回は多少はマイルドに…と言っても本当に多少くらいなもんで、実際後半エリアに登場するロスリック騎士がこの時点でポンポン出てますからね、お前黒騎士みたいなもんやぞ??
一筋縄ではいかない攻略ルートを通らせてくるあたりもどこか城下不死街っぽさを感じたり、その気になれば一気に中盤~後半のボスを倒せたりと、全体的にどこか無印っぽい趣でもありました。

・深みの聖堂
薫りとコク。
序盤に進めるマップのくせしてバカほど広いということでもおなじみ、あとやたら強モブが配置されているのも嫌らしいところです。
入口付近の雑魚無限湧きスポットでえらい目に遭ったような記憶があったり、途中自らを燃やしてカミカゼアタックを仕掛けてくる敵にびっくりしたりなど、なかなかインパクト強めな一方でボスはあんまり強くないというのもまた面白いところ、そこんとこのバランス調整が今作はお上手ですね。

・ファランの城塞
毒沼だ~!
デモンズからダクソ2まで存在していたいわゆる「腐れ谷枠」なるステージが今作は存在しない(無理やり当てはめるなら罪の都?)んですが、まあ毒沼という共通点を見出すのであればここがその枠ってことになるんでしょうかね。
腐れ谷や病み村のそれとは比較にならないほど広大な毒沼を走り回って攻略することになるんですけどもね、いくら所々に無印とのつながりを匂わせる要素があるからってね、毒沼ってのはおもんないものなんですよわかりますか??
配置されている敵キャラもでかくてパワーのあるやつだったりシリーズおなじみのバジリスクさんだったりどっかの島にはクソ強いグルーが配置されていたり、大体無視して走り抜けられるのが幸いですわな。

・冷たい谷のイルシール
き、きれ~~~!
カーサスの地下墓を抜けて初めてここに来たときはそれはもう感動したものです。
マップの雰囲気もダクソ2で好きだった「凍てついたエス・ロイエス」にどことなく近しい雰囲気があって、道中も駆け抜けてしまえば大して難しいわけでもないのでそこそこ好きなマップかもしれません。ただし動物ふれあい階段だけは許さねえぞ。
なんか他で項目作ってやるほどじゃないんで思い出したタイミングで書こうと思ったんですが、今作って足音がめちゃくちゃいいんですよね。特にこのマップ道中もボス前も走り抜けることが多いので自然と足音を聴く事が多くなってより印象に残りやすいようなイメージがあります。
はだしでもコツコツ言っていたダクソ2やBloodborneからえらい進化なもんで、足音の良いゲームにクソゲー無しとはよく言ったものです。

・イルシールの地下墓
今作で一番雰囲気が好きなマップかもしれない。
配置されている敵キャラとかはまあもうそれはそれはクソの極みみたいなもんなんですけどね、全体的にデモンズの「塔のラトリア」を意識していそうなステージづくりになっているので歩いているとノスタルジックな感じで楽しかったですね。
前半と後半でちょこっと雰囲気が変わってくるのも面白いところで、ボス不在の通り抜けエリアにしてはいろいろと凝っているのもまたお楽しみポイントじゃないかなと思います。ただ何周遊んでも迷ってしまうのは一体なぜなんだ……。

・罪の都
かなーーーり無理やり腐れ谷枠だと言い張ることもできそうなこのマップ。
本筋だけ攻略するなら非常に短い作りになっていますが、よくよく探索してみると結構いろいろなアイテムが手に入るのがまた特徴でしたね。
しかし都という割にはあまりにも狭く、せっかくここのボス戦楽しいんだからめちゃくちゃに作りこんで欲しかったな~などと贅沢な文句を垂れてみたりもします。

・アノールロンド
うおおおおおお!!ってなりますよね??
ここどこから繋がってるんでしたっけ?サリヴァーンの裏からですかね?
イルシールを抜けた先から銀騎士が出てきたり、ソウル名物梁渡りがあるあたりで「なんかこれアノロンっぽいな……」と思わせておいて、その先の露骨な部屋と露骨すぎるエレベーターで「え?これアノロンやん」からのエレベーターが昇り切っていつものボーン”アノール・ロンド”で「アノロンやないかい!!!(歓喜)」となってしまいましたね。
大人の事情か中身はだいぶカットされているもののその姿かたちは当時のものそのまま。しかしかつては幻とは言えあれほどに荘厳だったアノロンがあんなことになってしまうだなんて…と、シリーズが終わりに向かっていく寂しさがこれまた味があって良いんですよね~。
今作はファンサービスが多すぎてやいのやいのと言っている厄介なファンもいるみたいですけど、嬉しいファンサービスなんて多ければ多いほど良いものなのでつまりそういうことです。

・無縁墓地
ええ…なにここ……。
エルデンリングでも王都に円卓と全く同じな建物があったりしまして、こういう演出は悪く言えば使いまわしですがよく言えば…いえば……まあエモいってやつですね、まったく便利な言葉だ。

・ロスリック城/大書庫
今作のドラングレイグ枠ってことなんでしょうかね?
後半も後半のエリアという事で相当に気合が入った難易度。作りこみもすさまじく、特に大書庫は屈指の神マップということでマルチプレイも大いに賑わったそうです。
特にボス前の大階段はこれまたデモンズソウルの神マップ「王城3」を彷彿とさせるデザイン、というかまんまですからね、駆け抜けてしまえばどうという事もないのもこれまたまんまでございます。
というか今作は大体のマップが駆け抜けてしまえば大したことはないというのがありがたいポイントで、初見ではしっかり攻略して、周回を回してボス戦を楽しみたければ走り抜けてしまえばいいというお話ですのでね、このくらいがちょうどいいんですわ。

・最初の火の炉
その名前はずるいやろ~~~!

・アリアンデル絵画世界
絵画世界ってね~~これまたずるいよね~~~。
本編でもイルシールで雪のマップやってるのにまた??って思わないこともないですけど、割と序盤から突入出来てアイテムがおいしいとか敵キャラやNPCにも個性があって面白いのであんまり気にならないというのがいいですね。
まあぶっちゃけDLCはマップそのものよりボスがね、あれなので、ほどほどにしときましょう。

・ボスの皆様
もう今作と言えばね、それはそれは恰好のよろしいボスの皆々様ということで、もう良ボスクソボス揃いに揃っておりますので、こちらもいろいろとお話ししていきましょう。

・灰の審判者 グンダ/英雄グンダ
最初のボスにしちゃ強すぎませんこと??
自分は発売前の体験会的なアレで事前に戦っていたのでそこまで苦戦することもなく倒せたんですが、さすがにシリーズ3作目ともなるとユーザーのレベルも上がってるだろってことなんですかね?
そんなこんなで後程無縁墓地にて郡田英雄英雄グンダとして戦うことになるとこれまたこれでめちゃくちゃ強いので土下座することになってしまいます。
しかしこいつらは炎属性だとかパリィだとか、しっかり対策を立てると威圧感たっぷりな一方で緊張感あふれる死闘を楽しめる良いボスなんですよね、どこぞの腐敗の女神さんも見習っていただきたいものです。

・深淵の監視者
かっこいい~~!!
見た目も設定も攻撃モーションもムービーも全部かっこいいですもん。ずるいもん。
血のあれやこれやとか、2段階目に入ると攻撃に炎を纏うとか、おや?マリア様かな?とニヤついてしまうのも仕方がないお話。
またBGMも静かなイントロから始まるのがね~オシャレなのよね~ちょうど段階移行で曲調が変わるというのもたまりませんな!

・覇王ウォルニール
あれ何やったん??

・神喰らいのエルドリッチ
喰らいすぎやろ……。
見た目から察するにドリン様とニトとええと…まあ主にドリン様なんでしょうね、アノロンにいますしね。
こいつとの初見での戦いはもう矢雨との戦いと言っても過言ではなく、2段階目以降の恐ろしく追尾する雨がどうしてもよけられなくてひいこら言っていました。アノロン名物柱シールドも使えませんからね。
というか今作のいわゆる四王ポジションのボスはどいつもこいつも形態移行で身体に炎を宿すのがね、そんなんかっこいいに決まってるやんか……。

・巨人ヨーム
かっこいい~~~!!!
初見ではその見た目のインパクトに気おされているうちに見事に敗北、そのあと2戦目で「せめてその奥にあるアイテムだけでも…!」と入手したのがまさかまさかまさかの”ストームルーラー”ですよ!!もう叫びそうになっちゃいましたね!!!
「嵐だけが大樹を倒す」ということでこちら今作のイベント戦闘的なポジションな訳ですけれども、最初はデモンズみたいな感じでええんやろってことで戦技で戦うという事に気づかずえらいことになりました。
ジークバルトのあまりにも激熱なイベントを知ったのもそれはそれは先のお話。フロムのイベントボスは賛否こそありそうなもんですが、個人的にはどれもとても楽しくてアツくていいですね、ライカードも好きよ。
あとね、忘れちゃいけませんので一応、「太陽あれ!!」

・妖王オスロエス
ティガレックスじみた見た目でイャンガルルガじみたノーモーション突進してきやがって許さねえからな貴様。

・竜狩りの鎧
真剣勝負に横やりなんてふざけないで!!
途中から参戦してくるなんちゃらの蝶みたいな名前のモブがいなかったらめちゃくちゃ神ボスなんですけどね~、まあ居ないなら居ないであんまり強くないし物足りないとか言ってるかもしれませんのでそれはそれということ。
今作最強のステータスである出血が効かないということで結構正面切っての殴り合いになりやすいのもまた楽しいポイント。
あとこいつはBGMがめちゃくちゃかっこええんですわ、さすがに竜狩り繋がりで行くところのオーンスタイン的なカリスマ性は無いにしろ、結構好きです。

・王子ロスリック/兄王子ローリアン
普段何食べてたらこんなかっこいいボスを思いつくんだ……。
ゲーム開始直後から語られる、今回の火継ぎの最重要人物はまさかの双王子でしたということで、こいつらとの戦闘もなんとも切ない展開が待ち受けていました。
火継ぎなんてもうたくさんだというのはまあ実際ちょっとわかるというかそうもなるやろといった具合で、兄王子ローリアンの剣技とロスリックの魔術をが組み合わさったハイテンポな殴り合いはとてもとても脳汁が留まるところを知りません、とにかく戦っていて楽しいボスですね。
あとこれも忘れちゃいけないのがBGMのすばらしさ、今作のボスBGMはどれもとんでもなくかっこいい名曲揃いなんですが、個人的にはこいつと竜狩りの鎧の2強かな~って感じですね。
テ~テテレレレレ~テテレレレレ~のところ、狂おしいほど好きなので伝わってくれや。

・無名の王
つ、つええ……。
初見の時あまりにも強すぎて心折れそうになってました、しかも第2段階まであるとかもう……。
でも慣れてくると確実に攻撃を入れられるタイミングがわかってくるし、何なら第1形態なんてノーダメ余裕ってくらいには楽になるし、今となっては自分の成長が実感できる神ボスだと手のひらクルーですね。いやはや。
あとこいつもそうなんですけどムービーの演出がいちいちかっこよくてキレそうになってしまいますね。アノロン流パワーアップは何度見ても心躍るというものだ。

・王たちの化身
いやだからずるいって~~~~!!
もうこんなもんずるいの極みみたいなもんでしょう??
第一形態では無印と2の主人公を彷彿とさせる戦闘スタイルをクソスタイリッシュに使い分け、ものすごい勢いで感情を揺さぶられながら第2形態へ移行すると今度はBGMがあの!グウィンの曲が!流れて!しかもあのグウィンの開幕突撃攻撃モーションで突っ込んでくる!
ってなもんですからシリーズ経験者はみな本能でパリィしちゃって直撃するんですわな、いやこれパリィ不可はおかしいやろ!!
エモーショナル全開なBGMの中、火継ぎの物語がどのような終焉を迎えるのかという戦い、散々ずるいずるいと言ってはいますが、これ以上に最後にふさわしいバトルもなかなかないというものです。

・修道女フリーデ
んも~~かっこいいって~~~~!!!
深めのフードで裸足な修道女さんが鎌二刀流ってお前考えたやつ変態が過ぎないか???
しかも攻撃モーションまでいちいちかっこよくて何??消えるって何??しかもしっかり見破れるようにデザインされてるの何???
そしてまさかの第3形態まで用意があるというボリューム満点。第2形態の修道女フリーデ/教父アリアンデルの組み合わせなんかね、ちょうどこのDLCの配信前に「オンスモみたいなパンチある複数ボス出ないかな~」って言ってたところなんですよね、これすごくないですか??
惜しむらくはそのオンスモほど強くないというか最終形態が強すぎて影が薄めなのがね、寂しいところではございます。
ほんでもって最後は「いつか灰はふたつ、そして火を起こす」「やはり君には、灰には、火が相応しい」というとてつもなくオシャレなセリフとともに”黒い炎のフリーデ”として大復活。んも~~~~~^^^^
後述のゲール爺と並んでシリーズ最強との呼び声も高い彼女、しかしフロムソフトウェアはマリア様の衝撃に味を占めすぎというお話、まあうれしい事なので別にいいんですけどね。おいマレニア聞いてるか??

・デーモンの王子
火継ぎの祭祀場をフィールドにするのはずるいって~~~

・闇喰らいのミディール
デカドラゴン系ボスは往々にしてクソの伝統を見事にひっくり返してくれました。
初見の際はソウルシリーズおなじみ「デカブツは足元がお留守」の原則にのっとって散々ボコボコにされたというものです。
あれやこれやしているうちに顔の目の前、ド正面が一番安定するというのがわかるとそこからはもうそれはそれは楽しい真剣勝負。
初見4周目で挑んだというのもあってバカ程HPがあってめちゃくちゃ苦労しましたが、演出やらこみこみでもうね、最高ってもんやわ。

・奴隷騎士ゲール
ああ~~~^かっこいいんじゃ~~~^^^^
こいつもBGMエグいモーションもエグい設定も最高と3拍子揃った神ボスなんですよね~~~。
お嬢様のためだけにひたすらダークソウルを求め、しかし彼は英雄でなかった為にその行く末を見ることは叶わないと理解していたというのがもう、もう……。
攻撃も熾烈にして苛烈ではありながら、どれもしっかり回避する方法はある上に攻撃チャンスも不快感の内レベルで用意されていて、いや~良ボスってのはこういうやつのことを言うんですよね~マレニアさん見てますか??
しかし上空で一回転しながらボウガンを連射したり、剣戟にマントを追従させる某第六天魔王めいた攻撃をしてきたり、どんだけかっこよくなれば気が済むんだこいつは……。

・火継ぎの終わりの物語
3部作の最終作ということで、迎えられるエンディング3種類もそれぞれな形でしっかりと結ばれることになるんですけれども、どのエンディングもまた味わい深くていいんですよね~。
一番メジャーなエンディングであろうアレ、最後に主人公が微かな、あまりにも微かなはじまりの火を継ぐエンドも切なさがあって良いんですけど、個人的な一番のお気に入りはやっぱりかぼたんエンドですわね。
「まだ、私の声が聞こえていますか?」という声で終わるあの円ディング、実際あんなかぼたんが側にいてくれるなら闇の世界だってへっちゃらというものです。
もう一つの終わり、火の簒奪者もまあまあこれまでの作品にもあった闇の王ルートということで面白いっちゃ面白いんですけどね、やっぱおまけ感がぬぐえないところもあります。

・おわりに
本当はお世話になった武器とかNPCのお話とかもっともっとあるんですけど、このままだと軽い論文みたいな長さになりそうなので無理やり終わらせようと思います。
ダークソウルというシリーズはここで美しく終わりを迎えてしまったということですので、ちょっとした寂しさもありながらもね、エルデンリングのあの感じ見てるとここで終わっといてちょうどよかったのかな~なんて思っちゃうのもこれまた別の意味で寂しいお話です。

次回、12位はかがくの ちからって すげー ! なあのゲームです。
ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。

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